【キャリコン勉強】キャリアカウンセリングの理論(サビカス)
マーク・L・サビカス
アメリカ 心理学者
サビカスはキャリア構築理論を提唱しました。マッチング理論(特性因子理論)やスーパーのキャリア発達理論などを統合・発展・展開し、21世紀のキャリア理論と位置付けられています。
キャリア構築理論の3つのテーマ
1)職業パーソナリティ
・パーソナリティのタイプは、親や学校、周辺環境などにより、社会的に構築された態度やスキルであり、
興味は変化し、安定しない。
・発達段階は、現代社会では予測不可能であり、不連続で予測困難な変化も含む必要がある。
2)キャリア・アダプタビリティ
・予測出来ない転機や、精神的な変化などへの対処、適応のための態度や能力を高めていく必要がある。
・キャリア・アダプタビリティを高めることにより「自己概念を実現すること(ありたい自分になること)」ができる。
3)ライフテーマ
・個人がなぜこの仕事を選んだのか、なぜ転機をこのように受け止めたのかなどクライエント自身にとって意味やキャリア上の物語に注目することが大切である。
キャリア構築理論の概要
✅キャリア構築理論に基づくカウンセリングの作業
1)小さなストーリー(マイクロナラティブ)を通してキャリアを構成
2)小さなストーリーを大きなストーリー(マクロナラティブ)へ脱構成または再構成
3)ストーリーの中に次のエピソードを構築
✅ナラティブアイデンティティ=自己について語るストーリー
✅マイクロナラティブからマクロナラティブを構成する
・小さなストーリー 特定の出来事を客観的に記録
・大きなストーリー 過去の経験に現時点での主観的な意味を与える
✅キャリアテーマ
・小さなストーリー(マイクロナラティブ)をマクロナラティブに統合する暗黙のパターンのこと
キャリア構成のためのナラティブキャリアカウンセリング
✅ナラティブキャリアカウンセリング=3回のセッション
(1回目)キャリアストーリーインタビュー 5つの質問、ストーリーの意味を理解する
↓1週間
(2回目)ナラティブアイデンティティを構成 再構成したストーリーを語り、プランを作成
↓2~4週間
(3回目)カウンセリングの締めくくり クライエントが述べた目標が達成できたか確認
キャリアストーリーインタビュー
1)ロールモデルを聴く(6歳頃憧れていた人3人挙げてください)
2)いつも見る雑誌・テレビ番組を聴く
3)お気に入りの本・映画を聴く
4)お気に入りの格言・モットーを聴く
5)幼少期の思い出を聴く
キャリア構成理論におけるキャリアカウンセラーの役割
1)ナラティブの再構成
クライエントのマイクロナラティブからマクロナラティブを作ること。キャリアテーマを明らかにする。
2)ナラティブの脱構成
キャリアチェンジの選択肢を制限するような予測や有害な考えを取り除くこと。
3)ナラティブの共構成
キャリアテーマを未来に拡張し、自分自身のストーリーを前進させる手助けをする。
まとめ
キャリアカウンセリングにおいて、ナラティブ・アプローチは有効であると感じますが、何よりもクライエントに十分語ってもらうことが重要です。そのためにはやはりクライエントとのラポールを形成し、語ってもらう関係を構築することが大事だと思います。
そして、クライエントと一緒になって、ストーリーをまとめ上げ、クライエントのために「ありたい自分になる」ようにキャリアを構築していけるようにしていきたいと思います。