第13回コモンズ社会起業家フォーラム@Nancy住田(オマケ画像付きスピーチ原稿全文)
前置き
こんにちは!
先日「第13回コモンズ社会起業家フォーラム」へ登壇してまいりました。
「社会起業家の登竜門」と呼ばれるらしい本イベントにて、11名がスライド無しで7分間スピーチ。
その中からコモンズ会員さんの投票などで1名が選ばれ、信託報酬1%が寄付されるとのこと。
ちなみに今年は約300の申し込み&ライブ配信視聴者が100名ほどいらっしゃったようです!
記憶力に自信のない住田はいつもスライドに頼ったプレゼンをしていたので、「スライド無し」という条件にものすごくドキドキでした。笑
教育系の登壇者でトークする「クロストークセッション」でもファシリテーターの馬越さんや渋澤さんが話を深掘りしてくださり、伝えたいことは伝えきれたのではないかと思います…!
コモンズ投信の皆様、登壇者の皆様、会場を使わせていただいた文京学院大学の皆様、ご覧いただいた参加者の皆様、そして登壇の機会をくださった推薦者様。
本当に貴重な機会をいただきありがとうございました!
過去の登壇者さん達を集めた飲み会もコロナ前はあったりしたそうで、今後もそういったコミュニティ的な関わりが楽しみです!(*´∀`*)
動画配信リンク
「第13回コモンズ社会起業家フォーラム」はYouTube上でもライブ配信がされていたので、下記からご覧いただくことが可能です!
住田の登壇パートは1:32:47頃より。
クロストークセッションパートは1:54:45頃より。
もちろん他のどのパートも素敵なので、お時間の許す方はフルでもぜひ!
「動画よりも文章で読みたい!」という方向けに原稿(+おまけで「ぎふマーブルタウン」の画像とか)もつけておきます!
※「クロストークセッション」は台本無しのため原稿もありません。ご了承くださいm(_ _)m
原稿と全く同じに喋れたらカッコよかったんですが、時間の関係で削ったりで実際の話といくらかズレがあります。笑
喋るスピードで7分を目指した原稿なので、見出しは7つに分けていますが5分もあれば読める文量かと思います!(おそらく)
(1)導入
初めまして、Nancyの住田と申します。
突然ですが皆さまに質問です。
もし明日が自分の命日だったら、「最高の人生だった」と言えますか?
高校3年生のときの僕はそのように思えませんでした。
僕は肺の病気で入院して、手術をすることになりました。
そのとき「自分は明日死ぬかも」って思ったんです。
それまでは自分が死ぬなんて考えたこともありませんでした。
これから先も「なんとなく」大学行って社会へ出て、そのうち彼女ができて結婚して。
子どもができたらパパって言われるのかなとか思ってました。
別に人生で特別やりたいことがあったわけじゃないんです。
でもなんとなく過ごして何も残せず終わる自分の人生って何だったんだろうと感じたとき、もっと生きたかったなと思ったんです。
でも、だからこそ退院後はやりたいと思ったことはなんでもやると決めました。
(2)今、世の中に何が起こっているか
それで大学に入った後、学校の外の世界に飛び込んでみたんです。
その中で出会えたのが地域の経営者さん達。
(※時間の都合上スピーチでは割愛しましたが、↓のプログラムで大変お世話になりました。)
画像出典:NPO法人G-net
自社の製品とかサービスでお客さんのこんな課題を解決したいとか、地域や社会にこう貢献したいとか、熱い想いをいっぱい話してくださいました。
そういう生き生きと働く大人に出会ったのは初めてで、何より若者を応援したいなんて言ってくれる大人が世の中にはこんなにもいるってことを知らなくて、ものすごく衝撃でした。
僕もそんな大人になりたいと思って、更にいろんなところに関わってみたんです。
その中で日本の子どもや若者の現状を知りました。
日本の子どもや若者は自己肯定感が低くて、諸外国でもっとも将来に夢や希望を持てていないということ。
子どもの精神的な幸福度が先進国でワースト2位ということ。
そして日本の自殺率は世界でワースト7位。
若者の死因で自殺率が1位なのは、G7でも唯一日本だけということ。
僕は手術のときに「もっと生きたかった」と思えたから今があります。
でも自分の住んでいる日本では「もう死にたい」と思って、実際にその選択をした子どもや若者が多くいる。
(3)作りたい未来
画像出典:朝鮮日報日本語版(2020)
自殺はダメって言いたいんじゃないんです。
その人にとって、それが唯一の選択肢になってしまっていたんじゃないかと思うのがもどかしいんです。
僕たちはみんな、望んでこの世に生まれたわけじゃないかもしれません。
それでもせっかくこの世に生まれたんです。幸せな人生が欲しいって思うのは自然なことですよね。
僕は生まれ育ったこの日本が大好きです。
目の前の人たちの幸せそうな笑顔や、生き生き働いてる姿を見るのが大好きです。
だからこそもっと日本人に幸せになってほしいし、なれるはずだと思っています。
でも幸せの形って人によってそれぞれ違いますよね。
だからこそ、自分なりの幸せを掴み取っていける子どもを育む教育を創りたい。
自分の人生を切り開いていける力を育む教育が日本には必要なんです。
(4)小学生が運営発展させる社会(架空都市)
そのために僕たちは、5年前から「ぎふマーブルタウン」というイベントをやっています。
これは子どもたちが架空の街を運営発展させていくというもの。
具体的には仕事や選挙、起業などを子ども達が自由にやっていきます。
その中で大事にしているのが「正解を教えない」教育。
子ども達の挑戦や失敗を許容し、見守りながら子ども自身の意志を引き出すことが大人の役割です。
多くの教育プログラムではすでに完成されているコンテンツに子どもがきます。
つまり参加した子ども達が何をして何を学ぶのか、全てがあらかじめ設計されているんです。
でもぎふマーブルタウンは逆で、未完成の社会を子ども達が自由に発展させていきます。
(5)子ども間でクーデターも起こるキャリア教育
例えば国王を決める選挙をどう運営するかも子ども達が考えて作っているんです。
自由だからこそ大人にも予想外なことが多々あって、クーデターが起こったこともあります。
「自分に投票してくれたら税金を配るよ」という公約を掲げた立候補者が圧勝してしまって、落選した19名の候補者たちの反発を招いてしまったんですね。
でも何が起こるか分からないからこそ、そこには生きた学びが生まれます。
なぜクーデターが起こったんだろう?
選挙のルールが整備されてなかったからじゃないか?
じゃあどんなルールが必要だったんだろう?
そうやって失敗と改善を繰り返すことに慣れていくんです。
そして誰かに言われた通りやってうまくいったときより、自分で試行錯誤してうまくいったときの方が比較にならないぐらい嬉しいんです。
その達成感がクセになってまた次の挑戦へと向かうようになります。
(6)子どもが創る架空都市で生まれたもの
参加者もどんどん増えて、多い回では5時間で791人もの小学生が参加するようになっています。
その架空の街で起業した小学生が全体の75%、555人にのぼった回もあります。
日本の子ども達は引っ込み思案で自己主張が苦手と思っている方は多いかもしれません。
でも本当は彼らだって、自分の力で何かを生み出したり人や誰かのために役に立ちたいと思っている子がとても多い。
「こんな商品作ったよ!見て!」って見せてくれる子ども達は本当にいい笑顔をするんです。
その笑顔を大人になっても持ち続けて欲しいって思うんです。
お家の方から「選挙のことや税金のこと、次回に向けての仕入れなど普段の出来事と比べ物にならないぐらい、子どもの報告が止まりません!」と驚きの声をいただくこともあります。
過去に参加した子どもの1人と最近たまたま出会ったのですが、彼女はいま高校1年生でビジネス部に入って様々な挑戦を楽しんでいました。
(▲経済産業省「キャリア教育アワード」奨励賞をいただいたことも。)
(7)コロナ禍での挑戦
僕たちはこれを、参加費無料で成り立たせるという挑戦をしています。
数百円でも取ったらいいんじゃない?という声も多くいただきます。
でも、たった数百円でも子ども達はお家の人にお伺いを立てないといけなくなります。
そしてお家の人の考え方次第で参加できなくなってしまうんです。
どんな家庭のどんな子どもにも成長の機会を届けたい。
そのためにやってきましたが、コロナ禍で事業は完全に停止となりました。
再開の用意はずっとしていて、実は本日10月2日も再開予定日の一つでした。
今回のコロナ禍が収束したとしても、未知のウイルスによる感染流行は10年〜40年周期で起こると言われています。
もうこれ以上、子ども達の機会を奪いたくないんです。
その想いで僕たちはオンライン版を作っています。
幸いにも今の日本はGIGAスクール構想のおかげで、子ども達はデバイスは持っているんです。
あとはオンラインで成長できる機会さえあれば、都会はもちろん地方の子ども達にも機会を提供できるようになります。
日本の子ども達が自分自身を幸せにしていくための教育を創りたいんです。
どんな家庭のどんな子どもでも、自分の意志だけで参加できるようにしたいんです。
そのために、どうか皆様の寄付で支えていただけたら嬉しいです。
ご清聴ありがとうございました。
(オマケ①)Nancyの由来
控え室で他の登壇者さんと話している際に「なんでNancyって名前にしたんですか?」と聞いていただき。
いろんな場面で、最初の事業名は「ぎふマーブルタウン」だし「住田は男なのにNancyって女性の名前だよね」とよく言われます笑
結論から言うと、Nancyは「エジソンの母親の名前」から取っています。
小学校を3ヶ月で退学になってもエジソンの才能を信じ抜き、エジソンの疑問を一切否定せず一緒に考えたり実験しながらその可能性を開花させた母Nancyのように子どもたちの才能を信じ抜き、その可能性に伴走する存在でありたい。
そんな想いを社名に込めています。
またエジソンは僕たちの時代から見れば偉人ですが、天才というよりもかなり泥臭いタイプのようです。
電球の実用化では20,000回の失敗をしたと言われて、エジソンは「20,000回失敗したのではなく20,000のデータを取ったのだ」と答えた、と言われています。
夢や目標を持ちその実現のためなら困難にも立ち向かい、何度でも挑戦して新しいものを生み出したり人や社会に貢献し輝ける「次世代のエジソン」を育む存在でありたい。
ただそれを属人的に行うのではなく、僕が死んでもシステムとして次世代を育み続けていけるための教育を築きたい。
そんな想いで、これからもがんばっていきます!
(オマケ②)Nancyあるいは住田にご共感くださる方へ
もしNancyあるいは住田の想いにご共感いただける方がいらっしゃいましたら、ご寄付で支えていただけますと大変嬉しいです…!
子ども達の未来のためにぜひ、よろしくお願いいたします!
(ここでは銀行振り込み/クレジットカードでの寄付をご案内いたします。
他の方法はWebサイトをご覧いただくか、 gifu.nancy@gmail.com へお問い合わせいただけますと幸いです。)
【銀行振り込みで寄付】
十六銀行
本店(支店番号:100)
名義:一般社団法人Nancy
普通口座 2858016
振り込みによるご寄付をいただいた方、もしよろしければお礼のメッセージをお送りさせていただくために下記フォームへご記入いただけますと大変嬉しいです。(もちろん任意ですが、よろしければ是非…!)
【クレジットカード(VISA/Master/JCB/AMEXに対応)で寄付】
クレジットカードでのご寄付を希望の方は下記フォームにてご決済いただけますと幸いです。
https://syncable.biz/associate/nancy/donate
継続寄付をお選びいただいた方で「団体からのお知らせ」にチェックをいただいた方には、Nancyの活動レポートをメールアドレス宛に毎月お送りいたします。
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!
これからの日本、そして子ども達の環境を一緒により良くしていけましたら嬉しいです!
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