街の中に街をつくりたい
僕が今、一番興味があるのは、街の中に街を作ること、です。
僕は、すっかりシェアハウス生活4年目、気づけば自社運営するシェアハウスは7棟、管理委託されるものを含めれば12棟やっています。
信頼のおける仲間に囲まれながら暮らすことで、自分自身のやりたいことに自身を持てたり、困ったことに向き合えたりするなと感じています。
また、物理的に複数のコミュニティに所属することで、1つのコミュニティに依存しないのも、良いところだなと。
仕事=シェアハウス、だと長くなればなるほど、コミュニティに対して求めちゃうんですよね。
それが、複数のシェアハウスを運営する様になってだんだん薄まる様になりました。
あと、純粋に関わる人が増えるのってすごく楽しいですしね。
で、つい最近までは、「村を作りたい!」と言っていたんですが、最近になってだんだん、自分の願望が変わってきました。
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今は、「街の中に街を作りたい!」です。
なんで村から街の中の街に変わったかというと、村を作ろうとすると、インフラを全部作らなきゃ行けなくて大変だな、と思ったからです。
僕は生きていくのにコンビニは必須の人間になってしまいました。
夜中ふらふら歩いて行って、アイスやお酒買って近所の公園よったり川べりをだらだら散歩したりするのが好きです。
でも、それを村でやろうとすれば、
「じゃあ、深夜は誰が働くの?」
とか
「アイス1つで30分近くコンビニの中をうろうろするところなんて恥ずかしくて見られたくない」
とか、割と余計なものまでくっついてくるな、と感じる様になりました。
なら、街としての必要最低限のインフラは、既存のものを利用し、その別の層に新たに街を重ねるのが良いな、街の中に街を作りたいな、と思っています。
(街って響き的に、村よりオープンな感じしません?)
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街の中に街を作る、ということを考え始めたのは、北千住に住み始めたからです。
街の人の飲み会にちょこちょこ顔を出す様にしたのですが、
「シェアハウスやってます」
と人生の先輩に言うと、普段ならだいたい怪訝な顔をされて終わりでした
が、北千住は違いました。
「へえ、おもしろそう!今度行っても良い?」
実際に来られました。
これは昔、宿場町として栄えたからなのか、世代が違っても、外の文化や若い文化に寛容でした。
だんだん北千住で友達が増えてくるのですが、近所の古民家を改装した友達がそのままお茶屋さんをオープンしたり、友達の職場になっている工場でいきなり鍋をしたり、あ、そうそう、足立区主催の空き家活用コンペで(ややすべりながらも、)活用する権利を勝ち取り、住民やご近所さんと一緒にシェアハウスをオープンすることにもなりました。
北千住、というと、まだまだ知らない人はたくさんいるけれど、シェアハウスを始めそして自分自身が住み始めたことをきっかけに、友達もたくさんできるようになりました。
その辺、歩いてたら、友達にばったり会って、一緒にカフェに行ったり銭湯いったりできますからね。めっちゃ楽しいですよ。
うちの住民のシェフと一緒に、食堂付物件つくろう、とか言ってます。もうね、それできたらヘビロテですよ。
自分たちが、やりたいことを実現するために、街の中に物件をたくさん借りて街を作ろう、と考える様になりました。
(仮想レイヤーが違うだけで、物理的には同じ街)
仮想都市、と呼んだりもします。
地縁のある街とは別軸で、知縁を街に反映させようとしています。
シェアハウス1つに8人で暮らしてるのでも十分楽しいのに、同じエリアに10棟あって80人友達いたら、めっちゃ楽しそうじゃないですか?
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実際、今で、いろいろ実験してみています。
例えば、三軒茶屋(世田谷線)でもともとシェアハウスをやっていたので、下高井戸(世田谷線)にも物件を借りました。
が、電車で30分以上かかるためか、なかなか1つの街になりませんでした。
最初こそ、行ったり来たりもしたものの、今は完全に独立別個、それぞれ楽しそうにやってます。
遠過ぎたか、もしくは、どちらも用途が住居だったからか、という仮定から次にした実験は松陰神社(世田谷線)でスナックを借りたことでした。
三軒茶屋からは歩いて25分、電車で10分、という距離です。
こちらは、シェアハウスの住民がスナックで働いたり、たまにお客さんで来たり、スナックのママがシェアハウスの住民になったり、と程よい化学反応が置きた気がします。
(スナック、もっとやろ。)
吉祥寺にもシェアハウスがあるんですが、2棟目を借りようとしています。
北千住は3棟目のシェアハウスまで目星がつきました。
世田谷線沿いには3棟ありますが、あんまり連携してないです。それも1つの形かなと思いつつ、家賃さえ折り合いつけば、それぞれの近くにまた物件を借りたいです。
品川(新馬場)では、やっと近所のおじいさんや商店街の人と話す様になりました。
(ただ家賃は高いので借りれる見込みは薄いのですが!)
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今、シェアハウスがあるエリアは、城西・城北・城南に分かれているので、それぞれの場所で、街の中に街を作りたいなと。
何も住居用の物件だけではなくて、商業用の物件も見てます。
経済圏を作って行きたい、ここにいれば稼げる様になる、環境にしたいなと思っています。
また、駐車場を借りまくってマルシェしたり青空映画館作るのも楽しそう。
スナックは世田谷でやって楽しかったから是非他でもやりたいし、本と出会える場所がすごく好きなので、古本屋もありだなと。
あと外せないのがカフェ。それも仕事をしにくい雰囲気の、本読むためだけのカフェ。あああ、会員制の漫画喫茶もほしい。
栄養が偏りそうな時にいきたい、食堂も良いな。
うわああ、妄想はかどる
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街の中での僕たちの役割って、生産者というより消費者じゃないですか。
賃貸住宅を借りているだけだと、特に街から浮きません?
もちろん街の中で働く人もいると思うんですが、東京に住む若い人の多くは消費者だと思うんですよね。仕事する場と住んでる場所がやや離れてるというか。
で、消費者って、お金払えばサービスを受けられる権利がありますが、消費者の立場って、なんだかふわふわしてるなって思うんです。
お金を払えば、別にそこには人が介在しなくても良い、という。
たしかに、それって便利な時ももちろんあるんですが、でもそれだけじゃ物足りない時ってありますよね。
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僕がすきなお店の1つに、北千住の駄菓子屋さんがあるんですが、店主、すごくきさくなおばさんで、たまに遊びに行ったらめっちゃサービスされます。(この間、30円のガムかったら、300円分サービスしてくれました。完全赤字。)
まあでもそれも気まぐれで、サービスされたいから行くというよりは、おばさんのエッジの効いたブラックジョークを聞きに行きます。それに30円払ってる感じ。
もはや演劇ですね。
夕方になると完全に小学生のたまり場になってます。
「それがたのしいのよ」と。
いいなあ、こんな老後送りてえ。
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僕らって良くも悪くも、お金で買えるものだけじゃあ、満たされない様にできていて、なんかこういう日々のやり取りって楽しいですよね。
でも、お店の人に話しかけるのってめっちゃ勇気要るじゃないですか。
そんなときに、よく喋る友達が横にいたらすごく幸せだなって。
消費者と生産者が1:1の関係から、3:1の関係になるから、例えば本当に変なおじさんに話しかけちゃった場合、すごくめんどくさい感じになっても、生産者からみた消費者一人に対する印象薄いだろうし、最悪の場合でも友達が助けてくれるだろうし、それでもめんどくさくなったらダメなら、良い酒の肴になるだろうと思います。
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あと、街の中で生産者になる、ということは、ぜひ挑戦してみたい。
僕はスナックに不定期で立っているんですが、街の中で、生産者になると、その街について考える様になるんですよね。
ただ、不定期にスナックに立っているだけ、なんですが。
街にたくさん友達もできるし、自ら何かを生産するのはめんどくささも生まれますが、それでもやっぱり匿名だった誰かが知り合いになって友達になって、ありがとうと言われるのは、めっちゃ楽しいです。
街の物理レイヤーと違うレイヤーに、自分たちで作る街を重ねて、しんどかったら、その自分たちでつくる街のレイヤー内で、遊べば良いし、勇気を出して近所の人に関わってみるのも楽しそう。
街の中にコミュニティをどんどんつくって、心理的な安全性を担保した上で、自分が消費者として生産者として、主体的に関われると楽しそう。
住む人が増えれば増える程、街との接点も広がって、より街を楽しめる様になる、街の中の街、どうですか。
空き家、めっちゃ募集してます。