ドイツ出張記(番外編)~ 荷物のゆくえ?~
前回のドイツ出張記(その2)でお伝えしたとおり、なかなかのハードスケジュールだった今回のドイツ出張。
それを予定外にさらに楽しい出張にしてくれたのが・・・
人生初のロストバゲージ!!!
それも帰りのフライトではなく、行きのフライトで!!!!!
つまり、今回のドイツ出張、成田空港で送ったはずのスーツケースが現地まで届きませんでした・・・。
ということで、今回はロストバゲージにまつわるお話をドイツ出張記の番外編として。
(1)はじまりは1時間遅れの成田
今回、ドイツに行くフライトは
成田空港 → オーストリア・ウイーン国際空港で飛行機乗り換え → ドイツ・デュッセルドルフ国際空港着
というルートでした。
成田空港では、おそらく何らかのトラブルが原因で、出発時刻が予定より1時間ほど遅れることになりました。
ただ、国際線の遅れはよくある話。かつては香港行きのフライトで12時間遅れも経験しているこの私。1時間くらいの遅れは、ヨーロッパまでの旅路である程度挽回できるだろうと踏んでおりました。
そういうわけで、その後に待ち構えている試練も知らずに、私は、長いフライトに備えて成田空港の搭乗ゲートでkindleで本をのんびりダウンロードしていました。
(2)乗り継ぎ時間、思ったより短く・・・
ロシア上空を迂回するためこれまでより時間がかかるヨーロッパ便。それでも無事にウイーン国際空港に着きました。
もともと成田空港を予定どおり出発していたとしたら、ウイーンでの乗り継ぎ時間は2時間ほどでした。
ただ、成田空港での出発1時間遅れ、そしてウイーンまでの間にその遅れの挽回もなかったので、ウイーン国際空港 → ドイツ・デュッセルドルフ国際空港までの乗り継ぎ時間が1時間弱しかなく・・・
ウイーン国際空港の到着ゲートからデュッセルドルフ行きのフライトまでの出発ゲートまでの距離が結構長く、人である私も、けっこうギリギリ間に合いました。
とはいえ、場所はオーストリアの首都にある空港です。そしてウイーンまでのフライトは現地ナショナル・フラッグの航空会社。
「1時間あれば、荷物の積み込みもなんとかなるだろう」と思い、まったくの危機感なく、自信満々でデュッセルドルフ行きのフライトに乗り込みました。
(3)何も届かなくて、ドイツ
ウイーンからは予定どおり2時間弱のフライトでデュッセルドルフ国際空港に到着。
飛行機の中では「ホテルに着く時間は夜10時ころだから、ビールの1杯くらいは飲めるかな」と、体は疲れていましたが心はウキウキしていました。
入国審査を終えて、私は、荷物受け取りのベルトコンベアのところへ。
待つ。コンベアは回る、されど荷物は来ず。
回る、回る、しかし来ず。
そして最終的には、モニターに表示される「Complete(終了)」の文字。強気の文字にひれ伏す私。
ひれ伏しながらも顔をちらっとあげると、どうも同じ境遇(成田 → ウイーン → デュッセルドルフ)にあると思われるドイツ人の方2名。
夜遅かったので空港のスタッフもほとんどおらず、どこでロストバゲージの手続を進めたらよいのかもわかりませんでした。
ですので、同じ境遇にあったドイツ人の方にすべてを委ねて背中に付いていき、なんとかカウンターまでたどり着き、ロストバゲージの手続を終えることができました。同じ仲間の2人、本当にありがとうございました!
その後、ホテルに着いたのは現地時間の真夜中24時(日本時間の朝7時)。燕三条駅からは朝6時すぎの始発の新幹線に乗りましたので、三条の家を出てからホテルに着くまで24時間以上かかりました。
出張初日なのに既に疲労度150%でしたが、なんだかやるせない気持ちでしたので、ホテル近くの開いている店でビールを1杯だけ流し込んで寝ました。
いや、スマホの写真をよくよく見てみたら、ホテルの部屋でも1杯飲んでいました。
(4)何も聞こえなくて、ドイツ
翌日10月27日は、前回のドイツ出張記(その2)でお伝えしたRed Dot Design Museum(レッド ドット デザイン ミュージアム)の見学。
この日の私がめちゃくちゃカジュアルな私服で、髪もセットしておらずペチャンコなのは、これ以外の服も、髪のワックスもすべて届かなかったスーツケースに入っていたため。
紛失した荷物の状況は、電話連絡やメール連絡が来るわけではなく、自分でQRコードからアクセスして自ら確認する必要があります。
1~2時間に1回はアクセスしてみたのですが、表示されるのは毎回「まだ見つかっていません」の文字。強気の文字に再度ひれ伏す私。
でも居場所はわかっています。そう、ウイーン国際空港。乗り継ぎ時間が短かったから、荷物は載せなかった。原因はそれに尽きます。
そして私が知りたかったのは、翌日10月28日までに私のもとに届くのかどうか。届くのであれば、授賞式用の衣装を準備する必要はありません。でも、届かないのであれば、スーツ、ワイシャツ、ネクタイ、革靴・・・すべてを現地でそろえなければなりません。
夕方、そして夜になるにつれ、QRコードから荷物の状況を確認する回数がだんだん頻繁になっていきます。でも何も進展はなく・・・。
私はあきらめ、Red Dot Design Award授賞式の前に一式をそろえる覚悟を決め、ドイツ2日目の眠りにつきました。
(5)ショッピング in ベルリン
ドイツ3日目、10月28日は夕方からの授賞式のために朝からショッピング。そろえなければならないものは、スーツ上下、ワイシャツ、ネクタイ、革靴、ワイシャツの下のシャツ、靴下・・・。簡単にいうとすべてです。
1番困ったのはサイズ問題。
やはりドイツ、メンズのサイズが基本的に大きいです。
また、ワイシャツは、日本では首回りと袖の長さのサイズが分かれていますが、ドイツでは首回りだけの表記。つまり、首は太いけど袖は短いというようなワイシャツはありません。
首回り39のワイシャツを買ったのですが、袖の長さは余る余る。来るべき成長に備えて大きめのサイズを買っていた子どものころを思い出すほどの長さでした。
もうひとつの問題は、ズボンのすそ上げ。試着してみたら、時代劇でのすそを引きずる長い袴状態です。でもすそ上げの時間はありません。
ですので、緊急手段として、すそ上げはせずに、すそを内側に折り込んでの授賞式参加です。おそらくRed Dot Design Award授賞式の長い歴史の中で、私が初めてではないでしょうか。
ちなみにこの緊急手段、授賞式の写真を三條新聞さんの記事で読んだ三条の方から「あれ、すそを内側に入れてたでしょ」としっかりとばれていました!
授賞式までに何とか一式をそろえ、着替えも完了し、髪型もセットし、自信満々で堂々と授賞式にのぞみました。ショッピングに費やしたこの日は1日で2万2000歩も歩きました。
(6)久しぶりの再会、でもちょっとしたオチが・・・
授賞式の終了後、すぐに空港に移動し、翌10月29日の早朝にドイツを出発。
念のためQRコードから荷物の状況を調べてみました。しかし状況は変わらず「まだ見つかっていません」のままヨーロッパを去ることなりました。
その後、帰国してすぐに「荷物が見つかりました」に進展です。私の帰国スケジュールをいい塩梅に把握していましたね、さては。
成田空港との間で通関手続の書面の往復などがあったため、三条の自宅にスーツケースが届いたのは帰国から9日後の11月8日。スーツケースは元気でした。中身もみんな元気でした。
ドイツで購入したスーツなどの代金は、海外旅行保険で補償されました。ひととおりそろえるとそれなりの金額でしたのでほっとしました。
でも、成田空港から自宅までのスーツケース配達料金は、自分で着払いして、なおかつ、海外旅行保険の補償の対象外でした。2000円弱でしたので金額としてはとても大きいというわけではないのですが、ちょっと切なくなりました。
(7)むすびに
Red Dot Design Awardのグランプリだけでも超・充実だった今回のドイツ出張をさらに充実させてくれたロストバゲージ。おかげさまで三条に戻ってきてから多くの方に
「グランプリおめでとう!」
だけではなく
「大変だったみたいだね!」
とも声をかけていただきました。ありがとうございます!
次回の出張のときに忘れないよう今回の試練から得た教訓として
めがねは機内持ち込みの手持ちカバンに入れましょう
コンタクトレンズも多めに手持ちカバンに入れましょう(これは今回、なぜか出発の朝に自宅で多めに入れておいてギリギリ助かりました)
歯ブラシも手持ちカバンに入れましょう
下着や靴下もある程度は手持ちカバンに入れましょう
あとは気合で何とかなる!