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静かな告白、2人の距離
言葉遣いがおかしな部分もあるかもしれません。
その時はご指摘ください🙇♀️
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藤吉夏鈴が何かをつぶやいた。
〇〇は彼女の声に耳を傾けていたが、その言葉が風のように消えてしまう。放課後の体育館裏、夕焼けに照らされた彼らの影が静かに伸びていた。
藤吉は無意識に制服のリボンを弄りながら、視線を地面に落としていた。風が彼女の髪を少し揺らし、柔らかな表情を引き立たせる。
夏鈴:「なあ、〇〇、これって…何やろな…」
〇〇は答えられず、藤吉の問いの意味すら明確には掴めなかった。けれど、その表情から何かを察して、そっと口を開いた。
〇〇:「夏鈴…何か悩んでる?」
その瞬間、彼女は微笑んだ。しかし、その微笑みは少し切なく見えた。
夏鈴:「悩み…ちゃうけど。なんかさ、最近、よぉ分からんくて。」
〇〇は沈黙を保ちながら、彼女の言葉を待つ。
彼は彼女の隣に立つだけでいいと感じていた。
そして、彼女が何を考えているかを知りたいという思いが、心の奥底から湧き上がってきた。
数日前、教室では何事もないように藤吉夏鈴が𓏸𓏸と普通の会話を交わしていた。彼らの友人たちもいつものように賑やかだった。山﨑天が椅子に座り、難しい顔をしていた。
天:「なあ、これどういう意味なん?」
藤吉は呆れた表情を見せ、軽く肩をすくめた。
夏鈴:「また問題分からんの?」
天:「…まあ、な。」
守屋麗奈が微笑みながら、山﨑にそっと教科書を見せた。
麗奈:「こういうところがポイントだよ、天ちゃん。」
山﨑天は頭を掻きながらも素直に教科書を見つめ、納得したように頷いた。
一方で、田村保乃が机の上に肘をつき、何か楽しげに〇〇に話しかけていた。
保乃:「〇〇、またおもろいこと言うたらええやん!」
〇〇は少し困惑しながらも微笑んだ。
〇〇:「そんなにおもしろいこと言えへんよ。」
保乃:「なんや、期待しとったんやけどなあ。まぁ、ええわ!」
藤吉はそのやり取りを聞きながら、心のどこかで𓏸𓏸に対する複雑な気持ちが膨らんでいることを感じていた。
先輩たちとの練習の後、小林由依と渡邉理佐も合流した。彼女たちは学校では有名な存在で、誰もが一目置く存在だった。
小林:「夏鈴ちゃん、〇の君とはどう?」
藤吉は少し驚いたが、すぐに取り繕った表情を見せた。
夏鈴:「どうって…普通です。」
理佐が口元に手を当てて微笑んだ。
理佐:「ふふ、それが普通じゃなくなる時が来るかもしれないよ?」
先輩たちの言葉に、藤吉はほんの少しだけ顔を赤らめたが、〇〇はその変化に気づかなかった。
夕焼けが色づく空の下、藤吉は改めて〇〇に問いかけた。
夏鈴:「もし、このままずっと分からんままでも、ええんかな?」
〇〇は少し考えてから、言葉を選んで答えた。
〇〇:「俺たちが分からないことは、無理に分かろうとしなくてもいいんじゃないかって思うよ。でも、気持ちは伝えるべきだと思う。」
その言葉に、藤吉は少し驚いた。そして、自分の心に蓋をしていた感情が揺らいでいることに気づく。
夏鈴:「〇〇…」
彼の名前を呼ぶその声が、これまでとは少し違って聞こえた。
〇〇:「夏鈴、俺…君が好きだ。」
夕日の光に包まれながら、〇〇の告白は静かに響いた。藤吉は一瞬、何を言えばいいか分からなかったが、心の奥底でずっと待っていた答えがそこにあった。
夏鈴:「…うちも。」
その短い言葉に、〇〇は微笑んだ。二人の距離が少しずつ縮まっていくのを感じながら、夕焼けは彼らを静かに見守っていた。
藤吉夏鈴はその後、〇〇との日常が少しずつ変わっていくのを感じていた。何も言葉にしなくても、二人の間には静かな理解が流れていた。周りの友人たちも、少しずつその変化に気づき始めていた。
天:「なあ、夏鈴。最近、なんかええことあったん?」
夏鈴:「別に、なんもないわ。」
保乃:「そんなん言わんと、ホンマに?」
夏鈴はほんの少し微笑みながら、〇〇の方をチラリと見た。
夏鈴:「まぁ、そんなんかもな。」
守屋と山﨑、田村は笑いながら、藤吉のその変化を見守っていた。そして、彼らの日常はこれからも続いていく。だが、心の奥にある新しい感情が、これからの二人の関係をより深くしていくのは、時間の問題だった。
それでも、まだまだ二人の物語は始まったばかりだった。