主任試験、管理職試験の合格に向けて、私がこの1か月以内に絶対やっておいたほうが良いと思うこと
遅くなりましたがあけましておめでとうございます。
都職員のみなさま、人事異動、一定、予特等と多忙な第四四半期を迎えますが、体調に気を付けて乗り切りましょう。
受験生のみなさま、刻一刻と受験日が近づいてきていますが、勉強は順調に進んでいますでしょうか。残りの数か月を大切に、勉強頑張ってください。
さて、以前実施したフォロワーアンケートから約6割の方が主任試験や管理職試験対象者であり、あと2割の都庁希望者の方も入った後の昇任制度は気になるところでしょう。
ツイートの反応を見ても昇任試験に関するものはインプレッションが高かったりするので、間違いないのかなと思っています。
今回は「主任試験、管理職試験の合格に向けて、私がこの1か月以内に絶対やっておいたほうが良いと思うこと」について記事にしたいと思います。
あくまで私見であることをご了承ください。
庁内の管理職が見たら「余計なことするな」と言われそうですが、結論から述べますと、それは「定期評定本人開示」のススメです。
以下に理由を述べます。
毎度のごとく少々(笑)長いですが、よければお付き合いください。
以前、主任試験直前期の記事で時期的な例えとして競馬やマラソンを用いましたが、全体像で見たときに都の昇任試験は「受験できる学校が1校しかない公立高校入試」だと思うと良いと思います。
中高一貫の私立に通われていた方もいるかと思いますので、念のためおさらいしておきますと、公立高校入試というのは入試当日に行われる「学力検査」と、定期テストの点数や日ごろの授業態度などから決まる「内申点」の合計点で合否が決まります。
もうピンと来た方もいると思いますが、この「学力検査」が都の昇任試験では「論文」、「内申点」が「勤務評定」と見ることができるわけです。
日ごろの積み重ねである「勤務評定」と、みな平等に1日で同じ問題で勝負する「論文」の合計で合否が決まる昇任試験はまさに公立高校入試そのものです。
しかし、大きく違うのが先ほど書いた「受験できる学校が1校しかない」という点です。実際の高校入試であれば、3年生の2学期までに算出される内申点を踏まえて、数多くある高校からどこの高校に願書を出そうか決めていく受験生が大半でしょう。
しかし、都の昇任試験は受験資格を持っているのはその時々に応じて1種類しかありません。「その試験に合格するか否か」という点で「受験できる学校は1校のみ」ということになります。
言い換えると「自分と似たような内申点の人と試験当日に勝負」となる公立高校入試と異なり、昇任試験は「内申点で差がついているのにその人と同じ学校を受験しなければならない」ということになります。これは試験当日に向けての戦略を大きく左右してきます。
何が言いたいかというと、例えば、いずれも100点満点の内申点と学力検査の合計点が120点を超えれば合格できる試験があったとしましょう。
内申点はAさんが80点、Bさんが40点です。合格点までAさんはあと40点、Bさんは80点必要で、用意された時間だけは平等な下で、AさんとBさんは同じ勉強をするでしょうか?
Aさんは100点中40点をとればよいだけですから、精神的にはかなり楽な気持ちで準備ができるでしょう。傾向から頻出出題分野を徹底的に勉強して、正答率が高い簡単な問題を確実に正解できるような範囲を重点的に勉強していくのではないでしょうか。
逆にBさんはどうでしょうか。100点中80点をとらなければならないというのはかなりプレッシャーだと思います。1点でも落としたくないでしょうから、正答率が高い問題を落とさないようにするのはAさんと同じですが、あまり出題されていない範囲もそれなりに勉強するのではないか、いや、しなければならないのではないかと思います。
学力検査日までの時間は平等にしかない中で、やらなければならないことが多いBさんが圧倒的に不利なのは火を見るよりも明らかです。
そして、こうした戦略はみなさん、入都試験で経験をしている方が大半なはずなのです。一発勝負という点でやや異なりますが、過去のボーダーラインから推測して、やれ民法は捨てるだの、自然科学は捨てるだのしていませんでしたでしょうか。
むしろ、入都試験まで遡らなくても、主任試験の択一でこういうことしていませんでしたか?「捨てる」とまではいかなくても、条文が少なくて難易度が低い地方公務員法は満点狙い、範囲が広い行政法は半分くらいとれれば御の字・・・などなどです。
公立高校入試で自分の成績表見ないで出願高校決める人は絶対にいないと思います。それと同じです。主任試験受かりたいのに本人開示すらしないで自分の立ち位置を確認しないとか、私からすると「本気で受かりたいと思っているのか」とすら思います。
※勤評によって書くべき論文が異なると思っていることについては、以前記事に挙げた通りです。
https://note.com/ryo_tocho/n/n3dddff623b45
不合格なら論文の評価はわかりますが、どこがどう評価されてその評価になったのかは不明、論文と勤評の配分も不明、勤務評定も何年分遡ってみているのかも不明、そもそも自身の最終評定すらわからない不明だらけな試験の中で、唯一はっきりと公式に証明されるものが本人による正式開示です。試験合格の唯一の手がかりといっても過言ではないものです。
知らないよりは知っていた方が絶対に有利になる情報です。
※なお、昇給は課内の相対評価で決まる部分があるため、その課のレベル次第でなんちゃって5号昇給がありえます。当てにならないので、やはり成績開示がお勧めです。
長くなりましたが、以上、成績の本人開示をした方が良いと思う理由です。
昇任試験を受ける受けないは個人の自由ですが、受けるからにはしっかり調査、準備してさっさと合格しましょう。不合格となってまた1年過ごすのは精神衛生上本当によくないです。
自分の成績を開示申請するなんて恥ずかしい、怖い、課長は嫌がるのではないかと思うかもしれませんが、昇任試験の合否はその方の人生を大きく左右するものです。自分の人生がかかっているので、課長が嫌かどうかとか関係ありません。まさに「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」と思って勇気を出して申請してみましょう。
やってみたら思ったより大したことないですよ。
少しでも昇任試験についてお悩みの方の助けになれば幸いです。
なお、開示に加えて、面接する際はくれぐれも課長とはケンカしないようにしましょう。自己評価が高いのは結構ですが、世の中、他人からの評価がすべてです。管理職って思っている以上に職員のことを見ています。
謙虚に指摘、助言を受け入れ、来年度の業績評価アップにつなげてください。