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サピエンス全史~第三部人類の統一~

今回はユヴァル・ノア・ハラリ(2016)『サピエンス全史』(柴田裕之訳)河出書房新社の第三部である「人類の統一」について独断と偏見でまとめる。

グローバル化する社会

人類の文化、信念、規範、価値観はたえず進化している。
その大きな要因が人類のグローバル化である。

何千年もの間、巨大な文明が、小さな文明を統合し、そして分裂するという事が何度も繰り返された。その影響で文化が融合し、さらに複雑な文化が生まれた。

小さな文明が強大な権力によって統合される時、または戦争が勃発するときには、民族意識の高揚、ナショナリズムが起き、国民の団結が促される。

しかし、サピエンスの歴史を巨視的な次元で見ると、人類は統一に向かっていることは紛れもない事実である。

グローバル化と人類の統一がなされた要因は主に三つある。

第一に、貨幣の存在である。
農業革命以降、人々の交流は活発になった。そのため、物々交換の限界が訪れた。限られた製品を交換するときには、物々交換は効果的だが、有形、無形のサービスがある中では不便であった。

そこで生まれたのが、貨幣である。人々は共通の貨幣を信じることを通してさらに活発に交流するようになった。

第二に、帝国による文明の統合である。
過去を振り返れば絶えず、強大な権力を持った勢力が、他民族を統合していった。それにより文化や価値観がより複雑なものになった。

帝国を安定させるには、人々の共通認識が重要であった。その為、ルールや制度は整えられ、他民族を受け入れるために、更に複雑な文化や価値観が生まれた。

また巨大な帝国ができるという事は、それだけ人々の活動範囲が広くなることを意味する。こうして人々は、広範囲に活動していき、多種多様な人種、文化を融合していった。

第三に、宗教の存在である。
認知革命以降、人は共通のフィクションを共有することで協力していった。それが科学革命以降はイデオロギーとして進化して行くのだが、それも人々の中にある共通の物語を共有することで生まれたものであった。
いずれにしろ、人々は共通の何かを信じることで協力し、統一されていく。

上記で指摘した三つは、すべてが人々の虚構によって生み出されたものである。このようにサピエンス史で歴史を捉えると、人類は何かを信じることでグローバル化され統一に向かっているといえる。

まとめ

今回はユヴァル・ノア・ハラリ(2016)『サピエンス全史』(柴田裕之訳)河出書房新社の第三部である「人類の統一」について独断と偏見でまとめた。

マクロの視点で歴史を捉えると、ここ半世紀の人類が物凄い速さでグローバル化しているのが分かる。特に、モノ、ヒト、カネの移動、普及である。

また人は共通の何かを信じているだけならば、○○主義、○○リズムと括り、それに基づいて行動する自体、論外なのかもしれないと思った。




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