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2024年11月17日の短歌ってなんだったんだ歌会2@神田駅の記録

全文無料で読めます。お金に余裕のある方は購入してくれると助かります。地方歌会の交通費にあてます。前回の歌会の記録はこちらを参照ください。


イントロダクション

神田駅開催の短歌ってなんだったんだ歌会2が終わった。17:30、会場となった部屋を後にして建物の前で会場前で車座になったところで石井が「短歌ってなんだったんだ……」と言い残してその場を去って、そのまま神田駅の近くにあるドトールに入ってこの文章を書いている(ところで調べたところ神田駅周囲にはドトールが3件あって少し驚いている)。

付き合っている人に前回のなんだったんだ歌会の記事を読まれたうえで、それについて「内輪」と言われて少し落ち込む、ということが少し前にあった。それを考えると解散のときに石井が「短歌ってなんだったんだ……」と言う仕組みは本当に内輪ノリだと思う。どこまで内輪のノリじゃなく文章を書けるだろうか。やっぱりどこまでも内輪の文章になるんだろうか。そもそも事実としてそもそも歌会というのが内輪でしかないんだろうか?

「人生の延長でカジュアルに歌会をやろう」みたいな文言で募集をかけて行われている歌会ではある。日記に友だちのことが出てくる、みたいな感じで、歌会で一緒になった人の名前が出てくる。歌会に関する個人的(かつ断片的な)感想が出てくる。「歌会じゃなくて日記だと思ってほしい」という気持ちがあるが、それと同時に「歌会を知らない人にも歌会の楽しさが(その雰囲気だけでも)伝わる文章であればいい」とも思っている。思ったままに文章を書くと、少しずつ変な文章になっていく。読みにくい文章になる。「思っていないことは書けないし、思っていることだけを書くしかない」とは思う。

感情がそのまま記録になればいい、とも思う。

短歌ってなんだったんだ歌会2@神田駅、開始

参加者は石井僚一、す、太代祐一、田中友之、沼谷香澄、海吉行平、吉田彩乃、吉、の8人(五十音順、敬称略)。田中さん、海吉さんは1に続いての参加。沼谷さんとは最近ちょいちょい一緒になっている。太代さん、吉田さんはかなりお久しぶり。すさん、吉さんははじめまして。そんなに名前を出さないでほしい、ということでこういう名称になっております。

15:00ほぼぴったりに会場につくと既に太代さんがおりお久しぶりの挨拶。すさんも既に来ていました。会場内に入って詠草の紙を席において待機。少しずつ人が集まってくる。久しぶり吉田彩乃さんが前よりシュッとしているような気がして、評で刺されるんじゃないか、と思いつつ、15:10歌会開始。

詠草を読む時間を終えて、歌会本編に入っていくんだが、選無しで司会進行を放棄するというシステム上、誰かが最初にどれかの歌を選んで切り込んでいく必要があって、ここがいちばん静かになる(という傾向がどうもある)。「目についた歌から話せばいいんだよ」と思っているが、それはそれで難しい(という気持ちもわかる)。今回、最初に10分以上詠草読みの時間をつくったのがよくなかったかもしれない。未分化の言葉でいいからどんどん話す、ということを大切にしていきたいな、と、少なくともこの歌会ではやっていってもいいのでは、と思う。

何はともあれここの難しいところを、最近よく歌会に来てくれる田中さんにお願いして(いつもありがとうございます)歌会本編はスタート。最初に扱った歌の評が終わったところで、時間を勘違いしていた海吉さんが遅れて到着して、そこでようやく全員が集合となりました。

休憩なしで突っ走って17:30ギリギリで歌会終了。

歌会参加者への雑感

歌会の評の感じとしては、基本的に田中さんが先陣を切って歌のわかる部分を言語化していく感じ(今回歌会の雰囲気とが流れをつくっていたのは田中さんだったと思います)。穂村弘の「生きる/生きのびる」という分け方、切り口を最初にもってきて評をはじめてましたが、歌会だとあんまり聞かない気がするので(今更感がある?)、却って新鮮な感じがしました。

吉田さんは変わらず語り口が明瞭な感じ。歌会慣れしてるだけあって、説明するときのフレーズの使い方がビビットだな、という印象はたぶん昔と変わらないかな。納得しない表現についてあまり納得できないと表明する場面があって、そこの主張が続けてきた人の感じがしました。昔だったらあそこまで言ってなかったイメージがある。

吉さんが表記等に関する素朴かつ根本的な疑問をしっかり提示してくれつつ、後半徐々に芯をつくようなことを言っていて印象的でした。歌会はじめてだったようですが、評の精度が歌会中に上がっていた気がします。石井の歌をよい感じに読んでくれたので普通に嬉しかったです。

すさんは、石井の歌に対する評が良くて、それは評が巧いということではなく、直観が確信をついているという点で、そう思いました。作為と作為じゃないところ、事実とそうじゃないところがほとんどドンピシャだった。あわせて別の歌で、本当に聞きたい内容について吉田さんに自ら質問してたのも良かった。じっくり言葉にするタイプっぽかったので、この歌会との相性は微妙かもな、とちょっと思いました。

太代さんの評は懐かしいというとアレだけど、自分がよく短歌をやっていたときの評の感じだな、となんとなく思いました(この語からこう感じた、みたいな言い方のせいかな?)。「(短歌において出てくる)勝つ、って何に?」みたいなデカい疑問を放り込んでくるのも熱かった。あと太代さんが太代さんの歌のときに人の評を聞きながらたくさん笑っているのが単純に良いな、と思いました。

沼谷さんが沼谷さんの歌のときに自ら評をすることで瞬間、場全体の賛同をかっさらっていたのが面白かったです。沼谷さんはわりと辛口なイメージがあるんだれども、今日はそうでもなかったな、という印象。

海吉さんはあんまり自分から話すタイプではないので、発言数回でした。常にもっと発言を聞きたい人ではあるんだが、今回、石井から海吉さんに話を振る場面がせいぜい2回くらいに留まりました(石井のコンディションが悪くて、今回あんまり人に話を聞けなかった……)隣の席なのであんまり表情も見れなかったけれども、随所でうんうんと頷いている姿はたくさん見えていました。

※許されるレベルの雑感だろうと思いながら書いていますが、上記の内容で書かないでほしいみたいなことがある参加者はxのDMかメールで石井に連絡ください。すみやかに修正や削除をします。

歌会後に思ったこと

歌会後に沼谷さんが「この歌会は選がないせいか評がやさしい」「選があると選ばなかった理由を言うことがある」みたいなことを言っていて、それはなるほど確かにな、と思いま

幕間

19時閉店、と声をかけられて、いったんここでノートパソコンを閉じて、ドトールってこんな時間に閉まるのかよ、今日が日曜日だからか、ということを思う。
移動。移動しながら、こういう文章を書き続けることにどういう意味があるんだろう、みたいなことを思う。もっとクリアにいくらでも書けるだろ、もっと読みやすいエッセイにできるだろ、みたいな気持ちがある。
あわせて、こういう日常の記録みたいなことを(やや分かりにくい文体で)書き続けている人として伊舎堂さん(伊舎堂仁さん)のことを思い出して、天才だな、と、狂ってるな、ということを同時に思う。
カフェ・べローチェへ移動。ドトールではミルクレープを食ったが、それでも普通にお腹が空いていたので、たらこバターのパスタを注文。食べつつ、この文章を書いている。

歌会後に思ったこと(続き)

した。

歌の選するとその段階で、好き嫌いなり、良し悪しなりが目に見えるかたちであらわれちゃって、多かれ少なかれその結論に向けて話すかたちになる(ならざるを得ない)のに対して、選をしないとごくごく単純に「歌としてどう見えるか」の話ができるので、それは素朴に平和でフラットでよいなー、と思いました。選なしの歌会あんまりやらないんだよなー。

今回、石井のコンディションがあまり良くなかったので、前回よりさらに司会進行を放棄するかたちでやってましたが、それでもかたちとしては歌会になっていたかな、とは思います。参加者のみなさんの積極的な発言に支えられてなんとかなっているかたちです。本当にありがたい。ありがとうございます。

コンディションのせいもあって、今日の歌会での議論を正直すべては理解しきれていないのだけれども、わからないとしても人間が目の前で短歌について話しているのをただ聞いているだけでも気持ちが明るいほうに向かうようなところがあって、「あー、やっぱり歌会が好きなんだな」と思いました。
あと、相変わらず喋りたい歌のときにはめちゃくちゃ喋るタイプの人間ではあるのけれども、依然と比べると歌について語る人間としての自我は少しずつなくなってきているような感じがあります。前ほど特定の歌を強く褒めないぶん、どの歌も少しずつ好きになる、みたいな感じになっているような気が。

あとは単純に他の人がどんなふうに読んだのかなみたいなところの興味が強くなっているような気がしていて、次のこの歌会ではそういうふうに振る舞いたいな、と思っています。

終わりに

会場費2750円、石井を除く参加者7名の参加費7000円で4250円の収益が出ていますが、こちらは次回の石井は生きている歌会のゲスト堀静香さんへの懇親会代として使わせていただく予定です。堀さんへ運ぶぞ!

参加者の皆さん、今回の歌会について感想等書いたときには連絡ください。この記事からリンクを貼らせていただきます。

改めて、歌会に参加のみなさん、ありがとうございまいした。この歌会は山手線を順番にめぐっていきます。次回は秋葉原駅での開催です。土日祝に石井が休みのときにふいに開催されます。また、よろしくお願いします。

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