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芸能の「卵」が嫌いという話

※今回は芸能活動を始めたばかりの方に向けた記事となります。

はじめまして。こんにちは。田中亮と申します。
音楽・芸能のマネジメントを生業の一つとしています。

立ち上げ当初は本当に何も仕事がなかったので、プロフィールを持って色々な制作会社に営業をしたり、呼ばれれば何時でもすぐに駆けつけるというスタンスで仕事をしていました。
明らかに相場より低いだろうなって仕事もとりあえず受けていました。

最近では案件をいただくことも増えてきて、正直自分から営業することはかなり減ってしまいました。
数えてみたところ1週間の打ち合わせの9割は紹介された人と会っていて、完全新規は1割しかありませんでした。

冷静に考えてみて、これってかなり凄いことなんじゃないかと思います。
だって何もしなくても勝手にアポが生まれてどんどん仕事が舞い込んでくるんですよ??
営業マンからしたらかなり羨ましいことだと思います。

先日会った役者が「何か仕事くださいよ〜」と言ってきました。

そこでふと違和感を感じました。
「あれ?今の僕は仕事くださいって頼まなくても紹介されるぞ?」と

仕事柄、音楽・芸能を志す方と話すことが多いのですが「仕事がない」「仕事ください」と皆が口を揃えて言います。
まるで昔の僕を見ているみたいですね。

そこで今回は、芸能を志す人が仕事をもらう為に必要なことは何かというお話。はじまりはじまり〜

仕事をもらうまでの流れ

まず最初に知っておいてほしい事としてどのようにして仕事が生まれるのか。ただ待っていれば勝手にDMで仕事が来るわけではありません。これを知らない人が多すぎます。

①ドラマや映画、CMなどのメイン仕事
代理店もしくは制作会社で企画が生まれる→企画会議で(様々な思惑があり)名指しで役者候補が上がる→プロダクションへ連絡→スケジュール確認→審査(オーディション)→決定

これはほとんどの人が目指している「映画に出たい」「CMに出たい」という大仕事のケースです。(スポンサーどうこうの話は抜いています)

②エキストラなどその他大勢の仕事
代理店もしくは制作会社で企画が生まれる→提携するキャスティング会社に案内を出す→キャスティング会社から各プロダクションへ連絡→各プロダクションからエントリー→書類審査→オーディション→採用

これを読んでいるほとんどの人がこのケースか、またはこのケースにすら入れていないでしょう。

仕事をもらうまでの簡単な流れが分かったところで次に何が必要かを考えましょう

仕事をもらうまでに必要なこと

まず当然のことですが「人から人」へ、役者の情報が渡っていきます。
具体的には、プロダクション→キャスティング会社→代理店となります。

そこで必要なことは「その人がどんな人か分かる資料」いわゆるプロフィールやコンポジというやつですね。
プロフィール持っていない人はエントリーすら出来ないので、うちでは全て断っています。というかやる気がないのかな??と思います。

プロフィールの作り方が分からない人は「芸能 プロフィール 作り方」で検索してください。
プロフィール作成後に僕に連絡くれたらアドバイスします。

他にも宣材写真や直近の写真が必要です。
これも若い子にありがちなのですが、普通に自撮りの写真を送ってきます。
正直びっくりします。大学受験の願書にプリクラ載せてるようなレベルです。
(もしそっちの方が面白いからわざとやっているのであれば、割と好きなので友達になれそうです。)

という感じで最低限必要なものが分かったと思います。

全て信頼関係の上で成り立っている

トントン拍子で仕事が進んでいっても色々とトラブルは起きます。

当日、音信不通になったというケースは結構あります。
実体験としてはヘアサロン撮影のお仕事の時、当日の入り時間になってもモデルが1名来ませんでした。

連絡が来たのは撮影終了後の夜でした。
「本日参加出来なくてすみませんでした」とだけ。

以降その事務所にお仕事をお願いすることはありません。
さすがライバー。さすがライバー専門事務所。

当たり前ですが、当日は全員が時間通りに来る前提で成り立っていますし、全員がきちんとそれぞれの役をこなす前提で成り立っています。
なので来れません、出来ませんという人がいると「別の人使っておけば良かったわ〜」という雰囲気が漂います。仕方ないですね。


僕は制作やプロダクション側の人間なのでそのようなことが無いように気をつけています。
なるべく同行するようにしていますし、同行出来ない場合はリマインドをして着いたら誰に挨拶すれば良いのかを指示しています。

とても信頼関係を大切にしている業界です。

紹介されやすい役者になろう

何度も言う通り信頼関係で成り立っている業界なので、「こいつとこいつ繋げたら面白そうだな」と考えている人が多く、紹介したりされたりが割と盛んな印象です。

もちろん紹介で出会うとメリット・デメリットがあります。

メリット
・普段会えないような人にも紹介なら会える
・最初から信頼値がある

デメリット
・期待値が高い
・トラブルになった時、紹介者にも被害が届きかねない

まるで恋愛みたいですね・・・

つまり「◯◯さんの紹介だから良い人なんだろうな」という前提が生まれます。なので紹介する側も「この人なら大丈夫だろう」という人を紹介します。

更に熱い人が多い業界なので普段から熱量高く頑張っていることが感じれる人にはどんどん力になりたいと思っている人は多いです。

逆に口だけの人も多数見てきています。

「仕事ください!」という人に案件の情報を流してもエントリーすらしない。普段から返事が遅い。

「◯◯の人紹介してください」という人に紹介しても一向に連絡しない。
などざらにあります。

本気で志すのであれば何よりも熱量高く、まずは近しい人に信頼されるような役者になってほしいです。

芸能の「卵」が嫌い

さて、ここまで色々と書いてきて周りに紹介したくない人がいます。
それは「芸能の卵」です。

何故かというと
・何をやりたいのかが定まっていない
・卵という言葉に甘えている
・都合の良い時は役者、都合の悪い時は素人に切り替える人が多い
・いつでも辞められるように覚悟が足りない

他にもありますが大体同じことを言っているので割愛。

芸能界を目指す人は数多く存在します。
本気でやっている人もいれば遊び感覚でやっている人もいます。
人によって正解が違いますが、本気でやっている人は毎日24時間ずっと活動のことを考えています。本当に頭が下がります。

もし本気で目指しているなら「卵」なんて言葉を使わずに「私は◯◯な役者です」と自信を持って言ってください。

もし活動経歴がなくて自信が持てないのであれば「活動経歴が無くても自信がある役者」を演じてください。

もし活動経歴がないのに・・・と言われたら「今はまだ周りが私の良さに気付いていないだけ」と自信満々に言い張りましょう。
それぐらい自信がある人なら、一度仕事をお願いしてみても良いかなと思う人は沢山います。

卵かどうかを判断するのはあなたではなく周りです。

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