見出し画像

事業の拠点ついて


場所、どうしようかなぁ


わたしは前述の通り、学生の頃より札幌市すすきの地区でお仕事のご縁をいただき、その後紆余曲折はありつつも、何かとすすきの地区とは切っても切れない縁があります
 
いわゆる「すすきの」という単語が持つ猥雑なイメージはもちろん皆さまの知る所ではありますが、もともとは明治時代より「歓楽街」として発展してきた側面もあり、わたしが学生の頃はまだ「健全なエロさ」と言うか、「ポジティヴな風俗感」と言うか、フランスにおけるアールヌーヴォー時代に、のちの著名芸術家が入り浸るキャバレー(cabaret)のような、熱狂と喧噪の中に大人の社交場としての上質な嗜みの場があちこちにあったように思います
 
その後、景気の後退なども手伝って、あまり心の余裕を感じさせない、より生々しく効率的な風俗の場の比率が増えていき、ちょっとネガティヴなイメージが増していってしまったような気もします
 
とは言え、限定的なエリアにひしめく様々なお店で、たくさんの人々があちこちで夜な夜な色んな酒を愉しむ夜がエンドレスに続く、独特の熱気が籠る結界の中で酒を生業としながら中々に楽しい日々を過ごしてきました
 
 
此度の独立・開業にあたり、まずは拠点どうしよう?となるのですが…
 
長らくお世話になった札幌にはご縁をいただいたお客さまがたくさんいらっしゃいます
自身で事業を進めるにあたり、これまで縁をいただいた皆さまへの恩返しはどうしてもやり遂げたい

 
効率や利便性を考えると札幌での拠点取得一択にはなりますが、自分の中でどうしても「より本質に近しい環境の中でワインを扱いたい、育てたい」という思いがあり、その要素を叶えるとなるともう少しのどかな環境を求める事となってしまいます
 
完全舗装の中、計画的に少々の植物が配置され、次々に取り壊されては再開発されるビル群と、次々に更新される電子機器に囲まれた都市環境より、
山を背負って森と畑に囲まれ、通り過ぎる風に土と生き物の営みを香るような、拠点から徒歩一分で暮れゆく空と田んぼのコントラストを眺めていられるような、そんな環境のもと、純農作物としてのワインを扱っていきたい
 そんなわがままを実現する為に、都市部ではない場所を探し始めました

札幌以外…?

 
わたし自身は出身が函館で、高校卒業(+浪人一年間)までずっと函館で過ごし、進学と共に札幌へと移り住み、現在に至ります
 
妻とはその過程(初期)で出会い、なんやかんやで今でも側にいてくれています
 
自分と同じく進学と共に札幌で出てきたクチで出身は秋田県、その中でも周囲を地平線まで田んぼに囲まれる米どころ出身、赤いほっぺの(元)田舎娘さんです
 
結婚を機に秋田への行き来が始まり、当初からその郷愁性を伴った里山景色には心惹かれるものがありました
 
また、自分自身も函館出身とは言いつつ、ルーツをたどると津軽に繋がったりする身の上だったりもあり、「東北」に対するシンパシーはずっとあったように思います
 
 
ご存知の方も多いと思いますが、秋田は全国でも有数の「米どころ」
かつ日本酒の優れた蔵元が県内に多数点在する「酒どころ」でもあります
 
 
なのでお酒の愉しみを知る「呑み助」がたくさんいる最高なエリアです
 
ただ、酒どころが故日本酒が強すぎるのか、東北でも隣接するエリアに比べワインはなかなか根付いていないように見受けられます
 

美食の国、秋田

 
北海道=食材の宝庫
素材のポテンシャルは誰しもが認める所
 
そんな場所にずっと暮らしているとそのありがたみが麻痺してしまうという贅沢な状態になりがちで、時たま外に出て水を飲んだり野菜を食べたりするとハッとさせられるのは「あるある」なのかな、と
 
意識的ではないにせよ、「北海道=有数の素材王国」という、自身は特段努力しなくても、豊富すぎる素材の良さに寄りかかる自尊心や優越感めいたものを持っているのが道民気質、と言ってしまうとお叱りを受けてしまうと思いつつ、自分自身はそんな認識のような気がします
 
そんな中で秋田の食に触れる機会があったのですが、これがまた驚きの連続でした
 
まず食材そのものが見た事の無いものばかり
初めましてな山菜の数々、馴染みの無い魚介類、山の肉類…

調理法も特段凝ったものではなく、シンプルですが滋味深い優しさと奥行きを感じさせる心休まる味わい

「あぁ、これは知られざる独立食文化だなぁ」というファーストコンタクトでした
 
 

秋田、おもしろくない?

 
そんな独自の文化がありながら、今一つ伝わり切っていないように感じる秋田の食文化の魅力
でも、環境・人共に暖かくて穏やか、そして何より皆さんお酒が大好き…

そんな環境に身を置きながら、丁寧にワインと食をお伝えしていけたら…
 

これはもしかしたら、もしかするのでは…
 

と、いう流れで「秋田での拠点づくり」を目指す事といたしました
 
とは言え、これまでお世話になった方々とのご縁を蔑ろにするつもりはもちろん無く、軸は秋田に置きつつも、こまめに札幌での活動も行っていくような、二拠点的な展開を計画しております
 
具体的なお話はまた追々…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?