0.03ミリの隔たり【短編小説】
1 0.03ミリの隔たりが僕と彼女の住む世界をつなげていた。
ここに来れば何か変わるかもしれないと期待していた身勝手な欲望は、自分の願望が高すぎたせいで想像よりもはるか下をなめるように這っていた。どこか違うような気もするセックスに、それでも僕は夢中になっていた。
2 当時、障害を負い中途半端な体になった僕は汚い方法でもいいから女性の身体で射精がしたかった。性欲を充たすには画面の向こうで喘いでいる女性を見るほかに方法がなく、毎日のように精液をティッシュにくるむ性活を送ってい