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【オススメ本】ノンデザイナーズ・デザインブック


デザインという言葉を聞くと、多くの人が「センスのある人しかできないもの」と感じるだろう。
実際、僕も以前はそう思っていた。
「デザインなんて、特別な才能がある人だけの領域でしょ?」と。
だが、現代社会ではデザインはもはや一部のクリエイティブな職業に限られたものではない。
むしろ、ビジネスの世界や日常生活において、誰もがデザインに触れているし、関わっている。
名刺やプレゼン資料、SNSの投稿に至るまで、見た目を意識しない場面はほとんどないのだ。
デザインとは程遠いように見える、僕たち会計士の世界も例外ではない。

そんな僕が最近手に取ったのが、ロビン・ウィリアムズ著の『ノンデザイナーズ・デザインブック』だ。
この本のタイトルには「ノンデザイナーズ」とあるように、デザインの専門知識がない人でもデザインを理解し、実践できるように書かれている。
実際に読み進めてみると、その内容のシンプルさと論理性に驚かされる。

僕は今まで、「デザインは感覚の世界であって、どうやったって素人には無理」と思っていたが、この本を読んで考えが180度変わった。
ウィリアムズはデザインを「センス」ではなく、「論理的で言語化可能なスキル」として捉えている。
そしてそのスキルを、誰でも身につけられるように明快に説明している。
デザインが学問のように教えられるなんて、僕にとっては目から鱗だった。

この本で特に重要なのは、デザインの4つの基本原則だ。
ウィリアムズは「コントラスト」「繰り返し」「整列」「近接」という4つの概念に基づき、効果的なデザインを作る方法を解説している。
これらの原則に従うことで、デザインの仕上がりが飛躍的に向上するというのだ。
たとえば、「コントラスト」は文字や色を際立たせる技術であり、「整列」は要素を視覚的に秩序立てるためのルールである。
こうした具体的な指針があることで、デザインが「感覚」ではなく「理論的な手法」であることがよく理解できる。

特に興味深かったのは、ウィリアムズが豊富なビジュアルを使って、原則に従ったデザインとそうでないデザインを比較している点だ。
例えば、ある広告のビフォーアフターを示し、どの部分がどう改善されたのかを具体的に解説している。
これにより、読者は理論を学んだだけではなく、それが実際にどう機能するのかを目で見て確認できる。
これほどまでに納得感のある解説書はなかなかない。

さらに、文章量が少なく、図や画像が多用されているため、本書は非常に読みやすい。ビジネスパーソンが忙しい中でも手軽に読めるのが嬉しいところだ。まるで視覚的なガイドブックを読んでいるかのような感覚で、ストレスなくページを進められる。
僕自身も仕事の合間に少しずつ読み進めることができ、気がつけばすっかり夢中になっていた。

しかし、本書の魅力は読みやすさだけではない。
実用的な辞書としての機能も見逃せない。
具体的な事例が豊富に掲載されているため、実際にデザインを手がける際には、すぐに参照できる。
僕も、スライドや資料を作成するたびに、この本を開いて確認している。
単なる理論書ではなく、実務に直結する手引書なのだ。

『ノンデザイナーズ・デザインブック』を読むことで、「デザインはセンス」という固定観念は崩れる。
そして、「デザインは技術」であり、それは誰にでも身につけられるものだということに気づかされる。
本書はデザインの世界への入り口として、あらゆる人にとって有益な一冊であることは間違いない。

もし、あなたが「デザインなんて無理だ」「自分には才能がない」と思っているのなら、ぜひこの本を手に取ってみてほしい。
きっと、デザインの楽しさとその力を実感できるはずだ。



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