創発的戦略/エマージェントストラテジー
先日の大学院の授業で聞いた言葉。
「エマージェント・ストラテジー」に関しての一考察です。
言葉としては初めて聞きましたが、内容というか、考え方については共感し、これまでも個人として実践してきている生き方に近い内容だったので理解しやすかったです。
そしてフリーランスという生き方、働き方との相性の良さがあるのだなとあらためて実感したのでした。
個人的社会実験の積み重ねの先に、見出せる価値の一つかもしれないなと。
そんな考えていたことを、今回はみなさんと共有したいと思います。
エマージェント・ストラテジーとは
授業の中で経営戦略に関する話題になったところで出てきた言葉です。
(この授業自体は別のタイトルがついていて、経営戦略論はまた別のクラスがあります)
英語で書くと
emergent strategy
緊急時戦略とかそういう風に訳すのでしょうか。
emergent situation だと緊急事態だそうで。
たぶん緊急時戦略とかでいいんでしょう。
授業の中では、それをことさらに取り上げて教材にしたという感じではなくて
雑談の延長で、これからの時代は
そして個人としての生き方や大学院生としての未来戦略を考える上でも
このエマージェント・ストラテジーな姿勢が重要ですよというニュアンスの話でした。
「戦略を持たない戦略」であると、教授は説明しておられました。
なので何事もチャンスととらえて行動することの大切さや。
出会いがしらのできごとを活用すること。
古い生き方に凝り固まることのないように。
といった話をされていて。
僕なんかより全然年上の(30歳近くうえのはず)人であっても、クリエイティブで活動的に生きるうえでは大切な思考よねと思ったり。
こういう思考をしているから、若々しく活動できなのかなとも思いましたが。
なんしか、「エマージェントストラテジー」というキーワードをきっかけにして語られた言葉には共感する部分が多かったです。
よくある大きな法人でも年間計画や5か年戦略とか立てたり、
ぼく個人としても将来設計のために年表書いたり未来ビジョンを描いたり、
そういうことをしてきていますし、それなりに価値はあると思っていますが。
ここで言われているのは、あまり戦略を決めずにとにかく行動し続けること。
行動した先にどんどん変化していくので、またそこに対応していき結果大きな成長に、という話。
ペーパー上でいくら戦略を立てたところで、必ず現実とぶつかって変更せざるを得ないので。臨機応変に軌道修正していくこと。
そういう随時変更していく戦略というニュアンスがエマージェントには含まれているのかしらね。
チャンスを出会いがしらで利用できる俯瞰した視点、決断力、そのための安定性などが必要ということなのかなと考えました。
ミンツバーグ・創発的戦略
このエマージェントストラテジー。
調べて行くと、日本語では創発的戦略と訳されているそうですが。
もとはカナダのマギル大学教授、ヘンリーミンツバーグ先生の論文からの引用だそうです。
ミンツバーグさんはこの創発的戦略の場面において、リーダーとして求められる役割としては、
計画をしっかり立案する、戦略を練り上げる能力ではなく
新しい戦略が出現するように、チームをマネジメントし学習し経験し変化する組織を作っていくこと
だと言っているそうです。
この話を読んで僕はグループダイナミクスの理論を思い浮かべました。
経営者だから、チームリーダーだから、といった役割分担でない
メンバー全体での相互作用による創造のようなもの。
共同体としての意識やビジョンが重要ということにもつながる話なんでしょうかね。
以前に、個人のキャリアを考えるうえでも
計画性と偶発性のバランスが大切といった文章をnoteに書きました。
あくまでも自分の経験をベースに書いていたわけですが、やはり先人たちは僕なんかがぼんやり書いている文章よりも、ずっと論理的に、ずっと昔に書いておられて。
当たり前ですけど勉強になりますしすごいなと思います。
参考にし、どう未来を描くか(具体的な研修企画のご提案)
ちなみに、そういう偶発性、今回でいうところのエマージェントストラテジーをチームでまわしていくためのスキルを身につけたリーダーをいかに養成していくか、というのはこれまでも議論されているみたいで。
いろんな形跡が先行研究などをみていてもあるみたいですが。
例えばソーシャルワーカーなどを戦略的に育成し企業など一般社会に当たり前のように配置していくというミッションは、今のフリーランスという働き方の延長で考えていくにはちょうど良いお題なのかなと。
「実践」しつつ言語化。
リーダーシップは水泳に似ている。
本から学ぶことはできないのだ。
ヘンリー・ミンツバーグ
だそうです。
関東ではお手伝いしているNPO法人がそういった研修を実施しています。
来年度は関西でも、こういった研修を実施していきたいなと。
日々模索しているところです。
今日はこれくらいで、ありがとうございます。