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キャラクターの表情を最大限使う、言葉と感情の不一致。
キャラクターの表情は、美少女ゲームの武器だ。
という話を以前した。
今日はそこで語れなかった、
表情を使ったテクニックの1つを紹介します。
表情と言葉が、同時に存在するからこそ、
利用することができる「不一致」。
その技術の魅力、とことん語りますぜ!
あと具体例の紹介もね。
《言葉と感情の不一致》
不一致とはどういうことかと言うと……
「私は長女だから、笑顔でいなきゃね」
と言いながら泣きそうな微笑みを浮かべる。
「うぅん、私はぜーんぜん怒ってないよ?」
と言いながら頬をひくつかせて不器用な笑み。
こんな感じで言葉とは裏腹な、
つまりはあべこべな状況を作り出すことです。
これで何が起きるかと言うと……
より複雑な感情を伝えられるのです!
ただ感情をまっすぐ見せて三流!
感情を隠して二流!
言葉と表情から複雑な感情を伝えて一流!
(当社比)
小説では地の文によって表されてきた。
彼女はどこか寂しげに微笑んだ、という感じに。
だがそれを言葉にせずとも、
表情を使ってユーザーに伝えられる。
これが立ち絵のある美少女ゲームの強みです。
そこに声優さんの演技が加われば無双。
視覚と聴覚のダブルラリアットです。
まさに表情は最強の武器なのだ!
《デメリットは使い方の難しさ》
物事にはメリットがあればデメリットもある。
リターンを得るのにリスクは付き物なのです。
この不一致は、まさにあべこべ。
ただ使っても逆効果で、
キャラクターが何を考えているか分からなくなる。
つまり、使い勝手が悪いのです。
印象付けたいシーンや、
会話の流れでユーザーの想像力を膨らませたり。
そうして不一致の理由を、
理解してもらわなきゃいけない。
使うにはちょいと準備が必要という所が、
これのデメリットです。
まあその分の効果はあるんだけどね。
《具体例を紹介だ!》
言葉と表情の不一致。
それが使われている具体例を3つご紹介します。
まずは「泣き笑い」。
表情が泣いてるのに言葉が笑う。
表情が笑ってるのに言葉が泣く。どっちも可。
シチュエーションとして、
我慢の爆発や、精神ぶっ壊れの時によく使用。
笑顔でいたなきゃいけないけど、
本当は心が泣いている。みたいな感じだ。
《引用元:TVアニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」》
http://re-zero-anime.jp/tv/story/
次に「怒り笑い」。
表情が笑ってるのに何か怖いやつ。
例で言うと「鬼滅の刃」の胡蝶しのぶとか。
静かにキレているような、
上品さがありつつ、怒りという人間みを出す。
そんなテクニック。
ヤンデレで使うのも効果的である。
《引用元:アニメ「鬼滅の刃」公式サイト》
https://kimetsu.com/anime/risshihen/character/?chara=shinobu
最後に「決意泣き」。
表情は泣きながらも、強く決意をする。
「スラムダンク」の三井が泣きながら言った、
「安西先生……バスケがしたいです……」
とかがこれである。
悲しみの中でする決意ってのは、
結構ユーザーに響くんだよね。
人の強さみたいなのが心に来るんだ。
それを不一致で作り出せる。
語り継がれる名言を作れるかもしれんぞ!
《おわりに》
という感じで実際に、
表情と言葉の不一致は使われている。
その多くが印象に残ったり、
強く考えさせられるシーンで……
使い勝手は悪いが、相応のパワーがある技法です。
あなたも既に使っているかもしれないけど、
一度「その技術をなぜ使っているのか」、
そんな疑問という原点に帰ってみてほしい。
言葉にならない感情を使いこなそう!
今回はここまで。
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では、また次回お会いしましょう。
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