kanrekishoujo

1回目の東京五輪の年生まれ。スマホもAIも無くてたって立派に生きていけた時代が恋しい、悩める還暦少女の独り言です。本業はライター(「良文工房」ryobunkobo.com)

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最近の記事

会って話したい

思いついたときに昭和の思い出話を綴ろうと思って、このnoteを書き始めた。でも、プロフィールに「ライター」と書いたせいか、ライター関連の記事がたくさんオススメに上がってきて、やっぱり同業者さんのお話は興味深くて読んでしまう。なので、自分もたまには「書く仕事」に関することが書きたくなってしまう。 てことで。 10月は久しぶりに、対面でいくつかインタビュー取材の仕事をした。やっぱり、現地に行って人の話を聞くのは楽しい。取材というのは本来、耳だけでなく五感を総動員してやるものだ

    • いつか行く道、とか言ってみても

      3連休は実家に帰省する予定だった。ところが前日くらいから喉に違和感があり、何となく調子が悪い。鼻水も出始めた。帰省して生活リズムが狂うとさらに悪化しないとも限らないし、何より87歳の母に変なものをうつしたら大変だ。 なので、土曜日の朝、母に電話してキャンセルを願い出た。いつも私が帰るのをとても楽しみにしているので申し訳ないとは思ったが、仕方ない。ごめんねと謝ると、母はたいへん物わかりよく、そんなことなら無理して帰って来なくていいよ、大事にしなさいよと言って電話を切った。

      • これから初めてマンション購入しようと思ってる方へ

        わたしがいま住んでいる分譲マンションは築23年。20年を超えてくると大抵、電気系統やら機械系統やらガタが来始め、いろんな修繕費がかかるようになってくる。しかも昨今の物価上昇。数年後に控える第2回目の大規模修繕も含め、長期修繕計画をシビアに立て直すと修繕積立金の枯渇は必至なので、毎月所有者から徴収する積立金の値上げの必要性を理事会でずっと協議してきた。 だれしも出費は必要最低限にしたいし、考え方も人それぞれだから、値上げは難題だ。2年間話し合ってやっと案がまとまり、次回の管理

        • これぞリア充(ってまだ言うの?)

          地方都市在住+フリーランス+仕事片付いて時間ある+ちゃんと掃除洗濯もしたし+なに今日めっちゃ天気いいじゃん=コーヒーとおやつ持参でお山を眺めながらピクニック@近所の公園。 もちろん都心にも気持ちのいい公園はたくさんある。東京在住時代は代々木公園や新宿御苑はよく行った。 でも、当然ながら山は見えない。 だからやっぱりここがいいな。 なんたって人が少ないし😅 いいんじゃないですかね、地方は都会にどんどん若者を送り出して、その人たちに大都市の大企業でバリバリ働いてもらって、自

          なんでおコメを食べないの?おコメのススメ、玄米のススメ

          わたしの身体、ただでさえ加齢とともに代謝が落ちてるのに加え、仕事は通勤のないフリーランス。しかも基本じっとパソコンに向かう時間が長い稼業なので、食事は1日2回で十分だ(ただし間におやつあり)。 そのうち1食は必ずおコメ。それも、最近はササニシキの玄米を取り寄せて食べている。これにしてから、お腹の具合がものすごく良い。 実は昔から便秘体質で、あれが効くこれが効くという食べ物や運動は、ひと通り試したがどれもぜんぜん効かない。なんなら薬すら効かない。近年はもう諦めの境地に達し、

          なんでおコメを食べないの?おコメのススメ、玄米のススメ

          どんな社会で死にたいか

          伯母の葬儀があった。父の長姉、96歳だった。 父は5人きょうだい。それぞれの配偶者を含めて父方のおじ・おばは8人いたが、この4年半の間に、父に加えておじが3人、おばが2人亡くなった。男は全員80歳超え、おばは2人とも90歳超えだったので、寿命と言えば寿命だったのだろうと思う。 父方の祖父は私が生まれる前に55歳で、祖母も私が中学のとき(昭和56年)74歳で亡くなっているから、それに比べれば子どもたちはみな長生きだった。 わたしは平成26年から3年間ほど、福島県内の某町役場

          どんな社会で死にたいか

          読まれる記事云々よりも

          7年以上前、わたしがフリーランスになりたての頃、とある農業家を取材する機会があった。農家さんの話を直に聞くのは生まれて初めてだった。 相手の方は当時おそらく60代後半だったか。皺が刻まれ日焼けした顔。小柄な身体にくたびれた作業着と泥のついた長靴。ところどころ聞き取れない福島訛り。わたしの中の典型的な「農家のおじいちゃん」イメージそのままだった。正直に告白すれば、そのイメージの裏には「農家はみんな善良な弱者。優しくて良い人ばかりだが、難しい話は通じない」という、まったく根拠の

          読まれる記事云々よりも

          8月になったので昭和の話を

          『日ソ戦争』という本を読んだ。 日露戦争ではなく日ソ戦争。 副題にあるとおり、昭和20年夏、日本が最後に闘った戦争の話だ。日本では8月15日が終戦の日ということになっているが、実は満州や千島列島ではその後も9月上旬まで、ソ連軍との戦闘が続いたという。それを日ソ戦争と呼ぶというのは、本書で初めて知った。 シベリア抑留、満州からの引き揚げ、中国残留孤児、などなど、若いころよく報道で耳にした言葉の意味と背景も、恥ずかしながら本書で初めて筋道立てて理解できた。以前『韓国併合』を

          8月になったので昭和の話を

          「なぜ」の質問・「なぜ」の説明

          今回はめずらしく、ちょっとだけ仕事寄りの話をします。 ふた月ほど前、傾聴ボランティア養成講座というものを受講しました。 私のふだんの主な仕事は、人の話を聞いて文章を書くこと。そのスキルを生かして、高齢者福祉の分野で多少社会貢献的な活動ができたら、と考えたのが受講理由です(実際にお話を聴く相手は高齢の方ばかりとは限らないようですが)。 で、3日間の講習を終えてわかりました。 傾聴とインタビュー取材の共通点は、「相手の話を全身全霊で聴くこと」。 同じなのはここまででした。

          「なぜ」の質問・「なぜ」の説明

          タイパがなんだってんだ

          久しぶりに居酒屋さんで1 曲だけカラオケ歌った。悩んだ末いつもの「翳りゆく部屋」by ユーミン。同行者はわたしより一回り以上若いけど松田聖子の「スイートメモリーズ」をチョイスしてた。 そう、やっぱりカラオケなら昭和の名曲に限る。わたしが歌うときはユーミンのほかオフコース、サザンのほぼ三択ですかね。歌謡曲も含めて昭和のメロディが全般にわかりやすかったのは確かだけれど、この3アーティストのメロディメーカーとしての才は卓越してたと思う。 ちなみにわたしの推し活の対象はスターダス

          タイパがなんだってんだ

          FIREはできなかったけど

          私は7年前、53歳でサラリーマン生活を卒業し、フリーランスになったと同時にプチリタイア宣言した。宣言したところで誰も聞いてなかったが、自分で自分のシフトダウンを確認するため、そういうことにした。 といっても、あくまで「プチ」リタイア。もしその時点で一生かかっても使いきれないほどの資産が形成できていたならば、堂々とFIREを宣言できたのだが、残念ながらそこまでの蓄えはなかった。家のローンは終わっているし、扶養家族もいないので、もはやフルタイムでガシガシ働く必要はない(はず)。

          FIREはできなかったけど

          家に対する思いって複雑だ

          ネットで、海外のセレブや著名インテリアデザイナーの「お宅拝見」動画をときどき視聴する。ニューヨークやロンドン市街の豪華アパートメントもあるけど、大抵はカリフォルニアとかアリゾナとか、たまにバリとかのプール付き・おっきな庭付き豪邸だ。あまりに世界が違いすぎて憧れる気も起きない。インテリアの参考に、なんていうのすら憚られる。こんな豪邸維持するのにどんだけ電気使うんだよ、などと余計な腹を立てないよう気をつけつつ、芸術品鑑賞と同じく、いわゆる目の保養として観ている。 で、おもしろい

          家に対する思いって複雑だ

          昭和のマセガキ回想録

          時期はかぶっていないが同じ私立小中学校に通った友人がいる。少し前、彼女が久々に母校を訪ねたといって写真を見せてくれた。ところが、見てもぜんぜん「懐かしい」という感慨がわかなかったので自分でもびっくりした。なんたって校門からしてまったく見覚えがない。私がその学校を卒業したのは45年も前の話だから、校舎設備はすべて一新されていて当たり前だろう。そして私はこの45年間、一度も母校を訪れていない(たしか)。付き合いのある同窓生もおらず、母校という言葉を使うのも憚られるくらいだ。 た

          昭和のマセガキ回想録

          誰一人取り残さない、というならば

          徒歩5分で行けた最寄りのスーパーが閉店してしまったので、徒歩15分の別のスーパーに行く。 そこは少し前から有人レジにセルフ精算機が導入されていたのだが、今日久しぶりに行ってみたら半分以上が無人のセルフレジに変更されていた。前と同じ有人レジも2つくらい残っていたが、なぜかそこに店員の姿はない。すべての客がセルフレジに誘導されていた。導入からまだ間もないらしく、セルフコーナーのほうには店員が2人ほど張り付いている。でも、それもそのうち1人以下に減るのだろう。私の目の前で、カート

          誰一人取り残さない、というならば

          別荘族になれなかった父

          ワーケーションという言葉をひと頃ほど聞かなくなった気がする。コロナが終わったせいで流行らなくなったのか、あるいはみんなもう普通にやってるから取り立てて言うほどのことでもなくなったのか。たぶん前者のような気がするけど。 地方移住あるいは二地域居住ブームもしかり。一時は地方創生に思わぬ追い風?と思ったら、コロナ収束と共に東京がまた転入超過に戻ったのは周知のとおりだ。 ところで、二地域居住なんてかたい表現やワーケーションなんてカタカナを使わなくても、昭和の昔から事実上同じような

          別荘族になれなかった父

          私はこうして悲しくないふりをする

          あったものがなくなる。 いた人がいなくなる。 できたことができなくなる。 それを人は悲しいと思う。 でもいつまでも同じ、なんてものはない。 なかったものができる。 いなかった人が来る。 できなかったことができるようになる。 それを人は嬉しいと思う。 でもいつまでも同じ、なんてものはない。 できては消え、来ては去り、の繰り返し。 それ自体に良し悪しはない。 春夏秋冬に良し悪しはない。 生老病死にも良し悪しはない。 良し悪しは人間が感情で判断する。 その感情とて常に変わりゆく。

          私はこうして悲しくないふりをする