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ADVゲームのシナリオでは、何を書かないかを考えろ。
書かないことを考える。
小説では書くことが、
ADVゲームのシナリオでは書かない方がいい場合がある。
理由はとっても簡単。
シナリオよりも感覚的に情報を得られるものがあるからだ。
説明の重複は飽きを生む。
例えば、映像。
キャラクターの動き、表情変化、位置……といった情報は、
立ち絵やCGで演出すれば済む。
背景も同様に、それを映せばユーザーは情報を得られるのだ。
音だってそうだ。
キャラクターが移動したり、誰かが近付いてくるとか。
音だけでも充分に情報を与えられる。
それに映像も足せば、文字で説明しなければならない情報などない。
だから書かない方がいい!
なんて、そんなことは言わないけれど。
感覚的に得られる情報をわざわざ二重に説明する理由もないだろう。
むしろ既知を説明される程に面倒なことはない。
知ってることをまた教えられても無意味だし、
「それくらい知ってるわ!」って思っちゃうじゃないか。
重複した説明は結果的に「飽き」や「イライラ」といった、
ストレスを生み出してしまう原因にもなりかねないのだ。
なら、シナリオで何を書けばいいのか。
限られた素材で演出される映像では与えられない情報がある。
つまりは補足するように描写を書き入れていけばいいのだ。
表情もただ変化するだけではない。
楽しさや悲しさといった感情を含んでいたり、
頬の引くつきのような軽微な変化は演出しづらかったりする。
足音も普通に聞いていれば、ただの足音だ。
だが地面の状況、靴の種類・素材、体重、歩き方……
と聞くだけじゃ気付けない情報は無数にある。
つまり補足は入れようと思えば幾らでも入れられる。
シナリオライターのお仕事は素材を活かす料理人でもあるのだ!
見れば分かる情報はとりあえず置いておいて、
そういった「シナリオでしか描けないこと」をシナリオにすることで、
ユーザーにとって目新しい情報のみの量を増やせるのではないだろうか。
目新しい情報ばかり触れることで、
絵も音も文字も全てを新鮮に感じることが出来る。
こういった考えの元、
情報量という点でゲームシナリオを考えていかねばなるまい。
去年の私では書くだけで精一杯だったが、
ここまで思考を深められる今はもっといい物が書ける気がする。
……気がするだけかもしれないが。
行動せねば考えをもっと深めることが出来なさそうだ。
ちょっとポートフォリオとしてシナリオを書こうかね。
低予算ゲームは腕を鍛える良い機会?
さて、余談。
シナリオライターが素材を活かす機会は、
予算が少なければ少ない程に多くなる。
書かねばならない情報が素材の時点で欠如してしまうからだ。
出来ることなら、
笑顔だけでも3種類くらい表情差分が欲しいくらいなのだが……
まあ、そう考えると、
低予算なゲームはシナリオライターの腕の見せ所なのかもしれない。
……誰か低予算なゲームの外注依頼くれないかな。
という所で、今日はここまで。
もっと面白いゲームを作る為に日々精進していこう。
そう言いながら私は、ドラクエXIsを起動するのだった。
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