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裏文學界の裏大歌会【東京編】の開催の経緯と雑感
裏文學界の裏大歌会というイベントの開催の経緯および終了後の雑感についてこちらで簡単にまとめておきます。本編はこちらから。
■裏文學界の裏大歌会【東京編】の開催の経緯
そもそもは文學界2024年9月号(発売2024年8月7日)の特集が「短歌と批評」であることが発端になっています。
石井が仕事終わりで家に帰ると、上篠翔さん(@KamisinOkkk)が
それではぼくは裏文學界に呼ばれましたのでそちらでお会いしましょう……
— かみしの (@KamisinOkkk) July 30, 2024
とx上でポストしていたので反射的に
裏文學界で裏大歌会でもやるか。
— 石井僚一 (@is_hi_i) July 30, 2024
とポストしてしまいました(文學界の特集内の企画の一つに「短歌を詠み、短歌を読む――十三名による大歌会」というものがありました)。
当該ポストに上篠さんから「いいね」のリアクションがついたので、すぐに上篠さんへDMで「裏文學界の裏大歌会」のという歌会の開催を打診すると、上篠さんから「やりたい」との返答が来たので、その日のうちに会場を抑えて、その日のうちにtwiplaで参加者を募集するに至りました。
実際の募集ページはこちらのリンクを参照ください。
■その他の当日までの経緯等
今回は参加者を「歌集出版歴のある方」に限定しました。文學界のほうの歌会企画の参加者のわかりやすい共通項が「歌集出版歴」である石井で勝手に判断したためです。せっかくだから強いメンツで歌会やりたいな、というシンプルな気持ちもありました。
かといって、そこにいられる人を限定するようなクローズドな場にしたくなかったため、今回特別に見学枠を設けました。
いずれのレギュレーションも上篠さんに許可は取りつつも、原則は石井が決定しています。
文學界に載る大歌会へのアンチとしての「裏文學界の裏大歌会」、行きたいなとおもったけど会場が東京なので簡単にはいけないし、では表でもなく「裏」にすら参加できない自分って何?って気持ちになったし、無邪気に裏とか言うなよと思う
— 阿波野巧也 (@tkyawnss) August 1, 2024
また、阿波野巧也さん(@tkyawnss)の発言、その後のやりとりを経て、名称を「裏文學界の裏大歌会」から「裏文學界の裏大歌会【東京編】」に変更しています(これが根本的な解決になっているかは不明ですが)。
こちらとて文學界に呼ばれていない者として(これをやることで文學界に今後呼ばれなくなる可能性も受け入れながら)自主的にやっているだけなので、ここまで言われると少し落ち込んだりもするんですが、「東京にいる」ということがそうでない立場の人からは大きな利に見える、ということを改めて感じた次第です。
この歌会はこれきりで終わる予定でしたが、今回のやりとりを経て、別の地域でもう1,2回、似たような名目・似たようなレギュレーションで歌会やったほうがいいのかな?という気分にはなっています。次は京都かな……。
開催1週間前の段階で参加者は上篠・石井を含めて6名でした。ということで、ここまでの参加者(佐藤博之さん、佐藤理江さん、鳥さんの瞼さん、廣野翔一さん)については自主的な参加になります。
本来であれば、自ら参加を表明したひとで開催したかったのですが、参加者がやや少ないという判断で、8月11日の郡司和斗『遠い感』歌集批評会の場で、石井が直接声掛けして、大井学さん、川島結佳子さん、郡司和斗さんの参加が決まりました。
選に関しては今回、文學界の歌会企画にあわせて3首選としました。
また、事前に詠草の共有はせず、当日、現場についてから、選をはじめるかたちをとっています(遅れてくるのがわかっていた郡司さんにだけ、ほんの少しだけ早めに詠草を送っています)。
■歌会後の雑感
終了後、見学者にアンケートをとっていますが、意外と歌会の見学枠の需要はあるんだな、ということが判明しました。見学費として1000円いただきましたが、そこらへんにも今回不満の声は出ませんでした。
キレのある歌会にするのに初見の人同士だと遠慮が出ちゃうので参加者を厳選してもいいのでは?みたいな意見が複数ありました。上篠さんとちょっと話しましたが「選ぶと権威化しちゃうよねー」との見解。“裏”みたいな感じでやる以上は、最低限の条件付けだけしたうえで、参加者をオープンで募るのは継続なのかな、と現状は思っています。
歌会の文字起こしをはじめてやりましたが「どこまで編集するのか」はかなり難しいな、と思いました。今回は歌会の臨場感を重視して、極力音声の通りに文字起こしすることを重視しました(とはいえ、それでも「なんか」「えー」みたいな言葉はかなり削っています)。参加者による校正もわがままを言って最小限に留めてもらいました。
対して、文學界の歌会の企画ではかなり文章がスッキリしていたので、校正でかなり文章を直しているし、そもそもの合いの手みたいな文言はほとんど消えているんだろうな、と想像しました。誌面なら文字数の制限もあるしそうするよな。
今回の歌会について、上篠翔さんのポッドキャスト「感情ラジオ」の第7回で少し言及されています。
(※参加者・見学者の方など、今回の歌会についての記事等あればこちらに追加でリンク貼ります。石井まで連絡ください)
■おわりに
特殊な歌会に参加してくださった歌人のみなさん、ならびに、参加者のみなさんに改めて感謝申し上げます。
あわせて、勝手に変なことをやっていたのに黙認してくださった文學界の中の人、すいませんでした&ありがとうございました。
石井僚一