派遣社員に辞めないで続けてもらう方法 #1130
お元気ですかー?
今日は「派遣社員に辞めないで続けてもらう方法」というテーマでお話しします。
一番多い相談は継続率
僕の元には派遣先企業からの相談も時々寄せられます。その中でも一番多いのが「派遣社員の継続率」に関する相談です。たとえば、派遣社員が3日で退職してしまったり、せっかく教えたのに引き継ぎ中に辞めてしまったり、初回更新してもらえなかったり…などのケースがあります。
先日も、ある派遣先企業から「なぜ派遣社員が続かないのか」という相談がありました。その企業では、業務内容はそこまで難しくないのに、なぜか派遣社員がすぐに辞めてしまうという悩みを抱えていました。具体的には、初めての派遣社員が3日で辞め、その後に来た2人目も1週間で辞めてしまいまっていました。業務内容や職場環境に問題があるのかもしれないと考え、状況をヒアリングしました。
その上で感じたのは、派遣社員が続かない理由は必ずしも業務内容や環境にあるわけではないということです。実際、業務自体は他の企業と比べても特に厳しいものではありませんでした。しかし、いくつかのポイントで派遣社員が続けるモチベーションを失ってしまう要因が見えてきました。
派遣社員に続けてもらうためにやらない方がいいこと3選
派遣社員が辞めてしまう原因には共通点があります。ここでは、特に定着のためにはやらない方がいいことを3つご紹介します。
1. 職場見学という名の面接をしない
多くの派遣先企業では、「職場見学」という名目で実際には面接を行っています。これは違法(もしくはグレー)とは言え、企業側の気持ちは理解できます。派遣社員を選びたいのは分かるのですが、これを行うことで逆に派遣社員の定着率が下がるリスクがあります。
例えば、ある企業では職場見学の際に複数の派遣会社から提案を受け、その中から一人を選んでいるとします。しかし、これをすると派遣会社は職場見学をパスするための「面接対策」を行う必要があり、本来の業務スキルや適性よりも「面接に強い人」を選ぶことになります。その結果、市場価値が高すぎて派遣では長く勤務しないだろうと思われる人や、継続は怪しいけど印象が良かったりコミュニケーション能力が高い人が選ばれることになるのです。
実際にある企業はこの状況を理解し、職場見学を完全に廃止し、スキルシートと派遣会社の出す条件で派遣社員を決定する方法に変更しました。その結果、派遣社員の定着率が向上し、職場環境も改善されました。派遣会社との信頼関係を築き、本当に適した人材を提案してもらうことが重要です。
詳しめに職場見学について書いたnote↓
2. 最安値の派遣会社を探す
商品を購入する際に相見積もりを取って最安値を選ぶのは一般的ですが、派遣契約では違った結果を招きます。人材派遣の原価の70%程度は給与です。社会保険や交通費などの費用は大幅に下げる方法がなく、派遣料金が安いことは、派遣社員の給与が低いことを意味します。派遣会社も最安値を求められると、当然ギリギリの雇用条件で契約する派遣社員をアサインして提案することになります。
派遣社員は正社員とは異なり、会社にコミットしていません。長く働いたら後から報われるみたいなことは基本的にないからです。当然、給与や待遇が悪ければ他の案件を探したほうが合理的です。
予算に不足がないなら、その地域の水準より少し高いくらいの金額設定をおすすめします。
3. 横柄な態度を取らない
正社員だからといって横柄な態度を取る上司は減ってきている印象ですが、まだ存在します。その中には派遣社員に対してまでも「頑張るのが当たり前だろ」と言った態度だったり、支援することなくプレッシャーだけをかけたりする人がいます。これでは派遣社員のモチベーションが下がるだけでなく、職場の雰囲気も悪化します。
僕の知るある企業では、上司が派遣社員に対して厳しい態度や言い方をし続けた結果、派遣社員が次々と辞めてしまいました。上司は「社会人としてあり得ないと思うんですよね。言い方とか関係ないじゃないですか。」と言っていましたが、これは大きな間違いです。
派遣社員は140-170万人で労働者の3%以下です。
そして、現状は派遣で働く人以上に依頼がある派遣会社の方が多いはずです。
すなわち、売り手市場で、案件を選ぶことができる状況にあるのです。嫌な上司や横柄な人と働く必要はありません。
ですので、良くも悪くも、派遣社員には正社員以上に敬意を持って接することが大切だと僕は考えます。
派遣社員の定着のためにやった方がいいこと
やらない方がいいことを避けるだけではなく、積極的にやった方が良いこともあります。それが「派遣社員のメリットを明白にする」ことです。高い派遣料金じゃなくても、3ヶ月ごとの更新でも、続けてくれる可能性が高まります。
派遣社員に対して「この仕事を3年やったら〇〇の資格が取れる」といった具体的なメリットを提示したり、市場価値の高いスキルを身につけるための(業務にも必要な)研修プログラムを提供したりといったイメージです。
さらに、派遣会社と協力して派遣社員のキャリアパスを設計することができるともっと良いです。派遣社員が将来的にどのようなキャリアを築けるのかを明確に示すことで、モチベーションを高めることができます。
例えば、ある企業では派遣社員が正社員になるためのプログラムを導入し、多くの派遣社員が正社員として採用されました。もちろん、正社員になりたい派遣社員の方を中心に高い継続率となりました。
細かいマネジメントの話であれば、1on1面談などを定期的に実施して、派遣社員の状況把握と支援、そして意見を積極的に取り入れることも大切です。
定期的にフィードバックを収集し、改善点を見つけることで、職場環境をより良くすることができますし、そのフォロー自体をやる会社は少なく、派遣会社任せの派遣先が多いので魅力に感じてくれる可能性が高いです。
とにかく誰でもいいとか、逆に専門性が圧倒的なポジションだということではなく、社員と同じようにパフォーマンスして欲しいなら、社員の代替的な要素があるなら、社員と同様にマネジメントするのは当然と考える方が健全かと僕は考えています。
最後に
派遣社員の定着率を向上させるためには、いくつかのポイントを押さえることが重要です。職場見学という名の面接を避ける、最安値の派遣会社を探さない、横柄な態度を取らないといったことを心掛けるだけでなく、派遣社員のメリットを明確にすることが大切です。
派遣社員が長く働くためには、働く環境や待遇だけでなく、自分のキャリア形成にも役立つと感じられることが必要です。派遣会社と協力して、派遣社員にとって魅力的な職場を提供することで、定着率を向上させることができます。
もし、派遣社員の定着率に悩んでいる企業の方がいれば、ぜひ一度このポイントを見直してみてください。
では、また!
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