A framework for PM skill development | Vikrama Dhiman (Gojek)
ジュニア・ミドルPMからシニアPMへ成長したい人へ、特に刺さる内容でした。忙しい人はこちらをおすすめ
"3W"
優れた企業, 優れたPMは以下の2つか3つともをうまくこなしている
What you produce(何を生産するか)
まず最初にアウトプットから始め、次にアウトカムにフォーカスする
戦略に時間をかけすぎる前に、確実に実行できるようにする。
初期のキャリアでは、製品要求文書(PRD)や戦略ドキュメントといった具体的なアウトプットを出すことなど、あらゆる実行の重要性が強調される。
そして慣れてくるとどのアウトプットが必要かを選択して集中することができるようになる、それがアウトカム創出への移行タイミングである。
最初からアウトプットか成果のどちらか一方のみに集中しすぎると、キャリアの成長が阻害される可能性があるので、この2つの間を効果的に移行することが重要である。ただしどのキャリア段階でも最終的に実行(アウトプット)は重要である。
What you bring to the table(何を持ち込むか)
フォーカスしなくてはならないアウトプット、議題、戦略が何かを洗練させること。基準を引き上げる高品質の成果物を生み出すことが重要である。
PRDの品質は十分に優れているか?
大抵の誤ったPdMの場合、PRDに少なくとも一部の問題がある。一貫した戦略・PRDになっているか?各アウトプットはPRDから逆算して実行されているだろうか?JIRAのようなツールや優先順位リストが空だったりタイトルだけで十分な説明がなされていない状態になっていないだろうか?ステークホルダーにちゃんと納得感を持って伝えられているだろうか?「データと指標」「デザイン・リサーチ」「技術」「戦略」の各重要ポイントが押さえられているだろうか?
What's your operating model(運用モデルは何か)?
コミュニケーション、コラボレーション、組織スキル、コミュニティスキル
について。重要な3つの原則がある。
「困難になることなく、難しい問題を提起する」
「自分自身を重要視することなく、重要なトピックを持ち出す」
「自分自身ですべての決断を下すことなく、決断を下す」
pushback(反発)をうまくやる
会話のテンポを感情的な空間からより論理的な空間に持ち込む
優れたPMはpushback(案に反対したりすること)をうまくこなしている。誰かの邪魔者になるのではなく、リーダー、関係者、プロダクト、そして自分自身が要求する全てに実際に価値を提供できるように、pushbackを実行に繋げている。
そのためには、時には感情的に主張することも有効であるが、それを論的的にかつ対等な議論になるように、ロジカルなスペースに落とし込むこと(テンポダウン)が必要である。
以下のような明確な質問を用いることも有効である
なぜこれが突然重要になったのでしょうか?
明確にするために、xyz を明確にするのを手伝ってもらえますか?
成功とはどのようなものでしょうか?
どのくらいの期間にこれが必要ですか?
PMのキャリア形成を妨げる障害について
自分でコントロールできるものに焦点を当てる
初期のキャリア形成期は、「自分は何をやるべきか?これをやっていいのか?」という問いが多く、ほとんどのことは自分のコントロール範囲内に収まる。しかしミドルへ成長していくと、「なぜ組織は自分のためにこれをやってくれないのだろう?なぜステークホルダーは思った通りに動いてくれないのだろう?理想のプロジェクトに取り組めないのはなぜなのだろう?」と自分のコントロール範囲外での問いが多くなる。
キャリアのどの段階に入ったとしても、自分でコントロールできるものに集中し続ける事が重要である。全てとは言わないまでも、あなたのキャリアに影響を与える多くのことは、自分のコントロール範囲内のはずである。そこで3Wを意識して、やるべきあらゆる事にフォーカスすれば、あらゆる段階で成長が起きるだろう。
変化と自分の関係性は何か?
ジュニアPMの時は全てのことで成長速度は速く、半年で色んな事を学ぶようになるだろう。しかしミドルへ成長すると、「なぜこれをやるべきなのだろう?本当にこれは必要な事なのだろうか?」と疑問が生まれ、成長は停滞することに気が付く。
「変化率」を高めるために何ができるかを常に確認することが重要。変化率に焦点を当てることで、成長率も自動的に調整されるだろう。
そのための最も簡単なことは、業界の最高水準の企業をベンチマークにすること。そうすると自動的に、何を行う必要があり、何を改善すべきかが見え始める。時にはチームの変更や会社の変更も必要になるが、それは最後の結果になるはずである。
自分自身をどのように見ているのか?
自分をどのように捉えているか、が成長の制限になることもあれば、促進することにもなる。
多くのPMは「自分は行動力の優れたPMです」とか「自分は非常にコラボレーティブなPMです」とアピールするが、これらは単なるシグナルではなくアンチシグナルでもある。行動力が優れているとアピールするPMは、どこか生意気で時に手を抜いたりする事がある。協力的なPMだとアピールするケースでは、決断力がなかったり迅速に行動できなかったりする人が多い。
自分自身に伝えているストーリが何なのか、を正確に確認する事が重要。
それは基本的なレベルであなたを定義していて、フレームワークやストラクチャーで修正することは難しい。それを正しく理解していない場合は、あなたが信頼する人に尋ねて、修正するのがいいだろう。
他のシニアPMに打ちひしがれる時
自分はあんな風にはなれない、と思う人へのアドバイス。
PMに必要なスキルは非常に多岐に渡るため、まずはある1つの領域に特定して改善を図ろうとすること。全てを改善しようとしても圧倒されてしまうだろう。まず自分が最も引け目を感じる部分に特定する。
また、実際に得られるフィードバックを重宝してオープンになること。フィードバックを受けるのは時としてしんどいが、必ず改善のきっかけになる。「ありがとう!とても参考になったよ」と相手に常に感謝を伝えてオープンにフィードバックを受けるようにする。
8つの領域、「データ」「デザインとリサーチ」「テクノロジー」「戦略」「コミュニケーション」「コラボレーション」「組織スキル」「コミュニティ」がある。
コミュニケーション、コミュニティ、コラボレーションなどのソフトスキルは生涯にわたって改善を続ける必要がある。
その他については、何が自分のキャリアに最大限の影響を与えるかを理解する必要がある。
おすすめとしては、「データ」または「テクノロジー」のいずれか1つを選択し、「デザイン」「リサーチ」「戦略」のいずれか1つと組み合わせる。
プロダクトマネージャーの仕事とは何か?
企業によって様々だし、企業内でも部署やチームによって様々であることを認める。また、ステークホルダー(マネージャーやリーダー)の理解や期待にも関係する。その上で、
プロダクトの進歩を妨げるものがあれば、PdMがそれに取り組むべき
また、練習することでのみ、それは上達する。
プロダクトマネージャーの仕事は何か、を定義することよりも、
あなたが何を寄与して、何をアウトプットするのか、
データやデザイン、技術、戦略へのアクセスに貢献しているかどうか、が重要。各領域を結びつけることも重要。
ただ、他の全ての人とペアになるのはあなただけなので、
チームの他の誰もが持っていない独自の洞察力を持っている。
それは、必ずしもプロダクトマネージャーと呼ばれる必要はない。
意図だけでは不十分である
「意図が正しければ、あなたの言葉やコミュニケーションの一部が欠けていたとしても、いつかうまくいくだろう」という考えは誤り。
行動、振る舞い、コミュニケーション、コラボレーションの方法、あなたが誰であるか?に気をつける必要がある。