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笑った未来がありますように
優が○○に出会ったのは、会社の新人歓迎会だった。優はその日、新しく入社したばかりで少し緊張していたが、周りの同僚が気さくに話しかけてくれるおかげで、次第にリラックスしていた。
その場で、同じ部署の先輩として紹介されたのが彼だった。○○は無愛想に見えるが、どこか落ち着いた雰囲気で、優にとっては少し不思議な存在だった。初めて会ったにもかかわらず、彼の視線がふとした瞬間に優に向けられるたび、胸がざわつくのを感じた。
翌日からも彼との会話が少しずつ増え、優は自然と彼の存在が気になり始めた。普段はクールな彼が、自分とだけ特別に接してくれるような気がして、密かに期待を抱いてしまう。だが、優は自分の感情に戸惑いながらも、「ただの先輩後輩の関係だ」と自分に言い聞かせる日々が続いた。
そんなある日、会社での飲み会が開かれた。少し酔いが回ったころ、○○がふと優に近づいてきて、少しだけ真剣な眼差しで見つめた。
○○:優、君といると、何か特別な気持ちになるんだ
その言葉に、優は思わず心臓が跳ねるのを感じた。自分だけが彼を意識しているのではないかと思っていたが、もしかしたら彼も同じ気持ちでいるのかもしれない──そう感じた瞬間、優の中で彼への想いが確かなものになった。
それから、二人は仕事の合間に自然と一緒にいる時間が増えた。ランチを共にしたり、帰り道を一緒に歩いたりするたびに、優は彼と過ごす時間が日常の一部になっていくのを感じた。彼もまた、そんな優の隣でふとした瞬間に微笑みを見せたり、時折彼女の手をそっと握ってきたりと、優への特別な想いを隠そうともしなかった。
ある夜、仕事の疲れが出ていた優を気遣って、彼が食事に誘ってくれた。レストランで向かい合うと、○○が真剣な表情で優を見つめた。
○○:優、君といると、他の誰とも違う感覚になるんだ。…僕と付き合ってくれないか?
優はその突然の告白に驚きながらも、彼の真剣な目を見つめ返した。心の奥に秘めていた想いが一気に溢れ出し、自然と頷いていた。
優:…私も、同じ気持ちだよ
彼の表情が柔らかくほころび、二人はそっと手を重ね合った。その瞬間、彼の存在が自分にとってかけがえのないものだと実感した。
それからというもの、二人は少しずつその関係を深めていった。○○は時折、独占欲とも言えるような視線を優に向けることがあった。優もまた、そんな彼の気持ちを心地よく感じていた。彼と一緒にいることで、自分が特別な存在であると確信できるのが嬉しかったからだ。
ある夜、彼がふと優に言った。
○○:君は僕のものだから、誰にも渡さないよ
その言葉に優は照れながらも、静かに微笑んだ。彼と一緒にいるときだけ、彼女は自分が本当に大切にされていると感じることができた。
彼との未来がどれだけ続くかわからないが、今はただ、この幸せが永遠に続くことを願っていた。
数ヶ月が過ぎ、二人の関係は社内でも少しずつ噂されるようになっていた。優と○○はなるべく表向きには控えめに振る舞っていたが、それでも仲の良さは自然と周囲に伝わってしまっていた。
ある日、同僚とランチをとっていた優に、少し意地悪そうな表情で親友である山下瞳月が話しかけてきた。
瞳月:なぁ、最近○○さんと仲いいやん?もしかして…
優は一瞬どぎまぎしたが、何気ないふりをして答えた。
優:そ、そんなことないよ。ただの先輩だから
それでも瞳月はにやりと笑い、冗談めかして続けた。
瞳月:ふーん?でも、○○さんって他の人には全然興味なさそうやったのに、優にはいつも優しいよな
その言葉に、優は照れくささと嬉しさが入り混じった感情を抱いた。確かに、彼は自分に対してだけ特別な態度を見せてくれることが多い。周りにも気付かれてしまうほど、彼が自分を大切に思ってくれていることが嬉しかった。
その夜、○○と仕事帰りに待ち合わせをして、いつものカフェで二人きりの時間を過ごしていた。カフェの静かな空気の中、○○がふと真剣な表情で優に向き直った。
○○:実は…最近、君と付き合ってるって噂が社内で広がってるみたいなんだ
彼の言葉に、優は一瞬驚いたが、心のどこかで覚悟していたことだった。○○と過ごす時間が増えるにつれて、いずれはこんな時が来ると思っていたのだ。それでも、自分が彼のそばにいることを選びたい気持ちは変わらない。
優はそっと微笑んで彼の目を見つめた。
優:私、別に構わないよ。だって、○○さんが私の隣にいてくれるなら、それだけでいいから
彼の表情が少し柔らかくなり、優を見つめる目には愛しさが溢れていた。
○○:僕も同じ気持ちだよ。どんな噂が立とうと、君のことは誰にも渡さない。君が僕のものだって、みんなに知られてもいいと思ってる
優は彼のその言葉に胸が熱くなり、そっと彼の手を握り返した。彼と共にいることが、どれほど幸せなことか改めて感じる瞬間だった。彼の独占的な気持ちが、自分を守ってくれているようで、優もまた彼を大切にしたいと強く思った。
それから、二人は社内での視線や噂を気にせず、堂々と一緒にいるようになった。周りの反応がどうであろうと、彼が隣にいてくれることが何よりも優の心の支えとなっていた。
ある日、優が彼の家を訪れ、穏やかな夜を共に過ごしていた。ふと彼が、真剣な表情で優を見つめて口を開いた。
○○:優、これからもずっとそばにいてほしい。君のことを、誰にも譲りたくないんだ
その言葉に、優は深く頷いた。
優:私も、ずっと一緒にいたいよ。あなたが私を必要としてくれる限り、どこにも行かないから
二人は静かに見つめ合い、自然と唇を重ねた。その瞬間、二人の間に流れる穏やかな愛情が、言葉以上にお互いの心に深く刻まれていった。
その夜、優は彼の腕の中で眠りながら、彼との未来を静かに思い描いた。たとえどんな困難があっても、彼がそばにいる限り、何も恐れることはない。そして、彼もまた、自分のことを誰よりも大切に思ってくれていることが伝わってきた。
彼と過ごす時間は、優にとってかけがえのない宝物だった。これからもずっと、彼と共に歩んでいけるように──優は心からそう願い、穏やかな眠りについた。
あとがき
どうもスノ担です。
テーマソング:『君は僕のもの』/SnowMan
聞いてみてね!