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元コンサルが考えるBtoB SaaSエクスパンションのポイント

こんにちは。アルプのカスタマーサクセスの西本(@RyoN518)です。

私はアルプに入社する前は経営コンサルタントとしてクライアントの業務・システム課題の解決・改善に取り組んでおりました。
現在は、アルプのカスタマーサクセスとして契約や請求管理SaaSであるScalebaseのオンボーディング支援の他に、カスタマーサクセスの大きな役割である既存顧客に対するアップセルやクロスセルなどのエクスパンション提案も実施しております。
今回は、その中で気づいたコンサル業務とカスタマーサクセスにおけるエクスパンション業務との共通点についてお伝えします。

1. コンサルにもエクスパンションってあるの?

コンサル業務の中にエクスパンションに近しい概念があります。
通常コンサルでは数か月単位のプロジェクト(=契約)で仕事をしています。クライアントの解決したい経営課題は規模が大きく、システム改修が絡むと解決に数年以上かかるような課題を扱うことも多いです。その場合、コンサルへのトータルの発注費も莫大になるため、クライアント側の予算に合わせつつ大きな課題をいくつかのプロジェクトに細分化して、まずは3ヶ月いくらといった提案をしてプロジェクトを受注することが多いです。プロジェクトを受注すると、プロジェクトメンバーを組成して初期の契約期間で求められているゴールに向かって取り組むという流れとなります。

そのため、コンサルとしては最初の数カ月のプロジェクトでゴールを達成するだけでなく、その後のプロジェクト継続や拡大受注に繋がるような動きも必要となります。これがいわゆるエクスパンションに近い概念です。

2. コンサルにおけるエクスパンションで重要なこと

コンサルにおけるエクスパンション(プロジェクトの継続・規模拡大)で重要なことは4つあると思います。

  1. 進行中のプロジェクトのゴールを達成していること

  2. クライアントとよい関係性が構築できていること

  3. 解決すべき課題を特定・発見できていること

  4. 課題を解決するための知見やソリューションを持っていること

1. 進行中のプロジェクトのゴールを達成していること

まずこれが最低限満たせていないとエクスパンションの提案どころではないので、受注時もしくはキックオフ時にクライアントの期待値やプロジェクトスコープを正しく把握しデリバリーをしていくことが肝心です。

2. クライアントとよい関係性が構築できていること

1のプロジェクトゴールが達成しているとよい関係性を構築する助けになりますが、エクスパンション提案時にはクライアントの課題に踏みこんで提案が必要になるので、少し言いづらい内容でも話せるような関係性を構築することは重要です。エクスパンション提案時にカウンターとなるクライアントが社内で稟議を上げることも多いため、社内の反発があっても味方となってくれる関係性であればエクスパンションがスムーズに進みます。

3. 解決すべき課題を特定・発見できていること

進行中のプロジェクトを進める中で新たな課題を発見し、それをフックにエクスパンション提案をすることが多々あります。そういった課題の種はヒアリングや分析など一次情報に触れる機会で発見することが多いので、そこでのちょっとした気づきを大きく膨らませて、重大な課題に昇華させていくことでエクスパンション提案のネタとなります。

4. (おまけ)課題を解決するための知見やソリューションを持っていること

これはエクスパンションに限らず新規契約時も必要なことですが、扱う領域が変わると既存のプロジェクトメンバーの専門分野と外れることがあるので、知見を持つメンバーやソリューション事例の収集などが必要です。

3. BtoB SaaSでのエクスパンションとの共通点

かなり長い前振りになってしまいましたが、noteの本題に入ります。
上記4つのポイントはBtoB SaaSでのエクスパンションにも重要となります。

1. 進行中のプロジェクトのゴールを達成していること

これはCS業務におけるオンボーディングが該当します。初期のオンボーディングを円滑に進められて、導入当初に求めていた状態にたどり着いていることが重要です。
アルプではキックオフのタイミングでお客様に対して導入の目的やゴールを伺う時間を取っています。もちろんセールスからの引継ぎ時や商談の議事録で事前に把握をしていますが、お客様自身の言葉で話していただくことが重要と捉えているのでそういったお時間を取っております。

キックオフ時の資料の一部抜粋


また、オンボーディングの長期化は目的の達成まで遠のくことを意味するので、どのタイミングで本番稼働(オンボーディングプロジェクトの完了)を目指しているのかを認識合わせをしています。社内では、キックオフから何日経っているか、目標稼働日に対して遅延していないか、遅延している場合どれぐらいの日数遅延したのかを全てのお客様で管理をして、オンボーディング期間の短期化に努めています。

2. クライアントとよい関係性が構築できていること

こちらは、オンボーディングプロジェクトの円滑さという要素に加えて、どれだけ顧客接点を持てるかという要素も重要だと思います。SaaSプロダクトではオンボーディング完了後は打ち合わせの機会が無くなってしまうケースもあるかと思いますが、オンボーディング完了後も困りごとのヒアリングであったり製品へのフィードバックをする機会を定期的に持つとよいと思います。タッチポイントが無い中でいきなりエクスパンションを提案するとお客様もビックリされてしまうので、コミュニケーションの頻度を一定保っておくとよいと思います。

3. 解決すべき課題を特定・発見できていること

販売している製品のカバー範囲や特性によって様々かと思いますが、Scalebaseのような業務系のSaaSではお客様の業務をどれぐらい広く深く理解しているかが課題発見のカギとなります。業務系SaaSは外部システムとの連携して使われることが多く、連携部分で業務の担当部署が異なりアナログで非効率な業務をしていらっしゃるケースも多くあります。そういった製品が提供する領域のど真ん中ではなく周辺の見えにくい領域に課題が眠っていることがあるため、範囲を狭めずに少し領域外まで踏み込むぐらいの業務理解をするとエクスパンションの提案材料になります。

4. 課題を解決するための知見やソリューションを持っていること

3のような周辺領域だったりニッチな領域の提案をするとき、どうしてもCS担当者の知見が無くて踏み込めなかったり、提案できるソリューションが無くて課題としては認識していても何もできることが無いということもあると思います。このようなケースを解消するためには、CSの中で完結させるのではなく、知見を持ったりソリューションを開発できるメンバーとの協力が不可欠です。Scalebaseでは会計系のサービスと連携できるプロダクトのため、会計領域の深い課題が上がってくることもしばしばあります。アルプではそんな時にドメインエキスパートと呼んでいる経理出身で会計の知見があり、プロダクト開発にも直接携わるメンバーと一緒に提案を行います。
※ドメインエキスパートについて詳しく知りたい方は下記noteもご覧ください。

4. 最後に

以上が元コンサルがBtoBSaaSのCSとしてエクスパンションを行う中で感じた共通点です。コンサルタントの業務とカスタマーサクセスは非常に親和性の高い職種だと思います。
アルプでは今後も、カスタマーサクセスとしてエクスパンションを推進し、事業としての成長に貢献しながら、アルプの新しいコーポレートスローガンである、「あらゆる企業に、フルスイングを。」を実現できるように顧客課題の解決に努めていきます。

アルプで一緒にカスタマーサクセスとして働いてみたい・もっと詳しく業務のことを知りたいという方はこちらからご応募ください!


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