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選挙制度の崩壊
東京15区補欠選挙・都知事選挙によって現行の選挙制度の欠陥を突く候補者が多数現れました。
問題点
➀候補者による他候補者への演説妨害
②政治運動と選挙運動の区別
③掲示板の掲載権利売買
➃ポスターの内容
➄公職選挙法の形骸化
➀候補者による他候補者への演説妨害
東京15区補欠選挙で行われたので知っていたり、覚えている方も多いでしょう。
・公共物に登って他候補の演説に被せる。
![](https://assets.st-note.com/img/1719847510288-1hBtMMBHQ5.jpg?width=1200)
・街宣車で演説している他候補の近くで鳴り物を鳴らす。
![](https://assets.st-note.com/img/1719847589314-ndsCbNxhx0.jpg?width=1200)
・他候補の街宣車を追いかけ続ける。
②政治運動と選挙運動の区別
事前運動は公職選挙法上で認められておらず、「事前運動の三要素」に該当するかどうかで判断されています。
「選挙が特定されること・候補者が特定されること・投票を得るための働きかけ全般」
「七夕に予定されている東京都知事選挙に蓮舫は挑戦をします」
— 藤江@日本人、謎の大量死※コロナでは説明できない (@JINKOUZOUKA_jp) June 3, 2024
「みなさんのご支援どうかよろしくお願いします」
「みんなで蓮舫さんを勝たせましょう」
完全に選挙の事前運動(公職選挙法違反)に思えるのですが・・… pic.twitter.com/9JYiMjEj5f
また、選挙期間だとビラ配布に制限がかけられます。
証紙を貼っているビラ(証紙ビラ)は枚数制限があります。
対して、確認団体ビラは枚数制限がないです。が、候補者の氏名や写真は使えません。
こちら、大島で配布されているチラシ。蓮舫さんを支援する前川喜平さんが昨日ツイートしたばかりの「八丈島まで行かなければ会えない小池さん」のくだりは一体、何だったんでしょうか。しかも、候補者の氏名・顔写真も載せた法定外文書、公職選挙法違反です。発行元は、日本共産党大島南部後援会です。 pic.twitter.com/Gzo9FclNyD
— おじま紘平(東京都議会議員・練馬区) (@ojimakohei) June 23, 2024
③掲示板の掲載権利売買
一政党が候補者を多数擁立し、ポスター掲示板に好きなものを貼れるように権利として寄付を募るツールにしてしまいました。
![](https://assets.st-note.com/img/1719848823115-VlHuUa5Uyv.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1719848856456-y2ivdlPkMD.jpg)
➃ポスターの内容
街中の公共に掲示するのは非常に不適切なポスターが貼り出されました。
(後に、警察から警告のため撤去済み)
![](https://assets.st-note.com/img/1719849182781-6lI5GeaGVS.jpg?width=1200)
➄公職選挙法の形骸化
➀で挙げたような演説妨害事例は選挙期間中に取り締まることが出来ず、選挙後に逮捕となりました。
また、②の事前運動や戸別訪問と捉えられる行為事例に対しては現在(執筆時)のところ特段の対応は取られていません。
ひらこう。新しい東京、新しい未来。
— 原田ひろみ🕊日本共産党 (@hiro027kiyo) June 20, 2024
割り当てられたポスターを貼って歩きました!
普段からポスターお願いしている所にも、#蓮舫 さんの支持をお願いしながら訪問。どこのお宅も「始まったね、貼って良いですよ」「知事は変えたいね」と。#オール東京 でがんばろー‼︎‼︎‼︎#東京都知事選挙 pic.twitter.com/iC4YTk8rri
#蓮舫のなかま
— 川内博史事務所【臥薪嘗胆】 (@office_kawauchi) June 24, 2024
蓮舫さんを勝たせるために
みんながやれることをやろう。
川内ひろしは
歩いて、話して、お願いします。
うぇ~い!#蓮舫がんばれ pic.twitter.com/w0IWXdruxX
①〜⑤のうち①のみ逮捕にまで至りました。
また、④も候補者に対して警告が行われ、撤去するに至りました。
しかし、その他の事例においてはなんの対応もなされていません。
【参照すべき条文】
公職選挙法
第二百二十五条(自由妨害罪)
選挙に関し、次の各号に掲げる行為をした者は、四年以下の懲役若しくは禁錮こ又は百万円以下の罰金に処する。
一 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき。
二 交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀き棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき。
三 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者若しくは当選人又はその関係のある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の利害関係を利用して選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人を威迫したとき。
第百二十九条 (事前運動禁止)
選挙運動は、各選挙につき、それぞれ第八十六条第一項から第三項まで若しくは第八項の規定による候補者の届出、第八十六条の二第一項の規定による衆議院名簿の届出、第八十六条の三第一項の規定による参議院名簿の届出(同条第二項において準用する第八十六条の二第九項の規定による届出に係る候補者については、当該届出)又は第八十六条の四第一項、第二項、第五項、第六項若しくは第八項の規定による公職の候補者の届出のあつた日から当該選挙の期日の前日まででなければ、することができない。
第百三十八条(戸別訪問禁止)
何人も、選挙に関し、投票を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて戸別訪問をすることができない。
2 いかなる方法をもつてするを問わず、選挙運動のため、戸別に、演説会の開催若しくは演説を行うことについて告知をする行為又は特定の候補者の氏名若しくは政党その他の政治団体の名称を言いあるく行為は、前項に規定する禁止行為に該当するものとみなす。
ここで再び問題点を掲載します。
➀候補者による他候補者への演説妨害
②政治運動と選挙運動の区別
③掲示板の掲載権利売買
➃ポスターの内容
➄公職選挙法の形骸化
➀の他候補への妨害行為が発生した際に各党から公選法の改正に向けた議論や法案提出がありました。
ただ、②政治活動と選挙運動の区別や➄公選法の形骸化についても現状の公選法ではややこしい等の理由から守られていないこともあると思うので明確化したうえでもっと踏み込んで法整備するべきだと思います。
③掲示板の掲載権販売や➃ポスター内容に関しても変えていくべき部分が多いと思います。
ただ、現状ではどちらも法的には問題はありません。
例えば、掲示版のポスターに掲載できるのは候補者本人だけで顔写真のみのように制限することは可能でしょう。
ですが、そうすると憲法21条の表現の自由との兼ね合いを考える必要があります。
第二十一条
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
② 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
ただ、だからと言って何をしても良いということではないと思うので難しい問題だと思います。
本人たちのモラルに頼って成り立っていた選挙制度が維持できなくなりつつあるのは残念ですが、それに合わせて法律も柔軟に変えていかざる負えないでしょう。
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