♯6 話題のニュースをちょっと話せるように 〜半導体製造企業最大手TSMCについて〜
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皆様は台湾にある世界最大の半導体受託製造企業・TSMCをご存知でしょうか。同社は日本時間の4月18日午後3時に決算会見を開きます。半導体受託製造企業NO1の同社の決算報告はインパクトも大きく、前回の23年10-12月期の決算報告をした際は、同社の株が9.79%上がっただけではなく、エヌヴィディアの株価が1.88%上昇し、日本の株式市場でも半導体製造装置メーカーの東京エレクトロンが6.03%、半導体検査装置を手がけるアドバンテストが8.20%の株価上昇となりました。
このように半導体業界に大きく影響のあるTSMC決算報告前に、そもそもTSMCってどんな会社なのか2回の放送に分けて話をしていきたいと思います。
今回はTSMCがどんな会社なのか、次回はTSMCの今後の展望についてお話していきます。
私は半導体やAIとは無縁の会社に勤めている会社員ですが、昨今のAIブームや半導体関連企業の株高ブームに引っ張られ、ミーハー的にいろいろ調べてみました。
もちろん半導体関連株も購入しています。そんな方も多いのではないでしょうか。
半導体企業に興味がある方、投資に興味がある方の参考になればと思い、できるだけ専門用語を使わず、わかりやすい言葉でまとめたいと思います。
なお半導体とはそもそもどんなものなのか、また世界最大手の半導体メーカーNVIDIAについては私の第1回記事で解説をさせていただいておりますので是非そちらもご覧いただければと思います。こちら
まずは半導体業界におけるTSMCの位置づけをお話させていただきます。
半導体業界では、アップルやNVIDIAなど半導体チップの設計だけを行い、製造工場を持たない企業を「ファブレス」と呼ばれる企業と、製造工場を持ち、半導体のサプライチェーンの中で「製造」の部分だけを専業で請け負う「ファウンドリ」と呼ばれる企業と、大きく2種類の企業がいます。この「ファウンドリ」の最大手企業がTSMCであり、その世界シェアは50%を超えているとのことです。驚異的ですね!
「ファウンドリ」であるTSMCは設計情報に基づいて半導体チップを製造し、顧客に提供します。それらのチップが組立ラインに供給され、スマートフォンやPCなどの製品に組み込まれ私たちの元に届きます。これが半導体のサプライチェーンです。非常に特殊な生産体制ですね。余談ですが、NVIDIAが得意とするGPUと言われる半導体は、AI開発に適している半導体であり、自動運転や生成AIなどの新たな技術を開発する役目も背負っており、その受諾生産をTSMCが一手に引き受けています。
では次にTSMCの企業規模についてお話しします。
直近の2023年第4四半期(10~12月期)の売上高は日本円にすると約2兆9475億円で純利益は約1兆1248億円で売上総利益率53.0%、営業利益は約1兆2262億円で営業利益率はなんと驚異の41.6%でした。日本の製造業の営業利益率平均はいくつかご存じですか?なんと4%です。悲しい。。。
いかにTMSCが驚異的な利益率=それだけ他社に真似できない価値を生んでいるかということですね。
そんなTSMCですから24年1月の時価総額としては73兆9176億円で世界時価総額ランキングで15位となっています。例えばトヨタ自動車は38兆608億円で世界39位ですから、いかにTSMCが巨大企業かということがわかりますね。トヨタの2倍かぁ。。。
ここまで聞いていただいた皆様は、なぜTSMCがこんなに巨大かつ営業利益率の高い企業になったのか気になっているかと思います。私も気になりました。
最後にそれについてお話ししたいと思います。
従来では、製造工程のみを請け負うTSMCのようなファウンドリーは、ただの下請け企業のような見られ方をされていましたが、1987年に創業し、世界のトップクラスのファブレス企業の製造を請け負い続けてきたことで、世界最高水準の製造技術の蓄積に成功したことがTSMCの大きな強みです。
半導体は一つひとつの回路線幅が狭いほど、多くの回路を搭載できるため、半導体チップの集積度は性能の高さへと直結します。現時点で5nmプロセスの半導体の量産を可能にしているのは、世界でもTSMCのみといわれています。ちなみに1nmのサイズ感を解説しておきますと、人が識別できるサイズはmm単位、1mm(ミリ)の1,000分の1が1μ(マイクロ)m、たんぱく質や細胞の大きさがこの領域と言われているようです。さらにその1,000分の1が1nm(ナノ)。 すなわち、1mmの100万分の1となります。全然想像つかないですね。
仮に地球の大きさを1mとすると、1nmはパチンコ玉、3nmはピンポン玉、5nmはテニスボール程度の大きさのようです。
そんな最先端の半導体技術を集結させた「ハイテクデバイス」が各社からラインナップされるためには、TSMCが必要不可欠です。
これにより、高度な技術を要する半導体が必要なメーカーは、TSMCに頼らざるを得なくなります。TSMCの顧客は工場を持っておらず半導体の設計をおこなうファブレス企業ですが、その顧客よりもTSMCのほうが立場が強い状況になりつつあるようです。
やはり技術力は製造業にとって最大の強みですね!
実はTSMCがいなければ私達に身近なあの製品すらつくれない可能性があるようです。その製品はなんとあの「iPhone」です。
Apple(アップル)はTSMCにとって最も大きな顧客であり、2021年に製造される5nmプロセスの半導体の50%以上がAppleに出荷されていることがわかっています。また半導体業界「ファブレス」最大手のNVIDIAからの受諾生産も一手に引き受けており、どれだけ半導体製造の中心にいる企業かということがわかりますね。
どうでしょうか。4月18日に決算報告を控えました台湾にある世界最大の半導体受託製造企業・TSMCと半導体業界に関しての知識が少しでも深まっていたら嬉しいです。今回はTSMCがどんな会社なのかをお話ししましたが、次回(来週)はTSMCの今後の展望についてお話ししていきます。日本の熊本に工場を建てたニュースについてはお聞きになった方も多いかと思います。なぜ日本の熊本なのか、今後どんな発展をしていくのか次週お話ししたいと思いますのでご期待ください。
今回の記事内容をあたかも自分で調べて知ったかのように会社や周囲の方に披露いただき、皆さんのコミュニケーションに少しでも貢献出来たらと思いお話をさせていただきました。
また記事の冒頭でもお伝えしましたが、第1回投稿記事で半導体とはそもそもどんなものなのか、また世界最大手の半導体メーカーNVIDIAについて解説をさせていただいておりますので是非そちらもご覧いただければと思います。
第1回記事はこちら
またスタンドエフエムでも本日の内容を音声放送しています。リンクを貼っておきますのでご興味ある方はご視聴ください。
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もしもう少しこんなこと知りたいけど、自分で調べるのが面倒だなというかたはコメントください。ミーハーな私が皆さんに代わってそれについても調べたいと思います。
これからも気になったニュースを素人視点で調べ、まとめた内容を皆さんに披露したいと思っていますので、気になるニュースがあればそれも併せてコメントで教えてください。
それでは今回はこれで失礼します。ありがとうございました。
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