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悩める帰国子女🇫🇷(4)-失敗した中学受験

いいな、帰国子女。
何がいいんだろうか。
漠然とよく耳にするし、
私も言われたことがある。

私は小学校をフランスの現地校で過ごし、
小6の夏に日本に帰国した。

帰国してすぐに受験勉強をした記憶がある。
帰国子女の枠で受験をした。
一般枠と比較して、難易度は下がるが、
それでも、私にはハードルが高かった。

半年間詰め込んだ。
特にフランスにはなかった科目
(歴史、地理、理科)や、
作文は苦戦した。
起承転結って何ぞや…

算数はフランスで学んでいたが、
日本の算数はかなり進んでおり、
取り戻すのが大変だった。

国語は、文章題に苦戦した。
補習校に通っていたものの、
教科書レベルの文章にしか、
慣れ親しんでいなかった。

受験で出題される文章の、
レベルの違いに、絶望した。
私の日本語の語学力が遅れているのか
文章を理解出来なかった。

日本の社会に疎く、
時事問題にも、苦労をした。
天声人語を毎日読まされ、
毎日感想文を書いた。

人生で一番勉強した時期だったと思う。

それでも、頑張れた。
頑張りの根底にあったのは、
新しい学校に行って、
全員と同じスタートで、
新しい自分になることだった。

何校か受験したのだか、
私は周りと同じ公立校に、
行くことになった。

私の他にも、
数人の帰国子女がいた。
その子達は、全員私立の中学に行った。

喜びの輪にも入れず、
もうこの先、生きていくのが嫌だ、
と思うほどの、大きな挫折を、
味わったことは、
今でも鮮明に記憶している。

私は、学校の先生に、
泣きながら、抱きしめてもらった
記憶がある。
たくさん、たくさん泣いた。

周りは、
私が受験をしているのを知っており、
中学に入学すると、
私が公立校にいることを、
周囲は不思議がっていた。

ほどなく、私は、
転校することになる。
ここでも、私は、
フランス帰りの帰国子女、
と紹介される。
日本に帰って、ずいぶん経っているのに。

私は、私立に行けなかった自分を、
落ちこぼれと感じるようになった。

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