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30年後の三条市のために!
最近、国家公務員・地方公務員ともに、以前よりも就職先としての人気が低下してきているというニュースをよく目にします。
おかげさまで私たち三条市役所は毎年すばらしい方に受験していただいていますが、いつまでもこの状況が「あたりまえ」と思ってはいけません。
というわけで、2024年2月より、三条市役所では職員採用についてアップデートを行いました。
1.ジョブ型(的)雇用スタート
中途採用の場合、これまでも、応募者の勤務経験や希望などを事実上踏まえたうえで配属先を決めていました。
ただ、今回より、中途採用の応募時に「区分」を選択してもらい、基本的にはその区分の範囲内で配属先が決まる制度を明示的に導入しました。
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これにより
「役所への転職に興味があるけど、配属先がどうなるかわからないから不安」
「公務員になりたいけれども、これまでの自分のキャリアを活かすことができるか不安」
という課題に対処していきます。
2.通年採用スタート
これまでは、中途採用も新卒一括採用も同じ時期に年2回だけ募集し、勤務開始日も基本的には4月1日または10月1日からに限定していました。
ただ、私の知る限りでは、民間企業では履歴書は随時受け付けていますし、面接も良い方がいればいつでも実施しているかと思います。
また、転職を考えている人は「条件が合えばすぐにでも」という方が(きっと)多いです。ですので、私たち採用する側の都合で「入社日は原則4月1日か10月1日です」というのは、転職を考えている方の希望と合わないことになります。
というわけで、中途採用については、
① 応募期間を年2回から年4回に
② 入社日は柔軟に相談に応じる
というように事実上の通年採用をスタートしました。
![](https://assets.st-note.com/img/1707884674476-KFwB6hXoeD.png?width=1200)
民間の方からするとこれまた「あたりまえ」と思われるでしょうが、市役所業界(?)ではかなりのアップデートとなります。
3.採用ホームページ新設
ジョブ型(的)雇用スタート、通年採用スタートにあわせて、三条市役所の採用ホームページを新しく開設しました。
民間ではリクルートサイトを持っている企業が多くなってきていますが、市役所業界では私たちの取り組みは進んでいる方です。
ポイントは、若手職員を中心に、職員のインタビューを数多く掲載しているところです。
一例として・・・
私は大学を卒業後、県内の地方銀行に就職し2年半ほど勤務していました。一通りの仕事を経験したのですが、金融機関で働いているうちに自治体で働くことに興味が湧き、銀行を退職しました。その時にたまたま職員を募集していたのが三条市で、知り合いも三条で活動していたので、ご縁を感じました。私の場合は他の自治体への転職はほとんど検討しませんでしたね。
ただ、いきなり市役所に就職するよりも、一度地域に根差した活動をしてからの方がその後役に立つことがあるのではと思い、三条市下田の「地域おこし協力隊」として3年間活動しました。地域おこし協力隊では、名産品を使った商品化や、移住体験や職業訓練をテーマにした事業の運営などに携わりました。 協力隊ではいろいろな活動をしていたので、複数のことを同時進行で調整する能力が培われました。
その後三条市の職員採用試験を受け、平成30(2018)年に入庁しました。
もともと公務員=固いというイメージを漠然と持っていたのですが、三条市は違っていて、民間企業に近いようなスピード感だったり、動きやすい環境が協力隊として活動していく中で何となく見て取れたので魅力を感じました。
転職にあたっては、生活時間はほとんど変わらず、金融機関に比べ給与が若干下がるという問題はありましたが、あまり大差は感じなかったので、やりがいの方を優先しました。
そして、私のインタビューも載せています。
30年後も「ものづくりのまち 三条」であるために
三条市は昔から“金物のまち”として栄え、現在は世界に誇る技術が集積する“ものづくりのまち”として発展を続けています。また2023年には、アウトドアを楽しむとともに防災力の向上を図り、将来にわたって自然と共存することを誓う「アウトドアのまち三条」を宣言しました。こうした製造業だけでなく、さまざまな商工業やまちづくり、自然環境など三条市は魅力あふれる地であり、三条市という存在感のあるブランドを次世代につなげていきたいと考えています。
変化のスピードが早く、さまざまな課題に直面する現代において、市役所組織もアップデートしていかなければなりません。そのために三条市では2023年6月に市役所組織改革プロジェクト「プロジェクト シンカ」を始動しました。これは、職員が高いパフォーマンスを発揮するために時代に対応できる市役所への変革を促進するもので、まちづくりの主体である市民と協働しながら三条市の価値を創造し続けること、また頑張る市民を応援すること、誰もが暮らしやすい安心で寛容な地域社会をつくることをミッションとしています。
目先の問題解決はもちろん重要ですが、次世代の三条市のための組織づくりや職員が働きやすい環境を構築していくことも私たちの使命です。30年後も私が市長を務めていることはありませんが、30年後も市民や職員が誇りを持って笑顔で暮らせる三条市を目指していきます。
VUCAの時代だからこそ、変化を楽しむ人の力が必要
現代はデジタル技術の急速な進歩や、不透明で曖昧な社会情勢など、答えが見えない「VUCA時代」といわれています。さらに少子化や高齢化、人口減少という変化の中で、民間企業だけでなく自治体においても独自性やクリエイティビティ、そしてそれを遂行する能力が求められています。
三条市として掲げる政策や方針については、大きな方向性を決めていくのは幹部の仕事ですが、それらの解像度を上げて企画立案し、より良いものとして実現していくには当然ながら職員一人一人の力が欠かせません。
公務員にはさまざまな業務がありますが、これからの職員像は、たとえ事務系などの定型的な業務であっても決して受け身ではなく、自ら考え、実行しようとする人材であり、世の中のさまざまな動きにアンテナを張り、それを自分たちの問題に落とし込んで課題解決に取り組むことができる主体性が求められます。そうした職員のアイデアは全て実現するわけではないかもしれませんが、さまざまな意見や経験・スキルを持つ職員の多様性が未来の三条市を支える強い力になると考えています。
新卒者も転職の中途採用者も、自分の考えや意見を持ち、時代の変化を楽しみながらチャレンジできる———そんな人材が必要です。
私たちと一緒にこれからの三条市をつくっていきましょう。
4.なぜ、今、採用のアップデートが必要なのか?
私のインタビューに「なぜ三条市役所が今このタイミングで採用をアップデートするのか(する必要があるのか)」を載せてもらいました。
30年後もすばらしい三条市であるためには、そのすばらしいまちを作る私たち三条市役所がすばらしい組織である必要があります。
そのためには、良い人材を採用し続ける必要があります。
「良い人材を採用する確度」を少しでも上げるため、私たちは、前例や他の動向にとらわれることなく、採用をアップデートしなければなりません。