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零時のペンダント~episode7~
○○が過去を修正してから数日が経ち、平穏な日々が戻ってきた。瑛紗、○○、そして明里は学校でいつものように笑い合い、変わらない日常を過ごしている。
瑛紗:○○くん、今日の授業さぼったでしょ?なんか顔に書いてあるよ。
○○:ち、違うって!先生に頼まれて資料運びしてただけだって!
明里:ふふ、○○くん、嘘下手すぎ~。
彼らの笑顔に満ちた時間は、これまでの困難を忘れさせるかのようだった。しかし、玲が突如現れ、穏やかな雰囲気を引き裂いた。
玲:楽しそうなところ悪いけど、少し話がある。
瑛紗:玲さん?どうしたの?
玲の顔はどこか険しく、これから話す内容が重要であることを物語っていた。
玲:裂け目そのものは消滅したと思っていたが、どうやら完全に消えたわけではないらしい。別の時間軸で新たな動きを見せている。
○○:それってどういうことだ?また裂け目が開くってことか?
玲:可能性としては否定できない。そして、もし再び裂け目が現れれば、前よりも大規模で強力なものになるだろう。
瑛紗:……それって、私たちがまた戦わないといけないってこと?
玲:その可能性は高い。だが、今回の異変は“裂け目の外側”から起きている。これまでのような戦いでは解決できないかもしれない。
瑛紗:裂け目の外側……?
玲:裂け目を超えた場所に“存在”するものがある。それがこの世界の時間軸全体を揺るがしているんだ。
○○:それを止めるにはどうすればいい?
玲:裂け目を超える方法を見つけるしかない。そしてその鍵は……瑛紗、君の力だ。
瑛紗は迷いと不安の入り混じった表情を見せたが、やがて静かに頷いた。
瑛紗:……分かった。私にできることがあるなら、やってみる。
その日の夕方、玲は○○と瑛紗を再び廃工場へ連れて行った。今回の訓練は“裂け目の外側”に適応するためのものだった。
玲:裂け目の外側は、この世界の常識が通用しない場所だ。重力も時間も、自分の意志で制御しなければ飲み込まれる。
○○:そんな場所で戦えるのか……?
玲:だからこそ、今からその環境に慣れるための訓練を始める。瑛紗、準備はいいか?
瑛紗:……はい。
玲が手をかざすと、周囲の空間が歪み始めた。二人はまるで異世界にいるような感覚に包まれる。足元が浮かび、時間の流れが不規則に感じられる中、瑛紗は必死に意識を保とうとする。
瑛紗:(怖い……でも、負けられない!)
玲:いいぞ、その意志を保ちながら進むんだ!
○○:瑛紗、大丈夫か?
瑛紗:うん……○○くんがいるから、平気だよ。
訓練を終えた二人は、玲から次の計画を聞かされた。
玲:次に向かうのは“裂け目の向こう側”だ。そこにある“始まりの源”を見つけ出せば、世界を完全に修復できるかもしれない。
○○:始まりの源……それが裂け目の原因なのか?
玲:そうだ。そして、それを制御する力を持つのは瑛紗、君しかいない。
瑛紗:……分かった。私、やるよ。
玲は微かに微笑み、二人に向かって手を差し出した。
玲:さあ、行こうか。裂け目の向こう側へ――。
夜、学校の屋上に立つ瑛紗と○○。二人は星空を見上げながら、静かに語り合う。
瑛紗:○○くん、私、怖いよ。もし失敗したら……。
○○:失敗なんてさせない。俺が絶対に守るから。
瑛紗は少し涙ぐみながら微笑む。
瑛紗:ありがとう。○○くんがいるなら、私、頑張れる。
二人は固い決意を胸に抱きながら、夜空に輝く星を見つめ続けた。