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映画「PERFECT DAYS」 の居心地の悪さ(私的メモ)

耐えられないエピソードの薄さと軽さ

「こんな素敵なことやってます」
「これが本当はかっこ良いんです」
「アートってこれなんです」
「細かな芸術がわからないあなたへ」
「日常のなかにある美とアートの再発見」
「気が付かないあなたに贈る問題作」
という負の連鎖

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カンヌ映画祭で受賞した?
役所広司さんが主演
トイレ掃除の映画?
日本人監督じゃないらしい
渋谷の奇抜なトイレ群

そんな程度の予備知識で
映画をAmazon Primeで見た

予告や批評を先に見ることはしません
先入観を排除したいから

あくまで感想をメモとして書いたものです

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恥ずかしい「渋谷」のファッション便所

これを無料で提供する「似非ファッション」
有料ならインスタレーションかアトラクション
無料でアートを体験+排泄もできます的な
お役所の上から目線

「トイレ」をアートにしないでいただきたい

便所は所詮下水につながっているもの
金に物を言わせて美化することの滑稽さ
綺麗すぎる「便所」の不気味さ

「ひっそりとある」
「佇まい」の否定

街に溶け込むことへの逆張り
発案者のセンスを疑います

もしそうしたいのなら、
まず自分の家のトイレを南側のリビングに
移設して透明にすればよい

流れる曲と音楽

選曲が謎?
というよりも「場違い」
音楽関係者でも車では聞かない曲の連続

メッセージ色がある詩
車では運転の邪魔
ソウルよりファンクのほうが良い

家で聞いてOKと思っても車ではダメダメ
なぜか?
車は高速で移動しているから
相対性理論か?

カセットは「イケてる」というイケてなさ
カセットの音を聴いて「いい音だね」
えっ?プロでも聞き分けなんかできない
ローファイ信仰はトラブルの元

アナログを意識した「デジタル便利生活」
生活感や画面に合っている「音楽」のチョイス
そういったものへの過剰な演出と自己顕示
ようするに「見栄っ張り」なんです

ハイゼットカーゴで聴いてるのが
「ジョバンニ・ガブリエリ」だったら尊敬だ
「津軽海峡冬景色」だったら吹き出す
不調和の美を見せたい「みせたがり」

この時代のハイゼットにはカセットの装備は無い
だから平山は無理やりカセットを組み込んでいる
このこだわりはADHD的

日本人は舐められている

小津安二郎が好きなのはわかります
でも「日常」を映画にするのはやめてください

小津安二郎は「日常」を撮っているふりをして
なかに「妙なシュールレアリズム」を潜ませる

真正面を向いていセリフを淡々としゃべる
奇妙な語り口の役者たち
これはフィルムで撮った「CG」エフェクト
そのカットだけ見たら「ホラー映画」

この違和感が「リアリズム」になる
それを小津は気がついていた

ほんわかとした物語にシュールな画面
少し冷えたご飯に熱々のカレー
そこに「ドラマ」が浮きぼりになる

だからストーリーが「日常」でもよい
「東京物語」
他の人が撮ったら映画になりません

あきらめよう日本

便所は臭くてきたなくて汚れていて当然
なぜそれを描かないのか

「あきらめよう」は「明らかにする」が語源
便所をトイレと呼んで逃げるのはやめよう

う〇こを画面に出さない似非ファッション化
そこをシュール化するスキルが監督にはない

下町をおもちゃにする映画とテレビ

生活臭がするものをファッション化する
ネタが尽きると「下町」狙い

主役の部屋は「TOKYO STYLE」
監督は意識している
でもリアリティーは無い

カメラを低くしてシュールに描く
でもリアリティーが出ない
なぜか?

主役が「下町」の人ではないから

すべてにリアリティーがない
ぜんぶが夢だったといえばそれも良いだろう
まさかの「夢落ち」?
でもそれでは映画にならない

東京の下町のイメージ
貧乏、生活苦、日陰の人々、可哀そう…
そんなステレオタイプを利用するクリエイター
それを疑いもなく信じて感情移入する単純さ

「世界にアピール」「売らんかな」
だから妙なタイミングで「ハグ」をする

そんな日本人はいません

所詮は「ジャポニズム」

そういった勘違いが生む面白さ
でもこれは「美化された日本」
昔の小学校にいた「美化委員」が創った映画

木の周りで踊る浮浪者とマイルドダウン症児
いろいろと画面に出してます

多様化推進とかSDGSと同じ匂いがする

それを否定するトランプ大統領
この映画の偽善を見抜くに違いない

役所広司さん

素晴らしい演技力とスキル
大好きです

でもエッセンシャルワーカーの匂いがしない
その居心地の悪さがこの映画の狙いかも

ひげを生やす
色々な意味があります

不精髭

この主役のはそれではない
現場にいるような人は不精髭
ようするに口ひげはいない
あごひげがあれば不精ひげ

主役は「不精者」ではない
つまり「肉体労働者」ではないのだ

ファッションとしての労働
労働者風コスプレイヤー

猫は出てこないけど、唐突に女ばかりが現れる
そんなことよりアパートの前に野良猫を出せ

カメオ出演で芸能人
猫も「ちらっと」カメオ映り
一瞬で興ざめになる

なにかバジェットで借りがあるのか?
背後に潜む組織の匂い

エッセンシャルワーカーの日常を知らない人たち

ハイゼットが走っている首都高速
生活圏なのでどこを走っているかすぐにわかる

でも現場仕事の人たちは首都高に乗らない
下道を走って仕事に行きます

首都高がめちゃ高なの知ってますか?
絵になるから走らせて俯瞰で撮ってるだけ

だからお金持ちのファンタジー

「潔斎」という概念を知らない人々

どこかの神社が出てくる
実は自分は神職の資格を持っています
各地の神社でも働いていました

神社は「ご飯を食べる場所」ではありません
作業着のまま行く場所ではないのです

明治神宮本殿前でサンドイッチ食べますか?
伊勢神宮でホットドッグ食べますか?
キリスト教会でコンビニ弁当食べますか?

神社は聖域
穢れたものを嫌います

「潔斎」という概念が欠落してる
勘違いするので安易な描写はやめてください

平山の部屋 (C)2023 MASTER MIND Ltd.

陰影礼賛は「ご都合主義」

「もやもや雰囲気&高意識映画」
それを礼賛する日本びいきの外国の方々

評判を聞いて「いい映画」と信じる人たち
外圧に弱い日本人そのまんま

谷崎潤一郎の「陰影礼賛」でしょうか
それはまさしく「ジャポニズム」

それを体現化した古民家に住んでみればよい
寒くて暗くてすぐに逃げ出すでしょう

だからこういった「美意識」はご都合主義

主役が住んでいる安アパート
なかなか雰囲気がいいね

冗談じゃありません

よく見てください
エアコンが見当たらないでしょう
これは灼熱地獄アパート

夏は風が通るから大丈夫
いやいや無理無理
熱中症になって終わりでしょう

「陰影礼賛」
「余計なものをおかない美意識」
「ミニマリズム」

それは死への近道
つまり「逆ばりファッション」
やってることすべてが「ええかっこしい」

ファンタジーとしての映画です
見てすぐに感化されるのは自己喪失

主演の役所さんと同じ年齢とすると
平山はもうすぐ70歳の前期高齢者

高齢者が働かなくてはいけない世のなか
そういった目で映画を見ていない呑気な人たち

「こんなふうに生きていけたなら」

国民年金の平均受給月額は約5万6,000円
こんなふうに生きていったら
限界高齢者へ一直線

平山は太い実家に頼るのか?
意識高すぎのプライドが邪魔してできない
それとも生活保護を受けるのか?

安易にマネをするのはやめましょう
あこがれるのはやめましょう

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<付録>
■平山の家計簿(月額生活費)

家賃:8万円(古いけど3Kメゾネット)
駐車場代:3万(都内港区よりは安い)
光熱費:1万(植物灯で電気代高い)
銭湯代:1.5万(ほぼ毎日は回数券)
缶コーヒー:3000円(BOSS中毒)
お昼ご飯:1.0万円(ほぼ外食、牛乳とパン)
夜の飲み代:1.5万(浅草地下街で)
スナック:2.5万(3日に一回、ママに会う)
ガラケー代:0.5万
軽バンガソリン代:1.5万(燃費悪い)
車両維持費:2万(保険高い。ローンあり))
高速代:2万(1000円を20日分)
モノクロフィルム:6000円(月に4本)
現像&プリント:1.0万(4本、L版紙焼き)
その他の諸経費:1.5万(ランドリー等)

ざっと見積もってひと月「27万円」

ぜんぜんミニマルじゃない
すごい贅沢な下町の都市生活

平山さん、トイレ掃除でいくらもらってんの?
個人事業主だとしたら経費も掛かる

もしかすると既に年金をもらっているかも
過去に勤務経験があれば厚生年金いっぱい?

これが「パーフェクトデイズ」の生活実態
パーフェクトな趣味世界の隠遁生活

その生活を他人に邪魔されたくない
かなり「自己中心」の平山某

やってることは現代の「贅沢三昧」
ぜんぜん「清貧な生活」じゃない

映画の雰囲気にだまされちゃダメです

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今西 遼平(Ryohei Imanishi)
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