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明治神宮外苑 100年のビジョンと文化のあるひろば

Facebook post. 6/29 .2023


セントラルパークと明治神宮外苑


ニューヨークがまだぐちゃぐちゃで治安が悪かった1970年代、荒廃していたNYセントラルパークの中にビルや遊園地をつくる幻の「マネタイズ計画」が進んでいた。

しかし市民のパワーでそれはストップ。
民間に公園を売り渡すのではなく、代わりにセントラル・パーク・コミュニティ基金が設立される。

そしてNY市側は、市民委員会チームを公園運営側の主体に任命。セントラルパーク維持管理を市民参画型※ にする組織運営にした。
(※非営利団体:セントラル・パーク管理委員会)

「セントラルパークのどまんなかにビルは建てない。」
これこそ ニューヨークの矜持。

確かに、ウォール街の象徴されるような金融危機を招く危うい都市でもある一方、 「くらしの主役は市民」、そう腹で知っている人たちが当時たくさんいたのだ。


場所は変わり、
東京・明治神宮外苑の樹木を切り倒して 高層ビルをたてる再開発(乱開発)について。

聖徳記念絵画館前の広場。夕方や週末は子供たち・若者たちの遊び場。


個人的な話ですが、ぼくは上京して数年後(25歳くらい)から、明治神宮半径2km圏内を「東京の拠点」にしてきました。表参道〜千駄ヶ谷〜代々木公園〜代々木上原。だから 弊社PARK STARS も 青山一丁目です。

20年間の暮らしとあそびとおしごとで育んだここの地域へのリスペクトの理由、それはまさにここが「コモンズ」な場所だからです。

空が広く自然と公園と庭園と並木が混ざり、国際色と伝統色が混ざっている地域。過去の人たちが明治からボランティアとビジョンを持って育んできた地域。

市民のちからは、すんごいんだぞ。そういう場所なのです。


このひろば、いったい誰のためのものか


明治神宮内苑の森が、いきものの宝庫なら
明治神宮外苑の杜は、文化と森とひろば。

どちらも ボランティアで作られ
どちらも 100年後の人たちへの眼差しがあり
どちらも 国有地だったもの。(いまも一部は国有地だし)。

決して現在の土地所有者である明治神宮がゼロから「作った価値」じゃない。第二次世界大戦のあと、政教分離のために国有地から 明治神宮の持ち物になっただけ。

100年かけて この森とひろばをつくったのも育んだのも
「みんな=市民」だ。だから尊い。

所有者である明治神宮も、心ある中の人たちのほとんどは知っているはず。

聖徳絵画館は2011年(平成23年)に重要文化財に指定。絵画館のほか、この丸池(噴水付、腰掛4台を含む)なども重要文化財の附(つけたり)として指定されている。


しかし誰も気づかない間に、きな臭くなってくる。

調べていくと、東京オリンピック招致を招致し始めた20年前から(2005年 9/20日都議会で正式表明)画策が始まった。

この神宮外苑エリアは、聖なる場所どころか、ズブズブの土建屋案件に。

気がつけば現在、毎年4億円の黒字だった国立競技場を壊して毎年10億円の赤字の新国立競技場に。オリンピック限定だったはずの高さ緩和をそのままにして、そこに「公園まちづくり制度」を使い、容積率を利用して超高層ビルを3本建てようとする。 

・・・というより 誰も知らないところで、こういう仕掛けが出来上がっていた。

世界的にも歴史あるボールパークを壊し
ラグビーの聖地も壊して、
謎の「コンサートホール」をつくる ?

誰でも使えるバッティングセンターやテニスコートを壊して、高級会員制テニスコートをつくる ?

100年の大木を切り倒し、小さな木を屋上緑化で植えたことにする?

地域住民に計画を隠して、数年前にざっくりだけ発表。

さかのぼると、2020東京オリンピック招致より前に地上げと再開発の大きなお金が動いていて、ラグビーWPと東京2020をうまく制度変更の隠れみのに使った流れが見えてきます。

環境アセスも実質的に行っておらず、国際影響評価学会(IAIA)日本支部は都に工事の中止指示などを求める勧告を出しています。

▼ 署名「神宮外苑1000本の樹木を切らないで~再開発計画は見直しを!」

▼ 有志WEBサイト


▼ 6/29 周辺住民ら 訴訟の第1回口頭弁論

 

未来の子たちに届けたいのは、高層ビル群か大樹の木陰か



NY市民は、セントラルパークのどまんなかにビルは建てなかった。
「暮らしの主役は市民」
そう知っている人たちがたくさんいたからだ。

セントラルパークでできたことは、東京のどまんなかでも できるはずだ。


100年のビジョンと文化のあるコモンズ的なひろば「明治神宮外苑」は、市民と行政と明治神宮が共同運営できるようコモンズ的な運営モデルが望ましいはずです。
政教分離が必要なら、明治神宮は維持運用予算を開示した上で、基金や第三者機関をつくるなどが広く議論されるべき。


「セントラルパーク」、「明治神宮外苑」、

これらをあなたなりの身近な「コモンズ(共有財)」に置き換えてみてもらいたいです。似たようなことが、日本のあらゆるところで起きているのですから。

これからの暮らしの主役は、だあれだ。

▼ ぼくなりの視点で 神宮外苑の「コモンズ性」を現地解説。

5月のテーマは、豊かなコミュニティに欠かせない「コモンズ」の在り方と関わり方について。再開発着工に伴い、海外メディアからもそのあり方を問われる もうすぐ100年を迎える東京 明治神宮外苑から、幸田リョウがレポートを交え語っています。



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