悩める帰国子女🇫🇷(18)-日本の通信簿

私はフランスの現地校で6年過ごし、
小6の夏に日本に帰国した。

帰国して初めて
受け取った通信簿。

普段、先生は、
私が何かできなくても、
帰国子女だから、できなくて当然。
できなくても気にしないで。
そう声をかけてくれた。

でも、通信簿には、
私ができないことが、
淡々と書かれていた。
とても、先生が書いたとは思えなかった。
裏と表、本音と建前、
そんなことを覚えた。

通信簿は、
フランスで通っていた現地校の、
ボンポワン(bon point)
というシステムに似ているが、
ボンポワンは、先生から、
その都度、その場で、
提示される点数が書かれたカードである。

今、起きたことに対して、
ほかの友達はボンポワンをもらったけど、
自分はもらえていない…
何でだろう。考えて、
次はもらえるように頑張る。

もちろん、異論を唱えることができる。
私もボンポワンをもらえても良いはずだ。
他の生徒も、異論に対して考える。

私は、帰国して、
通信簿の点数を思うように、
上げることができず、
苦手意識が芽生えた。

社会人になり、
新卒で入った会社の
人事評価の基準は、
結果と行動、
それぞれに重きが置かれていた。

私は、どうしても、
行動の評価を上げることができなかった。

ふと、通信簿で味わった、
苦い感じが広がってきた。

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