NewsPicks・Gunosy・Yahoo徹底比較!ニュースメディアのプラットフォーム戦略は?
Googleはwebサイトを作らない。Amazonは本を作らない。Appleはアプリを作らない。Airbnbは宿を作らない。そう、ビジネス界ではプラットフォーム戦略が経済を支配している。
<プラットフォーム戦略>
売り手と買い手を直接マッチングさせるための環境を作る戦略
今回はそのプラットフォーム戦略でニュースメディア市場を起点に戦う3社を比較してみました!
(とにかくNewsPicksのビジネスモデルがきになりすぎている!!!)
1.基本的な構造は変わらない
上記が3社のアプリ起動時TOP画面です。左からYahoo, Gunosy, NewsPicksであるが、構造はほとんど同じです。3社とも、他のwebメディアで書いた記事をキュレーション(情報を収集し、整備して公開すること)しています。
また、Yahooはヤフコメ、NewsPicksはPICKという仕組みでニュースへのコメントが公開されることで、情報がまとまっていて見やすいだけに留まらず、付加価値まで付いています。
そのため、参加者が増えるほど、情報に価値が生まれます。それによって、広告を出す企業も喜びます。ユーザーが増えれば増えるほど、ユーザーも企業(広告主)も得をするGoogleやTwitterと同じですね。まさにプラットフォーム戦略の王道です!
2.広告に頼らないNewsPicks
その3社の中でも異彩を放っているのがNewsPicksです。まず前提知識として、3社とも基本的な収益構造は広告になります。
このように、多くのユーザーを集めて、広告を掲載することが3社に共通する収益源になります。
サブスクで構造を破壊したNewsPicks
しかしNewsPicksは有料会員という別の収益源を持ちます。会員登録してまで見る価値のある独自コンテンツを発信し、サブスクリプション(定期購読)形式で収益を得ています。こんなコンテンツまで見れます。
ここが無料でユーザーを集めているGunosyやYahooとの大きな違いになります。(いち早くサブスクに移行し、サブスクの記事書いちゃうNPイケメンですね)
つまり、場だけを提供とキュレーションに専念するGunosyやYahooに対して、コンテンツ制作も行うNewsPicksという構図になります。
3.コンテンツか、プラットフォームか
提供サービスによって差別化が図れるコンテンツの世界に対して、プラットフォームの世界は勝者総取りの世界です。
差別化で共存し合うコンテンツ
ホテルの世界では、富裕層向けのホテルが存在する一方で、ファミリー向けのホテルも存在し、それらを両立させるのは困難なので、ターゲット顧客に合ったポジションを取ります。それなので、多種多様な企業が存在します。
勝者総取りのプラットフォーマー
一方で、プラットフォームのAirbnbは、高級宿泊地に泊まりたい人と高級な宿泊地を、安い民泊に泊まりたい人と、安い民泊を、それぞれ結びつけることができます。それなので、参加者さえいれば、Airbnb1社で様々な要望に応えられます。
2者融合のNewsPicks
そう、NewsPicksはこの2つのモデルを共存させています。ニュースキュレーションやPICK、プロピッカー機能でユーザー参加型のプラットフォームを築きながら、ビジネスパーソンへの経済情報というターゲットを絞ってのコンテンツ作りも行っています。
さらにそのコンテンツがものすごい。ホリエモンや落合陽一、幻冬舎まで巻き込む本気ぶりでNewsPicksというオウンドメディアが、ビジネスパーソンがメッセージを発信するプラットフォームにまでなっている。
そして、しまいには広告までコンテンツに同化させてしまいます。下記、リクルートの広告です。
いわば、人の力でコミュニティを形成し、コンテンツを制作し、プラットフォーマーとクリエイターの要素を併せ持つのがNewsPicksということになります。
4.テクノロジーのGunosy
一方で、Gunosyの戦略は真逆です。顧客はよりビジネスパーソンより多い一般人が対象で、ニュースの内容もエンタメ系が多い印象です。
そして、Gunosy最大の強みがテクノロジーです。創業者が東大大学院在学中にアプリを開発したエンジニアであることからも、この色が出ています。
AIを用いた独自のアルゴリズムで、ユーザーにあった他社コンテンツをキュレーションし、提供するというのがGunosyの戦略です。なので、新卒への課題も鬼です。
サブスクリプション型でファンの好感度がより求められるNewsPicksとは異なり、認知の獲得に重きが置かれるので、クーポン事業で日常により密着して接点を図るなど、戦い方も異なります。
プラットフォームの高収益モデル
NewsPicksのように、コンテンツ制作に力を注がないため、収益性は良くなります。
<営業利益>
Gunosy:17年-19.6% 18年-17.3%
NewsPicks:17年-13.0% 18年-12.7%
ここ2年こそNewsPicksも好調ですが、赤字予定の19年度含めて、2年以外で営業利益率が10%を超えていないNewsPicksと比べると、あくまで現段階ではGunosyの安定した収益性は光ります。
5.YahooとGunosyと他のアプリと
しかし、既出の通り、プラットフォームは勝者総取りの世界です。Gunosyの戦略もAIの力でターゲットを広くとって、収益性も高めることです。
裏を返せば、自社プロダクトを持たない以上、1番のシステムを作れなければ、競合との消耗戦に晒されます。
ポータルサイトのYahoo
1章上部の写真のように、GunosyとYahooのニュースメディアとしての仕組みは似ています。Gunosyの個性的な通知など、一部差はあれど、ターゲットやビジネスモデルで言えば大体同じです。
そして、Yahooの場合はニュースメディアではなくポータルサイトなので、スポーツナビ、retty、GYAO、路線情報、天気など、ニュースに留まらない広い情報を扱っています。(メディア事業以外でもヤフオクやPayPayなど、サービスを挙げたらきりがない、、、?)
類似サービスを展開するSmartNews
SmartNewsは未上場でIR情報が公開されていないので、分析からは省きましたが、クーポンや広告での集客を行っている点なども踏まえると、類似点の高いサービスになります。
結論:ニュースアプリは激戦!
今回色々調べてみましたが、これらのサービスを比較する記事はあまり見当たらず、少し使ってみてもあまり差を感じられなかったことからも、マスを対象にしたニュースアプリの混戦はこれからも続くように思えます。
6.未来の戦い方
最後に3社の今後の戦い方を予想してみます。
コンテンツを磨くNewsPicks
NewsPicksのビジネスモデルは非常に参入障壁が高くばっちりハマっていることから、時代の流れに合わせてコンテンツを作っていくことで、さらなる成長が見込まれます。
特にWEEKLYOCHIAIなどの、独自性の高いコンテンツを持っている影響力は大きく、図解コンテンツ、動画コンテンツを作成する動きがあることからも、5G実装以降の変化にも強く対応していくように思います。
図解コンテンツ、非常に読みやすい!
新規メディアを作るGunosy
技術力に強みを持つGunosyの方法性は、マルチメディア化でしょうか。ビジネス領域ではNPに勝てなくても、その他情報が乱立している領域ならまだまだ勝ち筋は大いにあるように思います。2017年5月にリリースしたルクラが足掛かりになりそうです。
Gunosyの情報を世界中の人に最適に届けるというビジョンからも、ブロックチェーンやAI技術を生かした生活密着版じげんのような総合メディアが未来なのかと思います。
リアルと統合するYahoo
Yahooといえば、「あ、ここでYahooIDにログインするのか」と思う場面は多いはず。メディア事業、コマース事業の親和性を考えると、スポーツナビでプロ野球観戦のチケットが買える、それでTポイントが貯まる。Yahooで全て解決する。総合力での戦いになるように思います。
この領域は楽天やリクルートを筆頭に、子会社を含めた親和性がどこまで担保できるかで、どのサービスを使うかが決まると思います。(今回は楽天とリクルートまで分析してません)
どの企業も総合力と信頼の戦い
まとめると、このようになりますね。どれだけ横に事業を大きくし、シナジーを生んでいくことができるかが、参入障壁を高くし強固なポジションを築くためのポイントのように思えました。
本日は以上になります!ありがとうございました!新卒23歳の独り言なのでうのみにしなきよう。IR情報面白いのでぜひ見てみてください!では!
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