第16回キャリアコンサルタント学科試験問題解説(問21-30)
今日は何の日
3月22日 世界水の日
1992(平成4)年、国連総会で制定された国際デーの一つ。地球的な視点から水の大切さを世界中の人々が見つめ直す日
第16回キャリアコンサルタント学科試験問題解説
問 21 労働基準法における労働時間、休日、休暇の規定に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1. 特別条項がある場合には、月間 100 時間を超えて法定時間外労働を行わせることができる。
2. 1 週 4 日以下の勤務形態の労働者には、年次有給休暇を与える必要はない。
3. 週休 2 日制の企業において、法定外休日とされた日に労働させた場合、休日労働割増賃金を払わずともよい。
4. 所定労働時間が 7 時間の企業において 2 時間残業させた場合、法律上は 2 時間分の時間外労働割増賃金を含めて賃金を支払う必要がある。
✅労働基準法の問題です。
1.月間 100 時間未満です。
2. 1 週 4 日以下の勤務形態の労働者でも年次有給休暇は付与されます
3.法定外休日に休日出勤となった場合、基本的に割増賃金は発生しません。 ただし週40時間の法定労働時間を超えて勤務している場合は、時間外勤務(残業)と同じ位置づけとなり、25%の割増賃金が支払われることになります。
4.7時間の勤務の場合2時間残業した場合の法定時間外労働は1時間になります。正解は3です。
問 22 労働・社会保険の保険料に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1. 労働者災害補償保険の保険料は事業主が単独負担するが、業種を問わず一律の保険料率となっている。
2. 健康保険および厚生年金保険の保険料は、産前産後休業、育児休業の期間中は申請により免除される。
3. 介護保険の第 1 号被保険者の負担する保険料は、本人の所得額に関わらず一律である。
4. 雇用保険の保険料は、被保険者(労働者)負担分が事業主負担分よりも高くなっている。
✅1.労災保険料率は88/1000~2.5/1000まで細かく分けられ、業種ごとに決まっています。例えば、食料品製造業では6/1000、卸売・小売業・飲食店などは3/1000がそれぞれ保険料率として定められています。詳しくはこちら
3.介護保険料は「満65歳に達したとき=第 1 号被保険者」より徴収されなくなります。
4.労働者は事業主とともに負担し、負担料率は事業主側が高く設定されています。正解は2です。
問 23 労働関係法令並びに社会保障制度を所轄する国の機関に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 厚生年金保険に関することについては、労働基準監督署が所轄している。
2. 性別による差別、セクシュアルハラスメント対策については、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)が所轄している。
3. 職業相談・職業紹介、職業訓練への受講あっせん、雇用保険の給付については、公共職業安定所が所轄している。
4. 労働組合との集団的労使関係に関する紛争については、都道府県労働委員会が所轄している。
✅1.日本年金機構が所轄しています。正解は1です。
問24 雇用保険制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1. 雇用保険は、政府が管掌する任意加入の保険制度である。
2. 雇用保険制度における雇用保険二事業は、雇用安定事業と能力開発事業である。
3. 育児休業給付と出産手当金は、共に雇用保険から給付される。
4. 日雇労働者は雇用保険の被保険者になることはできない。
✅1.雇用保険は誰もが必要となりうる必要最低限の保険ですので、要件を満たす人は必ず加入しなければなりません(強制保険)
3.育児休業給付金は、雇用保険から給付され、出産手当金は健康保険から支払われます。
4.日雇労働者は雇用保険の被保険者になれます。正解は2です。
問 25 次に示す、平成 29 年度告示の小・中学校及び平成 30 年度告示の高等学校の学習指導要領総則の一部のうち、( )に入る用語として適切なものはどれか。
児童(中・高は生徒)が、学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら、社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付けていくことができるよう、( )を要としつつ各教科等(高等学校は各教科・科目等)の特質に応じて、キャリア教育の充実を図ること。
1. 道徳教育
2. 職場体験
3. アクティブ・ラーニング
4. 特別活動
✅正解は4です。平成 30 年度告示の高等学校の学習指導要領総則のP148「キャリア教育の充実」実(第1章総則第5款1(3))に記載があります。第8回試験で同じ問題が出題されています。
問 26 「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」(中央教育審議会、平成 28 年 12 月)で述べられた、キャリア教育に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。
1. キャリア教育については、職場体験活動のみをもって、キャリア教育を行ったものとしているのではないか、との課題が指摘されている。
2. キャリア教育を進めるにあたっては、将来の夢を描くことばかりに力点が置かれ、「働く」ことの現実や、必要な資質・能力の育成につなげていく指導が軽視されているのではないか、との課題も指摘されている。
3. キャリア教育を効果的に展開していくためには、教育課程全体を通じて必要な資質・能力の育成を図っていく取組みが重要になる。
4. 高等学校の就業体験(インターンシップ)については、主に就職を希望する生徒が多い普通科や専門学科に特化してすすめることが期待されている。
✅幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について
4.、P57高等学校の就業体験(インターンシップ)については、これまで主に高等学校卒業後に就職を希望する生徒が多い普通科や専門学科での実習を中心に行われてきたが、今後は、大学進学希望者が多い普通科の高等学校においても、例えば研究者や大学等の卒業が前提となる資格を要する職業も含めた就業体験(いわゆる「アカデミック・インターンシップ」)を充実するなど、それぞれの高等学校や生徒の特性を踏まえた多様な展開が期待される。正解は4です。
問 27 「職場における心の健康づくり~労働者の心の健康の保持増進のための指針~」(厚生労働省、独立行政法人労働者健康安全機構)に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
1. 「セルフケア」では、労働者に対してストレスやメンタルヘルスに対する正しい理解、ストレスへの気づき、ストレスへの対処などが行えるように支援することが重要である。
2. 「ラインによるケア」では、事業場外部からの情報提供や助言を受けるなどのサービスの活用、ネットワークの形成、職場復帰における支援などが重要である。
3. 「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」では、職場の管理監督者が人事労務的な視点からの職場環境等の把握と改善、労働者からの相談対応を行うことなどが重要である。
4. 「事業場外資源によるケア」では、心の健康づくり計画の実施にあたり、事業場外スタッフが中心的な役割を担うことが重要である。
✅職場における心の健康づくり~労働者の心の健康の保持増進のための指針
2.・ラインケアは職場環境等の把握と改善・労働者からの相談対応・職場復帰における支援、など
3.事業場内産業保健スタッフ等は、セルフケア及びラインによるケアが効果的に実施されるよう、労働者及び管理監督者に対する支援を行うとともに、次に示す心の健康づくり計画の実施に当たり、中心的な役割を担うことになります。
4.・情報提供や助言を受けるなど、サービスの活用・ネットワークの形成
・職場復帰における支援、などです。正解は1です。
問 28 ストレスチェック制度に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。
1. ストレスチェック結果の評価方法、基準は、実施者の提案・助言、衛生委員会における調査審議を経て、事業者が決定する。
2. 高ストレス者の選定では、自覚症状が高い者や、自覚症状が一定程度あり、ストレスの原因や周囲のサポートの状況が著しく悪い者を選定するのが原則である。
3. ストレスチェックの結果を本人に通知するときは、個人のストレスプロフィール、ストレスの程度、面接指導の対象者か否かの判定結果を通知する。
4. ストレスチェックの実施者は、事業場の問題点を把握する観点から、労働者の同意を得なくても、事業者には労働者個別の結果を報告しなければならない。
✅詳しくはこちら→厚生労働者ストレスチェック導入マニュアル→ストレスチェック制度に関する法令
4.ストレスチェックの結果は、労働者の同意がなければ事業者に提供してはならない。正解は4です。
問 29 シャイン(Schein, E. H.)の示したキャリア・サイクルの衰え・離脱期における発達課題に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
1. 技術の幅を広げ、組織の繁栄に役立てる。
2. 日々の意思決定を行うよりも、他者の力を統合して成果を出す。
3. 職業以外の役割を開発し、新しい生活に適応していく。
4. 有能な部下を選抜し、後継者として育成する。
✅1.キャリア初期or中期 2.どの期間か不明 4.指導者役にあたるキャリア後期 正解は3です。
問 30 エリクソン(Erikson, E. H.)の心理社会的発達課題に関する次の記述のうち、老年期の発達課題として適切なものはどれか。
1. 親密性 対 孤立
2. アイデンティティ(同一性) 対 アイデンティティ(同一性)拡散
3. 統合性 対 絶望
4. 世代性 対 停滞性
✅1.前成人期 2.青年期 4.成人期 正解は3です。
まとめ
21 労働基準法 22 労働・社会保険の保険料 23 労働関係法令並びに社会保障制度 24 雇用保険制度 25 学習指導要領 26 キャリア教育 27 職場における心の健康づくり 28 ストレスチェック 29 シャイン30 エリクソン
21、22は難問です。法律・保険関係は内容を覚えていれば簡単ですが、そうでないと難しいです。24以降は確実に押さえたいところです。特に29、30はよく出るところですので整理しておきましょう。
✅全問題の解説です。
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