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well-being は人のためならず:サラリーマンが幸せになる方法 その55

これは、サラリーマンが幸せになるために「ありたい自分( being )を軸に持ち、ありたい自分を良好な状態( well-being )にし続けること」について書かれた note です。

さて今回でこのコラムも定期更新開始から1年が経過したことになります。読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。そこで原点に立ち返り、なぜ一介の中年サラリーマンが幸福や well-being について1年間コラムを書き続けてきたのか。その動機について書いてみます。

幸せじゃない

起点は子どもの誕生でした。
事前調査マニアであり凝り性の私は、妻の妊娠中からいろいろと父親の在り方や夫としての行動変容、子育てノウハウなどを書物やネットをあさって詰め込んでいました。

よしこれでOK。
いつでも来い我が子よ。

準備万端で赤ちゃんを受入れたのですが、、、
ぜんぜん実践できないのです。
なぜなら私が自宅に居ないから。

当時の私の勤務状況は「36協定の特別条項」を毎年適用している状態でした。つまり年間360~480時間の残業や休日勤務が当たり前の生活だったのです。また8年前にはリモートワークは一般的ではなく、男性の育休も導入されていませんでした。

子どもの顔が見たい一心で何とか寝かしつけ前に帰宅できるよう努力しましたが、週2~3日できればいい方。夜中のミルクやおむつ替えは率先してやりましたが、朝から晩まで妻がたった一人で子どもの世話をする日々でした。

子どもが産まれたのはとても嬉しい事でした。
しかし妻は心身ともにボロボロで、私は仕事と家庭両方が中途半端という罪悪感とフルタイムワーク+夜間休日の乳児のお世話で疲労困憊し、全然幸せではありませんでした。

36協定を超えてもさばき切れない物量の業務を、ある日いきなり減らすことはできません。勝手に仕事を放棄すれば仕事を失います。だから旧態依然な働き方や常識、職場の意識を徐々に変えていかなければ、私も妻も幸せでいられないと考えました。

私のように「子どもが出来てから」環境を整えるのでは間に合いません。その前から予防として環境を整備し、柔軟な働き方にシフトしていかなければ、同じような幸せでない家庭を再生産してしまいます。

みな気が付いているのだろうか?
職場を変革させるために立ち上がったのです。

これだ

社内の部活制度を使い、働き方改革の活動を始めました。凝り性なのでいろいろと調査し、ファザリングジャパンさんから講師をお呼びしたり、テレワーク導入・活用推進を総務と協同したり、ファミリー職場見学会を主催したり色々活動しました。

そんな中、ポジティブメンタルヘルス講習を見つけました。後に well-being 研究会へと発展していく運命の出会いでした。

メンタルダウンを癒すのがメンタルヘルス。
つまりマイナスをゼロに近づける療法になります。

対してプラスの状態をもっと良好にしたり、ゼロ以下のマイナスにならないように予防医学するのがポジティブメンタルヘルス。

これだ!

と直感が働きました。
働く環境の整備は必要です。しかしなぜ必要なのか、当事者以外には全然伝わりません。昭和の働き方で(誰かの犠牲のもと)子育てをしてきた先輩方、まだ結婚・出産が実感できない若い世代、経費人件費を抑えたい経営層。個人のわがままではないことがなかなか理解されません。

もっと言うと子育てや介護のためだけに柔軟に働きたいのではありません。幸せになるために子育てや介護をするんです。

働くことも同じです。
幸せになるために働くのです
お金だってやりがいだってキャリアだって、幸せな人生を歩むためにあるのです。

不幸にならないためのノウハウを学ぶポジティブメンタルヘルス(そして well-being )。

ここに不幸にならない働き方のノウハウ、転じて、幸せに働くための答えがあると確信しました。

他人の幸せ

ところでなぜ転職しなかったのか。
それは逃避だと思ったからです。

時には逃げることも必要です。しかし先述したように「幸せじゃない家庭の再生産」は私の望みではありません。知った顔、仲の良い同僚たちが、不幸になるルートを歩んでいくのを見て見ぬふりは出来なかったのです。これではだまし討ちと変わりないと私は思ったのです。

知ってしまった。
必要性を思い知った自分だからこそ出来ることだと思いました。

こうして他人の幸せを願うようになったのです。

自分の幸せ

他人の幸せを願い、その支援やアドバイスを行い、職場や会社全体を幸せにしていく。そのための活動を始めました。

活動は well-being 研究会にシフトし、幸福であるためのエッセンス、そしてそれを維持し続けるためのコツを仲間と共に探し続けました。この活動は本当に楽しく、研究会の活動そのものが well-being を体現している場でした。

そして確信したのです。
アカデミックな研究領域の well-being だけではなく、現場・現実レベルでの well-being の言語化こそが他人を幸せにする方策であり、職場や会社全体を幸福にし、ひいては幸せな世界を作っていくことに繋がっていくのだと。

そうした世界を作ることが、不幸の再生産を止め、そうした世界に生きることが、私自身の幸せなのだと。私自身と家族が幸せになるために、世界を幸せにしたいと本気で思っているのです。

これが私を含むサラリーマン全員が幸せになる方法なのです。

まとめ

1.必要になってから準備しても手遅れ
2.働き方を改革することが他者の幸せになる
3.他人の幸せが世界を幸せにし私自身の幸福となる

本気で世界の幸福度をあげたいな、と思っています。そしてその動機は先に書いたように自分が幸せになりたいから。ぜんぜん崇高な理由じゃありません。でも、大変失礼ながら多くの人が即物的な満足度を満たすことに人生のリソースを費やしていて「何のために?」という根源的な目的を忘れているような気がします。目的とはごく少数の例外を除いて「しあわせになるため」だと思うのです。

よく日本人はお金の勉強をしていない、と言われます。同じように、なぜ幸せになるためのリテラシーを向上させないのでしょう。

ほんのわずか先にそれに気が付いた私の言葉が、あなたが幸せになるためのヒントになれば無上の喜びです。

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