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幼なじみへの恋、届く日

秋の夕暮れ、キャンパスの小さなベンチで美月と〇〇は並んで座っていた。大学生になり、日常の忙しさに追われる二人だが、幼なじみとしての絆は変わらない。

美月は軽く髪をなびかせ、視線を遠くに向けたまま、少し寂しげに微笑んだ。

美月:〇〇って、昔から変わらないね。いつも私のことを守ってくれるんだもん

その言葉に、〇〇は少し照れながらも、いつものように優しい笑顔を浮かべた。二人が出会ったのは小学校の頃。美月がクラスでいじめられていた時、〇〇が彼女をかばってくれた。美月にとって、あの日から〇〇はずっと特別な存在だった。

あの時から、心の中で彼を想い続けていた。でも、〇〇はただの友達としてしか見ていないように感じる。大学生になっても、幼なじみの枠を超えることができないもどかしさに、美月はいつも悩んでいた。

それでも、〇〇と一緒にいられる時間は何よりも大切で、彼のそばにいられるだけで幸せだった。だが、少しずつ増していく彼への想いを、彼女は抑えきれなくなっていた。

その日、講義が終わった後、〇〇と美月は帰り道を歩いていた。キャンパスの木々が紅葉に染まり、風に舞う葉が彼らの間を通り過ぎる。美月は、何か言いたそうにしていたが、言葉が出てこない。〇〇はそれに気づき、彼女に優しく問いかけた。

〇〇:どうした?最近、なんか元気ないけど

美月:ううん、なんでもない…ただ、昔のことを思い出してたの

彼女は昔の記憶に思いを馳せた。あの日、いじめられていた自分を救ってくれた〇〇の姿。あの瞬間から、彼女の心は彼に惹かれていった。美月は心の奥で、その想いがいつしか恋に変わっていたことを知っていた。

しかし、〇〇にとってはただの「幼なじみ」だろう。そんな不安が彼女をいつも抑えつけていた。

ある日、大学の文化祭が近づき、美月と〇〇は一緒に準備に参加していた。みんなで笑いながら作業を進める中、ふと美月と〇〇が二人きりになった。

〇〇:そういえば、文化祭終わったらどこか行きたいとこある?久しぶりに二人で出かけるのもいいな

その言葉に、美月の心が弾んだ。ずっと心の奥で望んでいた瞬間だった。彼と二人きりで過ごす時間。それは、美月にとって特別な意味を持つ。

美月:…うん、いいね。じゃあ、久しぶりに海に行きたいな

〇〇:海か、いいね。じゃあ、その日に決まりだな

文化祭が終わり、海へ向かった二人。海辺の夕焼けが空を染め、美月は砂浜に立ち止まって、遠くの水平線を見つめた。

美月:綺麗だね…

〇〇は美月の隣に立ち、同じように海を眺めていた。しばらく無言の時間が続いたが、美月は勇気を振り絞り、心の中に溜めていた言葉をようやく口に出した。

美月:ねえ、〇〇。私、ずっと伝えたかったことがあるんだ

〇〇は驚いたように美月の方を向いた。

〇〇:何?どうしたの?

美月は〇〇の顔を真っ直ぐに見つめ、言葉を選びながらゆっくりと続けた。

美月:私、昔、いじめられてた時に〇〇に助けてもらったでしょ?それから、ずっと〇〇のことが好きだったの

〇〇はその言葉に目を見開いた。美月は続ける。

美月:ずっと、友達のままでいられればいいと思ってた。でも、もう我慢できなくて…。私、〇〇が好き。ずっと好きだった

一瞬の静寂。〇〇は美月の言葉を消化しようとしていた。

美月:…でも、無理なら、今まで通りでいいから…

美月は小さな声で言葉を終え、目を伏せた。心臓が早鐘のように打ち、彼の返事が怖かった。

しかし、次の瞬間、〇〇は美月の手をそっと握り、優しい笑顔を浮かべた。

〇〇:…美月、俺もずっと好きだったよ。けど、美月を傷つけるのが怖くて言えなかったんだ

美月は驚き、そして次第に涙がこぼれ落ちた。ずっと抑えてきた感情が、彼の言葉によって解放された。

美月:ほんと…?

〇〇:ほんとだよ。これからは、友達じゃなくてちゃんと恋人として付き合おう

美月は涙を拭い、笑顔で頷いた。そして、〇〇にそっと寄り添いながら、夕日が沈んでいくのを二人で見つめた。

数年後

大学を卒業し、二人は社会人としてそれぞれの道を歩んでいた。〇〇は地元の企業で働き始め、美月も夢に向かって努力を続けていた。それでも、二人の関係は変わらず、むしろ絆が強くなっていた。

仕事の忙しさに追われる日々の中、〇〇は美月の誕生日に特別な計画を立てていた。彼女がいつも行きたがっていたレストランを予約し、夕食を共にする。食事の後、美月がトイレに立った隙に〇〇は小さな箱をテーブルにそっと置いた。

美月が戻ってくると、その箱に気づいて驚いた表情を浮かべる。

美月:これ、何?

〇〇は深呼吸をし、真剣な顔つきで美月を見つめる。

〇〇:開けてみて

美月が箱を開けると、中には小さなダイヤの指輪が入っていた。美月はその場で言葉を失い、〇〇の顔を見つめる。

〇〇:美月、俺たちはずっと一緒に過ごしてきた。幼なじみとして、友達として、そして恋人として。これからもずっと、君と一緒に歩んでいきたいんだ。だから…俺と結婚してくれないか?

美月の目には涙が浮かんでいた。ずっと一緒にいた〇〇の口から、その言葉が聞ける日が来るとは思ってもみなかった。涙をぬぐいながら、彼女は微笑んだ。

美月:…うん。私も、ずっと〇〇と一緒にいたい。よろしくお願いします

二人は指輪を交わし合い、その日、永遠の約束をした。

そして結婚式の日

海辺のチャペルで、二人の結婚式が執り行われた。幼い頃から共に過ごしてきた思い出の場所、彼らにとって特別な場所での結婚式だった。

ウェディングドレスに身を包んだ美月は、あの日海辺で過ごした思い出を胸に、〇〇の前に立っていた。
チャペルの大きな窓からは、美しい青い海が広がっており、波の音が二人を優しく包み込んでいた。〇〇は白いタキシードに身を包み、彼女を見つめる瞳には、これまでの歩みを共にしてきた絆と、これから始まる新しい未来への決意が込められていた。

〇〇:美月、君に出会ってから、俺の人生は本当に素晴らしいものになった。これからも、君のそばで一緒に歩んでいきたい。ずっと守り続けるよ。

美月は涙をこらえながら微笑んだ。彼の言葉は、これまで幾度となく心を支えてくれた言葉と同じだった。彼がいつも側にいてくれたからこそ、彼女はここまで強く生きてこれたのだ。

美月:私も〇〇と一緒にいることで、毎日が幸せだった。〇〇の優しさに救われてきた。これからは私が〇〇を支えて、ずっと一緒に歩んでいきたい。

誓いの言葉を交わし、二人はゆっくりと手を取り合った。教会に集まった友人や家族が見守る中、司祭の言葉が響く。

司祭:〇〇さん、美月さん、あなたたち二人が愛と誓いを交わしました。この瞬間から、あなたたちは夫婦です。永遠の愛を、ここに誓いますか?

〇〇と美月は、同時に頷き、互いを見つめながら小さく微笑んだ。

〇〇:誓います。
美月:誓います。

その瞬間、二人の間にはこれまでの長い年月が走馬灯のように浮かんだ。子供の頃、思い出の遊び場、学生時代の数々の困難、そして互いに想いを伝えたあの夕暮れの海辺。そのすべてが今、この瞬間のためにあったように感じられた。

それでは、誓いのキスをどうぞ。

美月と〇〇は、照れながらも優しく唇を重ねた。二人の心は一つになり、これから始まる新しい人生への期待と希望で満ちていた。

結婚してから数年が経ち、二人は穏やかな日常を過ごしていた。〇〇は仕事を続け、美月も自分の夢に向かって努力しながら、二人で築き上げた家で幸せな毎日を送っていた。週末になると、かつての思い出の場所である海辺へ行き、二人で散歩を楽しむのが習慣になっていた。

ある日、美月はふと、〇〇に言った。

美月:ねえ、またいつかあの海辺で一緒に何かしようね。今度は子供も一緒に。

〇〇は驚いて美月の顔を見たが、彼女の優しい笑顔に答えるように頷いた。

〇〇:もちろんだよ。これからも、俺たちの思い出の場所は、ずっと一緒だ。

それからさらに時が経ち、二人の間には新しい命が誕生していた。休日には家族三人で海辺を訪れ、子供と一緒に砂浜で遊ぶ姿が、幸せな日常の一部となった。

美月と〇〇は、これからも手を取り合い、共に歩んでいく未来を心から信じていた。幼なじみとして始まった二人の物語は、愛と信頼で満ちた結婚生活へと繋がり、今もなお続いている。

二人は、これからも変わらない海辺の風景の中で、いつまでも幸せな日々を過ごしていくのだった。

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