ボランティアは労働力の搾取であってはいけない②
前回の続きからです。
前回はボランティアの本来の意味などを提示してきました。
今回はそれをふまえた問題点等を提示していきます。
4.東京オリンピックにおけるボランティアの問題点
先ほどのように学生や高校生などに向けて輝かしいCMをやったりするのは大いに結構です。
だってこんな色々な外国の方と触れ合って自分のスキルを試したいとか、海外にまでは行く勇気ないけどこういう場でどこまでできるかやってみたいという人からすると絶好のチャンスだとぼくは思います。
しかし、もしも
宿泊施設等の問題点が改善されないままにどうしてもやりたいという人が絶えない状況が続いたらどうなると思いますか?
例えば、ホテルとかは高いからネット上で知らない人のうちに泊まれるように募集するとか、野宿しちゃうとか...etc。
問題点は様々ありますよね。
それによって最悪のパターンは殺人や窃盗・・・ボランティアへの被害が出たらどうするんですか?
そんなの自己責任でも何でもなく、ただの人災ですよ?
だって、まだそういったリスクをしっかり考えることのできない子供を対象にオリンピックのボランティアをやろうと扇動するCMをしておいて何か問題が起きたら全て自己責任となる流れがもうすでに見えてしまっているじゃないですか。
例えばボランティアに参加してくれる人用にホテルを国が借り上げるとか、きちんと泊まれる場所などを把握したうえでのみ参加を許可するとか
そういった点でしっかりリスク管理をして国が確実にボランティアを守ってくれるような環境であれば、色んな人が参加しやすくなるんじゃないかなと思いました。
有償であることによって責任感が生まれる
こういったことを言うとなんか方々から突っ込まれそうですけど・・・。
結構有償のボランティアって多いんですよ。
逆に完全に無償のボランティアの方が少ないんじゃないでしょうか?
大きなものですとなにか食事が出ることや図書カードなどの金券とか、現金ではないけれど現物支給であったり、実は有償だなんてこともあると思います。
かくいうぼくも学生時代には市から業務委託されたNPOで有償のボランティアとして「子供に勉強を教える」活動をしてました。
正直こういった少しでも報酬がある形だとやってやろうという気になるんですよね。
無償でただ労働力の搾取としてやらされるよりも、有償ならば責任感が生まれやすいと思います。
ぼくだけかもしれないですが、なんでもかんでも無償だなんだとやっていると、いざその人が逃げたときにも何も言えないと思うんですよね・・・。
だって奴隷のように搾取しておいてどの口が・・・・なんてこと思っちゃいますもの。
あ、でも緊急時は別ですよ?
災害で本当に人の命の危険があるとかで救助活動としていくボランティアとかは自分で食べ物なども用意してから現地に行っていることかと思うので、自分の意志で行っている素晴らしい活動だと思います。
完全に無償でできたりする人ってやっぱり金銭的にも時間的にも余裕のある人たちだけですよね・・・。
あれ?
そんな人たちって・・・・実はいっぱいいますよね?
・・・・・・・まぁ言わないけど。
若者批判するなら自分たちがどうぞ無償でやり続けてくださいと思いますけどね。
ぼくらだって自分がいま生きるのですでに精一杯ですから。
5.少しだけ物申したい
最後に少しだけぼくがボランティアの労働力ややりがいの搾取に対して言いたいことがあります。
たった長い人生のうちの数日だからとか、そんな理由で人の時間を搾取するのはどうかと思いますよ?
特にまだ社会についてあまり多くを知らない子供に向けて・・・。
そして、ここが一番気になるところ。
ぼくは広告系に勤めたことがないのでもし詳しく知っている方がいたらそのお金の規模とか流れとか教えて欲しいんですけど・・・。
そのCMとかって本当に必要でした?
そんな無駄なことにお金を使ってくだらないことするくらいなら、それにかけてたお金をオリンピックのボランティアで求められる専門的な(高度な医療や語学)スキルを求められる人たちや、遠方からでも協力したいと夢見る学生の人たちに報酬として分け与えることできるんじゃないの?
何かお金の使いどころ間違っているような気しかしないのはぼくの気のせいでしょうか?
ボランティアは奴隷じゃないんですよ?
しかも専門的なスキルを必要とされる人たちの、そこに費やす時間はどれほどの価値のある時間かどうか今一度募集する人には考えて欲しいものです。
6.東京オリンピックのボランティアで貰えるグッズなど
オリンピック自体について反対しているわけではなく、ぼくはテレビで楽しもうと思っているので
2020年のオリンピックのボランティアでもらえるらしい限定グッズの紹介といういい点もしっかりしておきます!!
「東京2020大会 大会ボランティア」オリジナルデザインのユニフォーム一式(シャツ、ジャケット、パンツ、キャップ、シューズ、バッグ等。アイテムによっては、複数枚を予定)活動中の飲食ボランティア活動向けの保険活動期間中における滞在先から会場までの交通費相当として一定程度※ オリエンテーション、研修及び活動期間中における滞在先までの交通費及び宿泊は、自己負担・自己手配となります。
引用元:お渡しするグッズ等|東京2020大会ボランティア
こういった参加することによってもらえるシャツとかは絶対一生の宝物になりますよね!
非売品ですから、きっともらった後の達成感や満足感でやりきったなと思えるはずです。
これだけでも参加する価値がある!!
という方はきっといらっしゃると思うので、ぜひそういった人たちにはオリンピックを盛り上げていってほしいものです!
7.おわりに
賛否両論あると思いますが、ブログなどは自分の考えを表現するオープンな場だと思っているのでちょっと極端な意見もあったかもしれないです。
長々と語ってはきましたけど
ぼくが言いたいことは
最終的に「自分の時間を費やしてでも見合う条件なのか」という点をもっと考えてから参加するべきなのではないかなということです。
今のネット社会なんて嘘はすぐばれますし悪い条件を隠蔽していくことなんてできないんですから
いい点も悪い点もしっかり見て、自分で考えてから行動してほしいと思います。
メディアとかにだまされちゃダメですよ?
ぼくのこの文章を見ただけで
「あー、そうかも、ボランティアやめよ」ではなくて、こういった意見もある中で情報を精査していく必要があるんです。
他人はその個人の責任を負うわけではないんですから。
あくまでぼくの考えはぼく個人のモノであって、そこに完全に同意する必要はありません。
色々な情報を集めて、統合した結果同じような考え方になるとかそういうのは大歓迎です!
最後になりますが
ぼくは
ボランティア=「奴隷」や「労働力の搾取」であっては欲しくない
そう願っています。
今まで色々書いてきたのを見ていただければわかると思いますが、ボランティアは善意の上に成り立つものであって若者の時間ややりがいを犠牲にしていいものではないですよね。
また、誰かの犠牲が必要になるのであればそこについては改善策か必要になるのではないか?
若いんだからとかそういう言い方にだまされることなく、多くの人が現状はおかしいと気付くことがまずは必要ですよね?
今のままだと参加できないという拒否の意志をしっかりと示すことで運営側も気付き、いい方向に変えるというサイクルは生まれません。
これからも搾取される側で生きますか?
それとも何かを変えたいと自分の意志を持って行動していきますか?
若干扇動的に最後なってしまいましたが・・・。
ボランティアだけではなく、自分の人生こそ自分の意志や夢を持って生きていきたいものです。