静岡マラソン2024完走❗️
2024年3月10日。
遂に半年前から練習をして来た大会当日がやって来た。
それまでの記事は50代でフルマラソンにまとめてます。
■朝起きてから
静岡マラソンのフルマラソンのスタートは午前8時20分。
目覚まし時計のアラームで目が覚める。
スタートの約3時間前の朝5時に起床。
まず、カーテンを開ける。
ハッキリと富士山が見える気持ちの良い快晴。
まだ気温と風は分からないが、気持ちよく走れそうな予感。
炭水化物が消化されてエネルギーになるのに3時間はかかるらしいので、前夜、居酒屋さんで作ってもらったおにぎりを起きてすぐ、富士山を見ながら3つ食べる。
フルマラソンを走る切るには2300~3000kcalが必要で、体内に蓄えれるエネルギーは2000kcalと言われているので、どうやっても足りない。
しっかり、おにぎりを食べたうえに、途中エイドでバナナやアンパン、補給食のジェルなどを摂らないといけない。
3つ目のおにぎりを口に運び、既に大会は始まっている様に感じた。
テレビをつけ、天気予報を見ながら、ウエアを選ぶ。
「朝は気温は低いが一日中、風もなく、快晴で気持ちの良い日になるでしょう日中の最高気温13度。」と言う予報。
朝の寒ささえしのいだら、熱くなり過ぎない天気でフルマラソンを走るには最高のコンディション。
厚さ、生地が違うウェアを2種類ずつ用意しておいた中から、半袖のシャツにかなり薄手のアウターを選び、下はスパッツを履いてハーフパンツ。
いつも履き慣れている5本指の滑り止めがついている靴下。
7:30の集合時間まで時間があるので、全部、一度並べてみる。
補給食のジェル、箱形のジプロックで持って来た梅干しを一つ、一つ小さな袋に分けて4つ作る。
普段はあまり水を飲まず、お茶を飲むのだが、お茶の方が利尿作用があると聞いている。
マラソン中にトイレになるべく行きたくないので、水や経口補水液で水分をとる。
そうこうしている内に徐々に集合時間が近づいてきた。
乳首にキネシオテープを張りウエアを着る。
長い距離のランニングで乳首が擦れて痛い思いを何度もしている為、これは忘れないようになった。
ワセリンやオリーブオイルを擦れる箇所に塗る人もいるようだが、私は乳首以外の所が擦れて、痛かったり、血が出たりした事はあまりないので、今回は塗らない。
補給食のジェル、サプリメント、梅干し、ようかん、経口補水液のパウダーなどをランニングベストに詰め込む。
手に何かを持ったり、パックバックやランニングベストなどを着ける事を腕が振り難い、暑さが籠ると言う理由で嫌うランナーも意外と多い。
普段から私は手にスマホを持ったり、ランニングバックを背負って走る事が多いので気にはならない。
それよりも私自身7年振り、50代で初めてのフルマラソンに緊張していて、安心材料をいっぱい入れる事が出来るランニングベストを着る事を当然の様に選んだ。
集合時間になった。
今回、私はゲストランナーなので、車に乗り込みスタート地点の横にある葵区の区役所で打ち合わせをする。
打ち合わせと言っても、スタート台での立ち位置、挨拶の順番の確認のみ。
今回の私のスタートの仕方はスタート台で号砲を聞き、ランナーに手を振ってから、スタート地点に降りて自分のゴールタイムのグループの辺りがやって来たら流れに乗ってにスタートする。
TOKAIケーブルでやっているランニング番組「しすゆる」でも撮影をしているスタッフ2人が一緒に並走してくれる。
2人とも私よりもフルマラソンの経験、タイム全て上なので、安心である。
「しずゆる」でも一緒に走っている中村優ちゃんもゲストランナーでフルマラソンを走る。
優ちゃんは今回で30回目のフルマラソン。
大会直線に膝を痛めたと聞いていたので、経験豊富な優ちゃんでも緊張しているかと思ったら、いつも通りニコニコしながら、「いや〜最高のランニング日和ですね〜」と嬉しそうにしている。
亮「膝が痛いんじゃないの?」
優「痛めてからは走らない様にしてたので、分からないですw」
亮「え⁈それで大丈夫なの?」
優「フルマラソンは毎回違うので、スタートしてから対応しますw」
さすが、優ちゃん。私の師匠。
50代になって初や7年振りと言って、ナーバスになってる自分が恥ずかしくなった。
私はフルマラソンを楽しく走れるおじさん目指してる。
理由は走るのが嫌いだった過去の私の様な人達があれ?ランニングって楽しいのかな?一度、走ってみようかな?と思ってもらえる様なフルマラソンをしたいと思ったからだ。
私はそんな目標を掲げてるのにビビり過ぎて、もうすぐスタートなのにまだ楽しめてない。
それに引き換え、優ちゃんは散歩前のプードルがしっぽを振ってワクワクしている様にも見える。
そうだ。
眉間にシワがよってる姿より、キャッキャとしている姿の方がフルマラソンって楽しいのかな?と思うはずだ。
走る前から楽しむ姿も大事なのだ。
そんな優ちゃんとスタート台に上がる。
スタート台には市長さん、警察署の方、静岡朝日のアナウンサー達が乗り、スタート前の挨拶をする。
「天気が良く、少し肌寒いくらいの気温で最高のランニング日和なので、皆で静岡を楽しみましょう!」的な良くある様な挨拶をしたが、皆んなテンションも高く手を大きく上げ盛り上がってくれている。
まもなくスタートの号砲は鳴った。
▪️いよいよスタート
スタート台から降りて、ランナーの方にハイタッチをしながら私の予想タイムの4時間半か5時間グループが来るまで待っていた。
5時間半の足切り関門が何箇所かある静岡マラソン。
7年ぶりのフルマラソン。
どんどん進む時間、ランナーが過ぎて行く姿をみて、優ちゃんと一緒に少し早目のグループに混ざってスタートした。
恐らく、4時間切りを目指すサブ4グループ辺りに入ってのだろう。
優ちゃんは先に進んで行き、私はどんどん周りのランナーにも抜かれて行く。
何度かフルマラソンを経験している私はここで周りのペースに引っ張られない様にランニングウォッチをみながら、冷静に走る。
スタート直後、沿道の声援、景色の良い場所、上り下りの坂道、身体が温まって気持ち良く走れている時、トイレ、エイドポイントの後など、ペースを上げがちになる所などで、ことごとくペースが崩れてレース後半に足が使えなくなった経験があるので、注意する。
ここに書いた事は一般的なランナーにも当てはまると思うが、私たちの様な仕事をしている人にしかない悩みもある。
▪️ゲストランナーならではの悩み
ランナーに走りなが「写真を撮って下さい」と言われるのです。
フルマラソンでの私のランニングペースは1km6分30秒〜6分50秒くらいである。
喋りながら走れるくらいで、サブ4ランナーからすれば余裕のペースなので、横に並んで写真を撮ろうしてくるだが、写真を撮る時に立ち止まろうとするので、ペースがめちゃくちゃになるのです。
写真を撮られるのが嫌なのではなくて、1人や2人なら大丈夫だが、沢山の人が言ってくるのでストップやペースダウン、アップの繰り返しは走力に余裕がない私からすると足に疲労が溜まりかなりきつい。
それが悩みだったのだが、2023年に走った小布施ハーフマラソンは仮装ランの賞があったり、途中で気球に乗れたり、制限時間がゆるかったり、凄くファンランニングを推奨している楽しい大会。
ゆっくりの大会なので、ランナーに声をかけられ写真もかなり撮った。
その経験から、きついなりに対応する方法も見つけ出していた。
「写真撮って下さい!」と言われても私はペースを崩さず、「前の方を走って自撮りで私を入れ混んで勝手に撮って下さい!」と言う様になってから、ペースがだいぶ乱れなくなって来た。
それに一度、「しずゆる」のロケで10kmまでは試走している。
スタート前からある程度の予想を立てていたので、余裕を持ってランナーと笑顔で写真を撮り、沿道の声援に答えながら走れている。
静岡区役所前からスタートし、5kmほど走ると長閑な田園に囲まれる。
この辺りになると段々、ランナーも落ち着いて来て自分のペースで走れる様になる。
静岡区役所前をスタートしてから、静岡の街並みを抜け、田園風景が広がるエリアへと進んでいく。風も穏やかで、気温もちょうどよく、絶好のコンディションだ。
▪️10km予定通り城北公園でトイレ
試走した時に確認した10km地点の城北公園にあるトイレに立ち寄る。どうしても大会が用意してくれている仮設トイレは混雑するので,我慢出来るくらいの尿意だが、早めにトイレ行く事にする。
少しコースから外れる公衆トイレなので、空いている。
待つ事もほぼないからペースも乱れておらず、心身ともに落ち着いたまま18km辺りの安倍川橋の辺りまで走る。
安倍川橋を渡り切った所から左後を振り返ると空気も澄んでおり、目の前に富士山がくっきりと姿を現した。
その雄大な景色に背中を押されるように、足取りが軽くなる。
こうした自然の美しさを感じられるのも静岡マラソンの魅力だ。
景色、気温が良いと気持ちが良い。
ハーフ地点までは予定通りのペースを維持。ランニングウォッチを何度も確認しながら、走り続けた。1km6分20秒〜6分40秒というペースは快適。
ただ、気持ちは良いが少しずつ足への負担が増しているのも感じ始めていた。
ハーフ地点近くの給食ポイントでは、静岡名物のおでんが用意されていたが、今回はスルーした。胃が重くなるのを避けるため、持参したジェルや梅干しでエネルギーを補給。香ばしいおでんの香りには心惹かれたが、後半の走りを考えて自制した。
▪️静岡マラソンの肝になるポイント
南安倍川橋をこえた辺りから海沿いの10km以上の直線なので気持ちが折れやすいので、心を整えてしっかりとテンポ良く走る事を心がける。
この区間はアップダウンはないが風景の変化がなく先が見えない程の直線が続きメンタルが試されるポイントになる。
それも事前に知っていたので、撮影で並走してくれているスタッフとお互いの疲れ度合いを確認しつつ、励まし合いながら走る。
幸いなことに、この日は向かい風もなく、穏やかな天候に助けられた。
直線が続くプレッシャーを感じながらも、沿道の応援が少ない場所だと聞いていたのに応援してくれている方々も沢山いたので、声援に支えられながら走り続けた。
▪️私専用私設エイド
この直線区間の途中、久能山東照宮の麓にある事前ロケでお世話になった早川農園の大将が手を振りながら待っていてくれた。
約束して通りにイチゴを差し出してくれている。
甘くて少し酸味もあるジューシーなイチゴは疲れた身体に染み渡り、また一歩前に進む力をくれた。
沢山食べると走り辛くなるので、スタッフは勿論、周りのランナーにも配った。
かなり喜ばれた。早川農園から貰ったイチゴを横流ししているだけなのに何故か誇らしかった。
▪️長い直線が終わったものの、また問題が
32km過ぎからふくらはぎが少し痛くなってきていたがどうにか35kmの折り返し地点までは理想のペースで走って来れた。
ここからペースを上げようと意気込んだものの、思った以上に足が重く、思うようにペースを上げられなかった。
ランナーたちの苦しそうな表情や、周りのペースダウンが目に入る。
今までフルマラソンを6回走って最後まで楽に走り切れた事は一度もない。
ここからが本当のフルマラソンのなのだ。そう思っているか頃に静岡朝日テレビの中継バイクがだからともなく現れた。
大きなマラソン大会や箱根駅伝などで使ってるカメラマンが撮りやすい様な作りになっているバイクだ。
バイク後ろにカメラマンが乗っていて少し斜め前から私を写している。
私と並走してるスタッフはゴープロと言った小さなアクションカメラで私を撮影しているが、
バイクの後に乗ってるカメラマンは本格的な大きなカメラを肩に担いでいる。
コレが生中継で放送されているのか?
収録していてどこかで放送されるのか?
どっちにしてもカメラは私を狙っているのは間違いない様だ。
もう、ふくらはぎももも裏の筋肉ま張って痛みが出ているのにペースを落とさず走っている。
意識しない様にしているつもりなのにあのカメラを向けられるとペースが一定にならない。
なんだったら、バイクに私が付いて走っている感じだ。
マラソン中継などでトップランナーを写している画角に入って30メートルくらい付いてくる男子中学生の様な感じになっている。
とにかく、ペースが乱れまくった。
疲れていたり、足の張りや痛みもあったが、そんな事を言っている余裕がないほど、ずっと大きなカメラを向けられていた。
バイクがいなくなった時には40kmを過ぎていた。
バイクカメラのおかげで、いつの間にかゴールまで2kmを切っていた。
本当に35km〜40kmの風景の記憶が全くなく、バイクカメラの記憶しかない。
▪️50歳を超えてのフルマラソン完走
もう残り2kmを切ると完走したも同然。沿道の声援にも笑顔で手を振り返す余裕もある。
応援にこたえながらも一歩一歩ゴールに近づいていき無事、ゴール!
ネットタイムで4時間45分52秒。
ゴール地点に到着した瞬間、安堵感と達成感が一気に押し寄せた。7年ぶりのフルマラソンで、50代にしてこの結果は上出来だと思う。
走り切った後の達成感と疲労感は言葉にできないほどだった。
勿論、ハーフマラソン、10kmの大会よりもフルマラソンの達成感は格別である。
そして、挑戦する価値はあると思う。
50歳を超えてからのフルマラソンは大変だが、タイムアップも見える。
他のスポーツよりも練習や向き合い方で、市民ランナーレベルなら記録は伸びそうな競技だと言う事も魅力の一つかも知れない。
しかし、何度も書いてきたが、私はファンランニングが好きなのです。
もしかしたら、私のランニング人生で何かのタイミングでタイムを目指す事があるかも知れないが、50歳を超えての初フルマラソンの感想は
歳をとったからこそ、タイムアップを目指すより尚更、フルマラソンを楽しく走れ切れるおじさんを目指してランニングを続けていこうと思えた。
またフルマラソンにチャレンジする事は決まってないので、月間走行距離が15〜40kmに減ってしまうだろう。
しかし、今の私は距離は減ってもランニングをやめる事がないと思っている。
「ランニング」は不思議なスポーツである。