喫茶店で本を片手に

今日は起きるのが遅くダラダラしていて、お昼ごはんを食べるタイミングを完全に見失ってしまった。案の定、前々から行ってみたかったお店はどこもランチタイムを終えていたので、夕方の時間でも開いている近くの喫茶店でカレーを食べることにした。

せっかくならと持ってきた読みかけの本を片手に初めて入る喫茶店。珈琲とカレーを楽しむつもりで入ってみたが、メニューを開くと「うちは珈琲よりもチャイがおすすめです!」と書かれており、渋々気持ちをチャイに切り替える。一番人気のキーマカレーとチャイを頼んだところ、出てきたカレーは期待を上回って美味しそうで、これは思わずと写真を撮った。そのとき、スマホに映る画面から

「ちょっとサブカル満喫しすぎてない?」

と言われた気がした。手前に喫茶店のスパイスカレーと奥に見切れるチャイと読みかけの本。確かに画面に映るその構図は、”サブカルを嗜んでいる”香りが強すぎる見栄えになっていた。自分の選択ながら、途端に頭痛を感じる出来栄えで、その気恥ずかしさからすこし足早にカレーを食べ終えてしまった。

思い返せば昔からそういうところがあって、中高生の頃もカフェで勉強するというのができないタイプだった。「みんなでカフェでテスト勉強をする」というステレオタイプをしている自分自身を、俯瞰で恥ずかしがっている自分がいつもどこかにいて、集中できず勉強が手につかなくなる。

これはカフェで作業するのがダサい、という斜に構えた話ではなくて「そんな背伸びしてオシャレサブカル気取って。お前はそんなタイプじゃないだろ」ともう一人の自分が囁いてくるような、不慣れゆえの居心地の悪さの類。

すると結局、「どこか物静かな深夜の自宅」が僕にとってはどこよりも落ち着いて邪魔されない空間なのである。相も変わらず、深夜に作業が弾み出す。きっとこのまま、深夜の居心地良さは変わることなく、僕の夜型生活は治らない。きっと明日も起きると、行ってみたかったお店のランチタイムは終わっているんだとおもう。

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Ryo Sawada
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