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第16回キャリアコンサルタント学科試験解説(問11〜20)

今日は何の日

3月10日 サボテンの日
「さ(3)ぼてん(10)」の語呂合わせから、岐阜県巣南町の「さぼてん村」を経営する岐孝園が制定しました。

第16回キャリアコンサルタント学科試験解説(問11〜20)

これから難問ゾーンの問11から20の解説をします。

問 11 ハロートレーニングに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 離職者訓練(公共職業訓練)は、主に雇用保険を受給している求職者を対象とした、就職に必要な職業スキルや知識を習得するための無料の訓練である。
2. 求職者支援訓練の実施機関は、国(ポリテクセンター)または都道府県(職業能力開発校)である。
3. ハロートレーニングには、高等学校卒業者等が有料で受講する学卒者向けの訓練がある。
4. 在職者も、従事している業務に必要な専門知識及び技能・技術の向上を図るため、ハロートレーニングを受講できる。

✅実施機関については民間もあります。正解は2です。

公共職業訓練の場合は、国(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構のポリテクセンター、ポリテクカレッジおよび障害者職業能力開発校)、都道府県職業能力開発校および障害者職業能力開発校)、民間教育訓練機関等(都道府県からの委託)が、求職者支援訓練の場合は、民間教育訓練機関等(訓練コースごとに厚生労働大臣が認定)が実施しています。

問12 リカレント教育に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. ユネスコによる生涯教育構想に呼応して OECD(経済協力開発機構)が 1973 年に提唱した教育改革理念である。
2. 学校教育終了後に社会に出てからも高等教育が様々な形で受けられる機会を提供し、教育を生涯に分散させる考え方である。
3. リカレントは「循環」を意味し、学校教育と社会教育とを循環させるシステムの構築が目標とされる。
4. リカレント教育を推進させるため、文部科学省では「経験→省察→概念化→実践」という4 段階の学習サイクルから成るモデルを示している。

✅4段階のサイクルは①学習し直し,②学習活動の行い直し,③教育の受け直し,④教わり直し」の四段階です。 「経験→省察→概念化→実践」は経験学習サイクルのサイクルです。正解は4です。

参考文献(リカレント教育 - 独立行政法人 労働政策研究・研修機構内の論文

問 13 リカレント教育に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 文部科学省は、リカレント教育の推進には、ニーズを的確に捉え続け、リカレントプログラムを継続的に実施できる体制づくりや、受講者が学びを深め続けられる仕組みづくりが重要としている。
2. 経済産業省は、人生 100 年時代には社会人基礎力に加え、新たに「考え抜く力」、「チームで働く力」、「前に踏み出す力」の切り口、視点が必要となってきているとしている。
3. 厚生労働省では、リカレント教育機会の拡充に向けて、高年齢者を対象にした特定一般教育訓練給付制度を創設している。
4. 通学等での学び直しを行っている人の割合を OECD 諸国で比較すると、日本は OECD 平均よりも高い水準である。

✅2.社会人基礎力の新たな視点は「何を学ぶか」「どのように学ぶか」「どう活躍するか」の3つです。詳細はこちら 

3.特定一般教育訓練給付制度の対象は高齢者だけではないです。

4.OECDの比較では2015年25位で平均以下です。→詳しくはこちら 正解は1です。

問 14 統計法に基づく一般統計調査である「能力開発基本調査」に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1. 「能力開発基本調査」は、総務省統計局が実施している。
2. 「能力開発基本調査」は、5 年に 1 度実施されている。
3. 「能力開発基本調査」は、「企業調査」、「事業所調査」、「個人調査」で構成されている。
4. 「能力開発基本調査」は、対象を正社員に限定した調査である。

✅1.能力開発基本調査は厚生労働者が実施しています。2平成13年から毎年実施されています。3対象は事業所に属している労働者のうちから、一定の方法により抽出した労働者。正解は3です。

問 15 職能資格制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 職能資格制度は、人間よりも職務に力点を置く仕事基準の人事制度である。
2. 職能資格制度は、資格(等級)により賃金を決定するため、賃金の変動を伴うことなく、人事異動が可能となる。
3. 職能資格制度における能力とは、顕在能力を指し、潜在能力は含まれない。
4. 職能資格制度では、職位と資格が連動しており、昇格すれば自動的に昇進することとなる。

✅1.職能資格制度は人・能力に力点を置くシステムです。3能力は顕在能力と潜在能力の両方です。→詳しくはこちら 4職位と資格は切り離されています。正解は2です。

問 16 「令和 2 年版高齢社会白書」(内閣府)で述べられた高齢者の就業に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
1. 2019 年の労働力人口比率をみると、70~74 歳の者では 5 割を超えている。
2. 55 歳以上の男性の雇用者(役員を除く)のうち、非正規の職員・従業員の比率が一番高いのは 60~64 歳の者である。
3. 現在仕事をしている 60 歳以上の者の約 4 割が「働けるうちはいつまでも」働きたいと回答している。
4. 2012 年から 2017 年における起業者の年齢別構成割合の変化を見ると、65 歳以上では、2012 年と比べて男女とも倍増している。

✅1.令和元(2019)年の労働力人口比率(人口に占める労働力人口の割合)を見ると、65~69歳では49.5%、70~74歳では32.5%となっています。

2.役員を除く雇用者のうち非正規の職員・従業員の比率を男女別に見ると、男性の場合、非正規の職員・従業員の比率は55~59歳で11.2%であるが、60~64歳で49.6%、65~69歳で71.3%です。

4.男女別に65歳以上の起業者の割合を見ると、男性は平成24(2012)年11.8%、平成29(2017)年13.2%と上昇しているが、女性は平成24(2012)年8.6%、平成29(2017)年7.2%となっている。正解は3です。

問 17 セルフ・キャリアドックの導入と展開に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。
1. セルフ・キャリアドックが最終的に目指すことは、個人が元気になり、組織が活性化される状態にすることである。
2. セルフ・キャリアドックに期待できることは、従業員にとっては、仕事を通じた継続的な成長促進、企業にとっては、人材の定着が挙げられる。
3. 人材育成ビジョン・方針の策定に当たっては、業界・企業を取り巻く環境や、自社の人材が抱える実態を適切に把握する必要がある。
4. セルフ・キャリアドックを推進していくための責任者は、キャリアコンサルタントを統括する位置づけから、必ず人事部門から選定しなければならない。

✅4責任者は必ず人事部門でなくても良いです。「必ず」は要注意です。正解は4です。

問 18 「令和元年版労働経済の分析」(厚生労働省)で述べられた、2018 年度の賃金の動向に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。
1. 2018 年度の現金給与総額は、名目では 5 年連続で増加したものの、物価動向を加味した実質では前年比マイナスとなった。
2. 女性や高齢者の賃金自体は増加しており、一人あたり賃金に雇用者数を乗じた総雇用者所得も増加した。
3. 人手不足が続く中で、大卒・高卒共に初任給は人材確保のため概ね上昇傾向にある。
4. 45 歳以上の転職者の賃金をみると、男女ともに前職に比べて上昇している。

✅4.転職による賃金の増減をみると、男性は45~54歳を除くすべての年齢階級において、女性はすべての年齢階級において、転職前の賃金に比べて転職後の賃金が増加した者の方が多くなっている。正解は4です。

問 19 「平成 30 年度障害者雇用実態調査結果」(厚生労働省)で示された、精神障害者の雇用状況に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
1. 雇用されている精神障害者を職業別にみると、最も多いのは「運搬・清掃・包装等の職業」である。
2. 雇用されている精神障害者のうち、無期契約の正社員の割合は約 8 割である。
3. 雇用されている精神障害者を週所定労働時間別にみると、通常(30 時間以上)が最も多い。
4. 雇用されている精神障害者について、障害者となった時点別にみると、事業所の採用前になった場合と採用後になった場合がほぼ同数となっている。

✅1.産業別にみると、卸売業、小売業で 53.9%と最も多く雇用されている。次いで、医療、福祉 17.6%、サービス業 9.4%となっている。

2.雇用形態別にみると、無期契約の正社員が 25.0%、有期契約の正社員が 0.5%

3.週所定労働時間別にみると、通常(30 時間以上)が 79.8%と最も多く、次いで 20 時間以上 30 時間未満が 16.4%となっている。

4.障害者となった時点別にみると、事業所の採用前が 87.7%、採用後が 12.2%、無回答が 0.1%となっている。正解は3です。

詳しくはこちら→平成30年度障害者雇用実態調査結果

問 20 「令和元年版労働経済の分析」(厚生労働省)で述べられた、人手不足の下での「働き方」をめぐる課題に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
1. 正社員等(パートタイムを除く雇用期間を定めないで雇用されている者又は1年以上の期間の雇用契約を結んで雇用されている者)の人出不足感を業種別にみると、「金融業、保険業」は「製造業」よりも人手不足感が高い。
2. 雇用形態別に人手不足を感じる企業の割合をみると、正社員及び非正社員が所属している企業では、「非正社員のみ」が不足していると認識している企業が多い。
3. 人手不足を緩和するための対策に取り組んできた又は近く取り組む予定にある企業は、全体の 8 割強を超える水準を占めている。
4. 人手不足を緩和するための対策の取組み割合を企業規模別にみると、企業規模の小さい企業における取組み割合が高い。

✅1.「正社員等」では、「製造業」における人手不足感の高まりが最も顕著であり、次いで、「建設業」「学術研究,専門・技術サービス業」「情報通信業」「不動産業,物品賃貸業」「サービス業(他に分類されないもの)」「運輸業,郵便業」などで、人手不足感の高まりが強いことが分かる。

2.正社員及び非正社員が所属している企業であって、「正社員のみ」が不足していると認識している企業は60.2%、同企業であって「非正社員のみ」
が不足していると認識している企業は18.4%。

4.過去3年間で人手不足を緩和するための対策に取り組んできた企業は、全体の8割を超える高い水準にあるものの、相対的に人手不足感が高まっている産業や企業規模の小さい企業等における取組割合は、低い傾向にある。正解は3です。

詳しくはこちら→人手不足の下での「働き方」をめぐる課題

まとめ

11ハロートレーニング12.13リカレント教育14能力開発基本調査15職能資格制度16高齢社会白書17セルフキャリアドッグ18労働経済の分析19障害者雇用実態調査結果20労働経済の分析からの出題ですが、かなり細かいところから出ている印象です。

これらの問題は捨て問的な問題ですので、あまり時間をかけずわからければ直感で解いたほうがいいこともあります。確実に点を稼ぐところで稼ぎ、難しい問題で時間をかけてもしょうがないので割り切って捨てる勇気も必要です。

✅全問題の解説記事です。


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