中井久夫先生のささやかな思い出 5
本当かどうか、東京都下の病院にお勤めのとき、患者さんの間で密かに医師のあだ名をつける遊びのようなものがあったという。中井先生は、自著のなかで「かめ」と言われていたという。あまりにも詳しすぎる中井先生のことである、おそらく情報源はナースから。
そのように医者にニックネームをつけているという話しは私が当時、そこに勤めているときに聞いたことがなかった。。
患者さんから聴いた中井医師評は、夜回診のときに笑顔で現れていたことと聴診器を白衣のポケットに入れていたことである。聴診器の話は複数の患者から聴く。いつでも診察の用意があるということのようだ。
いいことは真似をする。以来、私は聴診器を携帯するようになった。