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神をも冒涜する12番目の理論を用いて、僕はアトラクタフィールドの収束に抗ってきた<志倉千代丸原作『Steins;Gate 0』(アニメ)>

僕はドクターペッパーを愛飲している。今となっては味がクセになっていて、一種の中毒的な嗜好となっている。しかし、飲み始めた当時は完全に無理をしていたことをここに白状する。正直コカコーラの方がウマくねと思っていた。が、毎日飲み続ける事数ヶ月。身体がドクぺを求めるようになっていた。ヤバい薬でも入っているんじゃなかろうか。

僕がドクぺを無理にでも飲み続けたモチベーションは無論本作の原点にあたる『Steins;Gate』だ。中二病バキバキの設定を、中二病バキバキと白状しながら展開し、最終的に中二病を賛美する。シナリオプロットの単純な出来の良さもピカイチだが、アキバ・中二病・キャラクターなど、それ以上の魅力も多分に放つシュタゲは、以降MAGES(および5pb)のドル箱として10年以上現役で活躍することになる。
そに新作ということで、心躍らせていた。
はずなのだが、どうにも原作の話が綺麗に終わり過ぎていて、イマイチ続きを見るモチベーションにならなかったので今の今まで放置していた(劇場版が個人的にはそんなに刺さらなかったのもあり)。
実際見てみると、「やっぱり面白いな」というのが一番の感想。正直1日で一気見してしまった。むしろ、疾走感を持って見たのがよかったかもしれない。みる前に感じていた”嫌な予感”も一定存在したので。

孤独な観測者の苦しみは終わる

『Steins;Gate 0』ではかなりの新キャラが登場する。中でも目立つのは比屋定真帆(かわいい)だろう(かわいい)。低身長成人合法ロリ……という属性自体に惹かれるわけではないのだが(断じて!)、ずぼらな部分や紅莉栖からややステロタイプなツンデレ成分を薄めたバランス感の性格設定、一定大人然とした人間性など、様々な部分が僕に左フックを叩き込んできた。
まあ、それはいい。最も重要なことの一つだが、置いておこう。

本作一番の魅力は言うまでもなく、原点で登場する「牧瀬紅莉栖を救えなかったベータ世界線のオカリン」が描かれることだろう。
「自らの選択」で紅莉栖が死ぬ世界線を選んだ岡部は中二病をやめて、リア充(を目指す)大学生。黒のシャツとスーツに身を包んだオカリンは、完全に闇落ちモードといったところ。ここもちょっとこじれたオタク的にはアツいポイントだろう。

また、本作でグッとくる(ないし、本作がファンディスク的要素をはらむ)要素として、ブラウン店長やシャイニングフィンガーとの共闘がある。原点ではSERNのラウンダーとして衝突した相手だったが、別の敵が存在するこの世界では「戦闘経験のある身内」という非常に頼もしい存在となっている。

嬉しい反面。ファンディスクだな、というのが正直なところ。まあ「ゼロ」と謳う作品はそうであって然るべしと思うが。

一定の気になる部分は、「岡部の引きずり具合の演出が長い」「ちょっと現代にみると危ない表現がちらほら」などあったが、全体面白かったので些事。

原点に繋がる展開のカタルシスは様々な理屈をすっとばして頭が空っぽだとしても激アツ。

惜しむらくは、崩壊後の世界がほぼ描かれなかったことか。まあ一本のゲームとしての満足度を上げるには仕方のないことかもしれない。

せっかくのドル箱なので、レジスタンス編を小説でも漫画でも、スピンオフしてくれないかなあ。全然お金落とす。

一言コメント

話の内容より、懐かしさで泣きそうになった。


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