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Fractal Audio Systems Axe-FX III Firmware 28 アップデート 概要紹介
先日、Fractal Audio Systems Axe-FX IIIのファームウェアバージョン28(FW28.00)が公開されました。
少し前にBeta4の記事を作成しましたが、Beta4に含まれていない大きな改良もあったため、再度こちらの記事でFW28.00について改めてまとめておきます。
アップデート内容についての翻訳
FW28.00のリリースノート内容についてご紹介します。
PHASERブロックのVibeアルゴリズムを刷新。
PHASERブロックに"LFO Mode"コントロールを追加。
PHASERブロックのWetパスに"Low Cut"および"High Cut"コントロールを追加。
PHASERブロックに"Modern Vibe"モデルを追加。
"Univibe"をベースに入力段のバッファーとLFOを見直したモデル。PHASERブロック内の"Exponent"パラメーターを"VCR Shape"に名称変更。
COMPブロックのオーバーホール=アルゴリズムの見直し。
COMPブロックの"Dynami-Comp"アルゴリズムを刷新。
"Knee Type"、"Tone"、"Drive"コントロールを追加。
"Input/Output"グラフを追加。
低CPU負荷の"Econo-Dyno-Comp"も選択可能。COMPブロックの”Studio FB Compressor”を"VCA Bus Compressor"アルゴリズムに更新。(Dynamic Timeは固定)
"Auto Att/Rel"機能を削除。COMPブロックの"JFET Compressor"アルゴリズムを刷新。
1176タイプ。(Dynamic Timeは固定)
Compression Ratioは最小4:1~。
Attack Timeは0.1~5.5 ms、Release Timeは59ms ~1.1 s。COMPブロックの"Optical Compressor"アルゴリズムを刷新。
LA-2Aタイプ。
Compression Ratioは最小4:1~。COMPブロックの”JFET Sustainer”を"JFET Pedal"アルゴリズムに更新。
COMPブロックに"Rockguy Compressor"タイプを追加。
COMPブロックの"Tube Compressor"アルゴリズムを刷新し、"Vari-Mu Tube Compressor"に名称変更。
Compression Ratioは最小2:1~最大20:1。
REVERBブロックの改良。
PLEX DELAY、およびMULTI-TAP DELAYブロックのチャンネル/プリセット切り替え時の挙動を変更。
CABブロック内のルームモデリングを改良。
Mic Spacingパラメーターの単位をcm表記に変更。
デフォルト値はORTF基準の17cm。FILTERブロックにPlexi GUIを追加。
TREMOLOブロックに”Ducking"コントロールを追加。
DRIVEブロックに"Tube Drive 5-Knob"モデルを追加。
AMPブロックに"Brit 800 Studio 20"モデルを追加。
Marshall SC20Hを基にしたモデリング。
既存の"Brit Studio 20"モデルは“Plexi Studio 20”に名称変更。
(※Marshall SV20Cを基にしたモデリング)Friedman BE/HBE アンプモデルのNegative Feedbackパラメーターのデフォルト値を見直し。
Triodeモデリングアルゴリズムを改良。
その他いくつかの不具合修正および機能改善
FW28.00アップデートでは「PHASER」「COMP」「AMP」の
3ブロックに大きな見直しが入ったと見えます。
Triodeモデリングアルゴリズムの改良については、公式が「これまでのファームウェアで一番良い仕上がりになっている」と言っており、JCM800系のモデルかFriedman BE/HBEモデルが進化を感じるのに最適とも答えています。
また新規追加の"Brit 800 Studio 20"アンプモデルについては「Marshall meets Vox」傾向のサウンドと解説されていました。
Friedman BE/HBEモデルのネガティヴフィードバック値については、所有実機の回路を逐一追って解析を進めたとのことで、さすがの熱意に頭が下がります。
試しにHBE V2を読み込み時のデフォルトセッティングで弾いてみたところ、以前よりもローエンドの過剰な飽和感が抑えられていて、低音はタイトに、高音の明るさは増しているように感じられ、よりバランスよく扱い易い傾向になったのかなと思いました。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
ご自身の音楽の役に立つ内容や、機材に対しての興味を持っていただける要素が何かしらあったなら幸いです。