細かい目配せにオキシトシンどばどばなオタクのSAGA < マイケル・ドハティ監督『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』>

別段僕は特撮オタクではない。だが、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』が界隈での評価が非常に高いことはすぐに納得した。

チラチラ見られてる感じ

渡辺謙演じるキャラクターの父が芹沢英二と言う名前であることなどは、おそらく意識的だろう。初代『ゴジラ』に出てきた芹沢博士の苗字と、特撮の神様・円谷英二の名前から取られていることは明白だ。他にも、僕は全く気づかなかったが墓に刻まれた名前に初代『ゴジラ』のキャストがあったりするらしい。

一方でオキシジェンデストロイヤーが「米軍が開発した最強新兵器」として出てきたり、雑な部分もあるのだけれど。その雑さも、かえって怪獣プロレスに終始した日本のゴジラシリーズの系譜的動きにも見えて愛らしい(贔屓目が過ぎるだろうか)。

こうしたオタクへの意識。まあ作っている人がオタクなのかもしれない。こういったものに簡単にしっぽを振ってしまう感覚は僕自身とてもわかる。

ただ、僕自身がされてイマイチ上がらなかったものも無論、あるのだ。

逆手持ちじゃねえ!

『レディプレイヤー1』……とここまででもう察している方もいるだろう。そう、ガンダムだ。『レディプレイヤー1』に出てきたガンダム、主要キャラの一人が変身して使い、しっかりと尺ももらって、超絶かっこよく見せ場をもらっている。

いや、嬉しいんだ。改めて思って、あれはよかったなあと思うんだ。んだけども!

見た時に全然テンション上がらなかったんだ。

何故なのか分析しても、イマイチ自分で納得できる理由が思いつかない。単に「ビジュアル優先なのはわかるけど、逆手持ちさせるのはどうなん……?」という部分で愛を感じなくて萎えてしまったのか、あるいは『レディプレイヤー1』のラストシーンが僕は大嫌いなのでそれでイメージダウンして興が削がれたのか、どれも真実であるようで芯を打っているとは思えない。

楽しませようと思ってサービスして素直に喜ぶ時もあるのに、こうやって喜べない時もある。難儀な生命体に生まれてしまったものだ。

一言コメント

オタクはめんどくさい。

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