"真摯さ"で組織を動かすカスタマーサクセス
こんにちは。アルプのカスタマーサクセス(以下、CS)の水谷(@ryoji0112)です。
昨日の「カスタマーサクセス天下一武闘会2021」に出場しました。残念ながら敗退してしまいましたが、応援してくださった皆様、ありがとうございました!
当日のアーカイブは下記です。1:38:44からが私の予選のプレゼンテーションです!
このイベントでは、Expansion に関する施策や日々のオペレーションについてをテーマに発表しました。この記事では、決勝戦で発表予定だった「MRR が5万以上の企業への Expansion 施策/オペレーション」についてお話できればと思います。
事業規模が大きいお客様は、ステークホルダーが多い
アルプは、SaaS を筆頭としたサブスクリプション型のビジネスをされている企業様の販売管理、特に契約・請求の管理を行う SaaS として Scalebase というプロダクトを提供しています。Scalebase はビジネスのコアとなる領域を扱う基幹システムにあたります。
Scalebase が「お客様の非連続な事業成長を支えるビジネスインフラ」となるために、CS は主にお客様のオペレーション構築・運用を支援しています。
事業規模が大きいお客様の場合、今から仕組みを作る、というよりも、既にある仕組みを Scalebase に載せ替えて運用をしていくことになります。
その場合、最も重要になるのは導入担当者の意向だけではなく、既存の運用と比較して全体の業務効率が担保されていることです。全体の業務効率という観点が関連しますので、関係者は必然的に経営層や関連部門の担当の方々に広がります。
お客様を動かすために、同じ方向を見るコミュニケーションをする
導入担当者を軸に様々な方がお持ちの Scalebase への期待に応えていく必要があります。
推進役となる導入担当者の意志とは異なり、要望の優先順位付けや異なる意見の調整が発生します。それを乗り越えて推進するためには、どなたに、どのような内容の報告を、どの順番で実施するかなどコミュニケーションの設計も必要になってきます。
この多くのステークホルダーが絡み合う難しさが、俗にエンタープライズの難しさと言われるものの主要因です。こういった状況下においては、お客様の組織を動かすことを意識し、関係される皆さまの横に座るようなイメージで同じ方向を見て進むコミュニケーションが必要であると考えています。
お客様の組織を動かす上で、重要な3つの施策
お客様の組織を動かす上で重要なのは、1. 導入担当者とチームになり関係者のニーズを吸収していき、2. それらのニーズに対して導入や継続・Expansionにおける障害を取り除く提案を行い、3. そのために必要なサポートがあれば CS だけで解決しようとせずアルプ全社を巻き込む、ということです。
1. 導入担当者とチームになり、関係者のニーズを吸収する
まずは、Scalebase の担当者の方と1つのチームになり、関係者の方々のニーズを吸収していくところがスタートです。
業務全体を通じて、どのような業務を、誰が、いつ、どのような手段で、どんなデータを用いて実行されているのか?を何度かヒアリングを行い、シートに埋めていくようにしています。
業務ヒアリングシート
ヒアリングする上でのポイントは、フラットに偏りがない状態で整理することです。インプットに偏りが出ると、アウトプットとなる提案も偏りが出ます。
システムの導入をリアルに感じてもらうために業務フロー提案シートを見せながらヒアリングをしています。そこでリスクがないか、誰のどのようなニーズが解消されれば良いかを抽出します。
業務フロー提案シート
2. 導入や継続における障害を取り除く
定例会のセッティングや、WBS などを用いて進捗管理を積極的に支援することでプロジェクトを推進します。本番運用後も継続することで、障害に気づきやすく、離脱を可能な限り低くすることが可能です。
WBSを用いた進捗管理
また、いただいている費用の中で弊社側で作業可能な範囲を提示し、その範囲に基づき弊社も手を動かすこともあります。これによりお客様の工数不足を補うことができます。ポイントは、まずは合意させていただいた範囲の通常のサポートの中でやるべきことをやりきってお客様の満足度を高めていくことです。
仮にできないことがあっても、課題となっている事象に対して何か解決策はないかと、真摯に提案を考えて資料に落とすようにしています。
その結果、弊社が作業代替することでお客様の負荷がさがることがわかった上で、お客様がお金を出してでもアルプ側にお願いしたいというご要望があれば、有償で追加作業を実施する提案を作っています。
3. 必要なサポートは全社を巻き込む
Scalebase はまだまだ機能強化が必要なフェーズであるため、機能不足についてサポートが必要な場合はアルプ全社を巻き込んで支援していきます。Scalebase の機能不足や CS のスキル不足で対応できないものを放置せず、お客様の課題に対して、全社で真摯に対応することでお客様の満足度に繋がります。
なお、サポートの過程で先方の規定やルールに踏み込んだ話題になったり、納品したものの運用をお願いされるケースもあり、その場合にはなぜ通常サポートではないのか?を説明し、追加契約をいただいております。
Expansion を見極めるポイント
曖昧になりがちな作業に対して、お客様で実施いただくべきか、CS がサポートすべきかを見極めることが重要です。
Scalebase を利用するに当たって、お客様が現時点で利用しているデータを移行いただく必要があります。「データの移行をすべてやってください」と言われた場合、弊社としてはお受けできません。
一方、「データの移行をしようと思いデータを抜いたが、Scalebase に入力できる形にして取り込んでほしい」と言われた場合は、お受けします。
その場合も、取り込む前にファイルの最終確認はお願いしますし、一定お客様にも工数がかかることを正しくお伝えした上で、それがお客様のメリットになるのであればお受けします。
お互いのやるべきことを言語化し、曖昧になりがちな境界線に納得感を持たせることができれば、CS も気持ちよく提案できるし、お金をお支払いただけると思っています。
アルプが考える、お客様組織を動かすコミュニケーションによる Expansion とは
Expansion で一番重要なのは Scalebase を継続いただくことです。お客様に継続いただくために必要なことを完全にできているとは思っておらず、実態は非常に泥臭いです。
関係者のニーズを把握した上で、継続や Expansion を阻害する要因に対してまずは通常必要とされるサポートを徹底的にやりきることです。その上で、さらに踏み込んだサポートを求められた結果として、売上の追加(=営業活動)につながります。
改めてアルプの Expansion を定義するとすれば、「日常での真摯な関係構築の結果必然的に起こるセールス活動である」と考えています。
お客様と CS が共通認識を持つこと、必要なものを真摯に提案し続けた結果として積み上がる売上であるという思想を持って、顧客体験を高められる CS へと進化していければと考えています。
お客様への真摯さを貫くために、我々が考えるこの "正しいこと" はこれからも追求していければと考えております。
発表スライド
最後に
今回の記事を見てアルプのカスタマーサクセスについてご興味を持ちましたら、ぜひ Meety で私と情報交換しましょう!よろしくお願いします!
今回のアルプではカスタマーサクセス含め、積極的にメンバーを募集しています。アルプについて気になった方はぜひ採用情報をご覧ください!
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