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エクセルなき時代の財務マスター 二宮尊徳の魅力
僕は公認会計士として日々数字と格闘しているが、たまには歴史の中に隠れた会計の知恵を探る旅に出るのも悪くない。
日本の歴史の中には、意外と知られていない、経営の達人がいる。
そんな偉人の1人が、あの薪を背負った少年、二宮金次郎こと二宮尊徳だ。
小学校の校庭にある銅像を思い出して欲しい。
本を読みながら薪を背負う、その姿勢からは「勉強熱心」というイメージしか湧いてこないかもしれない。
だが、実はこの人物、現代でいうところの「財政再建コンサルタント」だったのだ。
え?薪を背負ってるアノ人が?
そう。驚きでしょ?
二宮尊徳は、なんと600以上の村の再建に貢献したと言われている。
今で言えば、倒産寸前の会社を次々と再建していくような凄腕コンサルタントだ。
しかも、単に再建するだけでなく、自らの資金を投じて村を立て直す「エンジェル投資家」的な一面も持っていた。
現代の価値に換算すると、なんと100億円規模のお金を動かしていたそうだ。
僕なんか、税務申告の際の1円の誤差に一喜一憂している身だから、その桁の違いに震えが止まらない。
さらに驚くべきは、二宮尊徳が当時としては画期的な「利息」の概念を取り入れ、相手先ごとに利息を計算・管理していたことだ。
エクセルもない時代だぞ?!一体どうやって管理していたんだろう。
想像するだけで頭が痛くなりそうだ。
お金を貸して利息をつけて返してもらうというこの手法は、現代の信用金庫のルーツになったと言われている。
これもまた驚きを隠せない。
そんな二宮尊徳の考え方は「報徳思想」として今も多くの経営者に影響を与えている。
僕も最近、小田原にある報徳二宮神社に参拝してきた。
神主さんから聞いたエピソードの数々に、会計士としての自分の矮小さを痛感。
数字の奥にある「人」の存在を忘れてはいけないと、改めて気付かされた次第だ。
ところで、二宮金次郎と聞いて、小柄なイメージを持っていないだろうか?
実は彼、身長185cm、体重95kgの巨体だったそうだ。
平均身長が150cm台だった時代、まさに「巨人」。
薪を背負いながら本を読む姿を想像すると、ちょっと笑ってしまう。
そして、最後にちょっとした現代のジレンマを。
最近では、二宮金次郎の銅像が「歩きスマホ」を連想させるとして問題視されているそうだ。その結果、金次郎さんが座っているバージョンも登場。
時代と共に変わる解釈の面白さを感じずにはいられない。
江戸時代の財政再建コンサルタント兼エンジェル投資家、二宮尊徳。
僕たちは彼から学ぶことがたくさんあると思う。
僕自身は、会計士として単に数字を扱うだけでなく、その背後にある人間の知恵や工夫を学ぶことも大切だと思った。
彼の生き様が書かれた「報徳記」もぜひ読んでみて欲しい。
二宮尊徳の生き方から、現代のビジネスにも通じる深い洞察が得られるのではないだろうか。
次は誰の人生から生きる知恵を学ぼうか。
そんなことを考えながら、今日も僕はエクセルと向き合う。
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