【コラム】コロナ禍の「私」〜元スーパー店員の話
今日も一日お疲れ様です。見ていただき誠にありがとうございます。
年末というものは一年(今年)の振り返りをするものですが、生憎私は初風俗以上の話を持ち合わせておりません。
ので「この記事に便乗してくれる人いたらいいな〜」なんて感覚で、2020年4~9月辺りを2023年末の今、思い返し語りたいと思います。
経緯
私は先日、人生で初めて風俗店に行った。弾む話題が欲しかったので「コロナが一番ひどかった時どうだった?」という切り出しで始められないかと考えていた。
結局、絶対暗い話になるし笑い話にはできないな…と思ってボツにした。当日話題に困るなんてことは無かった(杞憂だろこのクソコミュ障が)
せっかく思い出したのに誰とも意見交換や共有が出来ないのは勿体ないなと思い、今に至る。(決して「毎日投稿したいけどネタが無くなってきて困っている訳では無い」)
2020年4月 大学1年 小型スーパー店員
…なんかこういう要素がある漫画あるよね
私りょーまは2020年当時高校卒業→アルバイト先内定→大学入学というステップを踏んだばかりであった。
アルバイト先は「某小型スーパー」で、丁度いいイラストが見つからなかったのだが更にアクリル板でレジが武装され感染症対策には先駆けて気を遣っていた。
店員は「マスク」「三角巾」「ビニール手袋」のフル装備で、時間を見つけては小銭トレイと台、カゴのアルコール除菌清掃を徹底していた。
「コロナ禍は最悪だった」「むしろコロナ禍に助けられた」「今思えばなんてことなかったな」
2020年の自身の生活がどうだったかは人それぞれだと思う。私は小型スーパーの店員として働いていた立場から「辛いコロナ禍を過ごした人間の一人」として情報発信をさせて欲しい。
レジ店員=腫れ物
私が勤務していた某小型スーパーは、店舗の内装・内容としてはほとんど大手コンビニチェーンと何も変わらないのだが、企業理念から「一般的なコンビニエンスストアよりも遥かに接客に力を入れている。」
コロナ禍ではそれが悪い方向に働いたのだが、「にこやかに」「ハキハキと」「(困っているお客様には)率先して」丁寧な接客をというのが特色である。(辞めた現在でも客として利用するが、店舗によってはあまりそれが感じられない…)
コロナ禍、それはマスク生活の徹底。どんな些細な「接触」行為も感染し得る恐怖。著名人を死に追いやった存在。給与の激減、身内の苦難…
様々な要因により、誰もが心の余裕を失っていた。
そんな彼らに私たちは、ある意味では無神経とも受け取れるような「マスク越しの笑顔」を向け、聞き取りやすいように大声で接客をしていたのだ。
好転する見込みの無い日々を送っていた中、心に残る一日があった。いつものようにレジをさばいていると
「こんにちは、いらっしゃいませ!レジ袋はご利用ですか?」
……
自分が持ってきているかどうか確認している場合もあるので無視されたからといってここで固まらず、とりあえずレジ打ちを進める。
「以上で△△△円でございます…あっ!エコバッグ持参頂きありがとうございます!こちらの方でお入れしますね」
その店舗では全国一律でのレジ袋有料化(2020年7月頃?)の導入以前より、レジ袋の有料化と「エコバッグ持参でポイント付与」を行っていた。
………ゴソゴソ(自分で詰め始める)
(初めのやり取りで聞くのを忘れてしまっていたので)「あの、ポイントカードはご利用ですか?」
スーパーは今この形式の方が多い?詳しくないのだが、客からポイントカードを受け取り、それを商品と同じようにスキャンすることでポイント付与の有効化を行っていた。
ここでジェスチャーが入る。
マスク👈
その時の私には「(ピークタイムで)L字の行列出来ちゃってるし早くしないと…ポイント後付け出来ないから揉めないようにしっかり確認しないと」という意識しか無かったので、自己中心的に
「…ポイントカードは…」と再び切り出す
同じように
マスク👈👈👈
このジェスチャーを先程よりも念を押され、意味を測りかねている内に全て袋に詰め終わり去ってしまった。
「…ありがとうござ…いました」
「ありがとうございました、またお越しくださいませ(礼)」礼の部分は混雑時やらないが、必ず言う言葉がその時は上手く出なかった。
あのジェスチャーの意味について考える間もなくピークタイムの「レジから一秒も離れられない」時間を過ごし、数時間して閉店しその日の業務を終えた。
振り返るとあれは
「コロナ 感染 話しかけるな/話させるな」
と伝えたかったのだと気付いた。私はグズなので冷たい言葉を投げかけられる場面もあったが、コロナ禍において「スーパー店員が腫れ物扱いされた」事実には深く傷ついた。
もっと開き直った場面もあった。
きっと私と同じような若いアルバイトに乱雑なサッキングをされて嫌な思いをしたのだろう。私が通し終えた商品を奪い取るように忙しなくエコバッグに詰めていき、会計を終えると瞬く間に消えていった人もいた。
ここで挙げた例は「(コロナ禍の)レジ店員の苦悩を伝える」には適切でないのかもしれないし、この程度を「コロナ禍の辛い話」として紹介するなと思われる方もいるかもしれない。
ただ私自身がコロナ禍だけでなく様々な要因により精神が不安定であった時期がまさに「第1回緊急事態宣言〜解除」の辺りであったため、特に悪い思い出は今でも心の傷として遺っている。
緊急事態宣言期間中の業務では、「ああ、俺たちは出来の悪いアンドロイド程度の存在としか思われていないんだな」としみじみ思わされた。
ここまでご覧いただき誠にありがとうございました。回想なのでいつも以上に言葉足らずな部分や、描写が足りない部分が多々あったかと思われます。細分化してシリーズにする方が書きやすいなと途中から感じてきたため、ひとまずパート1(仮)はこれで終わりにしたいと思います。
では、またどこかで。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?