とある日の面会。
とある日の午後、彼女が面会に来た。
ヘラヘラしちゃいけないのだけど、どうしても笑みが溢れる。
本当はアクリル板をぶっ壊して手を握りたいくらいの気持ちだったよ。
15分の面会時間はあっという間で、伝えたい事を伝えたらすぐに終わってしまう。
無情だ。
面会の最中には看守が一人立会うのがルール。その日の立ち会いは1番仲良くしていた2Bという看守だった。俺に気遣って音楽の話とか色々してくれた本当にいい人だった。またどこかで会いたいな。
時計が残り1分を切る頃、切ない雰囲気が部屋に漂う。
その時、看守は突然下を向いてイビキをかきはじめた。
?と思って「2Bどした?」と聞いたら、看守は面会室の時計を下に伏せて、「俺は知らないから」と言って寝たフリをしてくれたのだ。その後は10分くらい延長して話をしていた。
2Bさん、ありがとう。君みたいな善良な警官が世の中に増えますように。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?