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日本出発 仁川国際空港にて-ヨーロッパ放浪記part1-
いつか絶対行ってやろう。そう思いながらも中々行く気になれない。
そんな場所がヨーロッパである。
思い返せば、昨年の10月。
インドの次はどこへ行こう。エジプトか、東南アジアか、中国か、アメリカか、そんなことを考えながら、ヨーロッパという選択肢が出てきた。
しかし、いざ航空券を予約しようしても躊躇してしまう。
漠然と怖い。物価、円安、ゲルマン、アングロサクソン圏、人種の劣等感、未知の地。
全て引っくるめて怖い、不安だ。
やっぱりやめようか。そんか考えがチラついた。
でも大人になってからヨーロッパに行く機会があるのだろうか。
両親を見ていても、「いつかあそこに行きたい。」と言っていながら、まさに「いつか」の状態である。
人生一度きりしかないのなら、今のタイミングで行くべきだ。
そう思い、ヨーロッパに行く決心をした。
人生一度きりしかないのなら、今しかできないことをやるべきである。
今しかできないこととは何か。
そうだ。ヨーロッパを一ヶ月間放浪することだ。
おそらく、社会人になったら、一ヶ月ほどの長期休暇を取ることは難しい。
会社での責任、出世争い、両親の介護、配偶者との生活、子育て。
そんなことを考えたら、何も責任を負っていない大学生のうちに行ったほうがいいのではと、考えがまとまった。
ヨーロッパといっても、どこへ行くのか。
ノープランである。
決まっているのは、2月5日の関空→仁川→ローマと
3月4日にロンドン→北京→関空の航空券だけである。
旅をするからには、五感を最大限に使って旅をしたいと思う。
そして、スマホを閉じて、ぼっと黄昏ながら街の空気を味わいたい。誰に気を使うでもなく、ぶらっとヨーロッパを感じたい。
思えば、現代人は忙しすぎる。
通学に使うJRの電車内でもそうだ。
車内で、周りを見渡すと、ほとんどの人が忙しそうにスマホをいじっている。
技術革新によって、私たちはスマホの画面から様々な世界に行くことができる。
10km先の友達にも、地球の裏側にも、どこにでもアクセスできるようになった。
非常に便利な世の中になった。
しかしながら弊害も出てきた。スマホに夢中になるがゆえに、10m先のリアル空間へのアクセスが鈍くなった。
アンデシュ・ハンセンの『スマホ脳』を読んでから、そのことを意識するようになった。
それからというもの、電車内でも様々なことに気づくことができた。
「キーエンスの本社デカ!」「ロームの工場、こんなところにあったんや!」「明治の工場のデッカいチョコレート凄いな!」
スマホを閉じ、ヨーロッパでも自分なりの気づきを得たいと思う。
そして、なるべく1日の終わりにその日感じたことを書き綴りたいと思う。
自分がどう思ったのか、どう感じたのか。文章がまとまっていなくてもいい。文体が定まっていなくてもいい。脱字があってもいい。自分が感じたありのままを書いていこうと思う。
2月5日、ローマ行きの飛行機を待つ韓国仁川国際空港にて。