World Travel Log 2023.10-1
10/02 (月)
新品ぴかぴか月曜日の朝。でも外の天気はどんより。これが北欧のデフォルト気候。鬱になる人が多いのもわかる気がする。
ホストのOblitに書道で好きな言葉を書いてあげた。これまで名前を好きな漢字で書いてあげることを提案していたけれど、好きな言葉や文章を書いてあげるのも良いな。彼女のアイデアに感謝。ちなみに書いた言葉は「繋」。(Attachment, Connection とのリクエストを受けて)
パートナーの友人のボウリング練習を観に行く。彼女はボウリングの元世界チャンピオンらしい。ストライク7連発していた。すごい。加点方式のスポーツと減点方式のスポーツってどちらが辛いんだろう。
そういえば彼女の自宅にあった絵を観て好きな画家のことを思い出した。名前をCecily Brownという。初めて観た時の心が溶けるような感覚を今も覚えている。恍惚として観入ってしまった。
夜はバスでコペンハーゲンへ。ホストのChristianと会う。ソファと床マットレスでパートナーとはバラバラで就寝。
10/03 (火)
朝からお仕事のミーティング。テレビマンの方から動画制作の手解きを受ける。何事もその道のプロに学ぶというのは素晴らしい体験。
街並みがかわいいエリアへ向かい、360度動画を撮影。
夜は唐揚げを作った。IHの揚げ焼きってとても難しい。
10/04 (水)
よく眠れないまま朝を迎える。デンマークの人はあまりカーテンをしないのだけど、向かいの家から漏れ出る灯りが眩しくて眠れなかった。どんよりした北欧でも時には暗闇も必要。
お昼からハピネスミュージアムを訪問。幸福は人類永遠の命題だなと。のちに数年来の友人Auliに会いにコペンハーゲンの自治区Christianiaへ。一緒に自分の母親くらいの年齢だけれど、いつも元気で愛らしい彼女が大好きだ。1年前に弓道を始めたらしい。何歳になっても自分の関心を追い続ける人間でありたいなと改めて思う。
旅に出てから異国に移り住む(≒移民になる)ということを意識するようになった。日本にいる時はとてもハードルが高いことのように思えたけれど、旅先で出会う人たちは皆軽々とやってのけている。最初から永住するなんて決めなくても、とりあえず移り住んでみた、くらいの気持ちでもいいのかも。
夜もホストのChristianとの会話が盛り上がる。
10/05 (木)
早起きして朝からスウェーデンのルンドへ向かう。ルンド大学院に在学中のパートナーの友人に会いに。一通り街を巡ったあと、日本語カフェへ向かう。大学1年生の日本語学習者、キラキラしていて眩しい。
日本人の大学院生は割と仕事を辞めてきている人が多いらしい。新聞社勤務の人、保険会社勤務の人、などなど。スウェーデンは学び直しが無料でできる。日本はお金がないと難しい。税金は高いけど然るべき所への出費のように思える。
夜は帰国後の自分の将来について語らう。海外で同年代の日本人と出会い時間を過ごすのは結構好きだ。周りから「固まる」ことを暗に強いられる20代後半。もう20代前半のように自由にはいられないと言われているような気がする。そんな中、自分の足元だけがグラグラで、自分だけがいつまでも不安に苛まれるような気がしてくる。フライパンに流し込んだ卵液の中央に立っているような気持ち。(良い例えが見つからない)
まあ、旅した結果納得して携われるものを見つけて、20代ラストと30代で専門性を磨ければいいか。とは思うものの、時々心の中の「世間の声」があれこれ私に囁いてくる。無視、無視。私の人生、責任を取れるのは私だけ。自分で納得して、自分で後悔して、自分で進めばいい。
お友達のお家で就寝。初めましての人のお家で寝るなんて緊張する…と思ったけれど、旅ではそんなことばかりだよな。
10/06 (金)
コペンハーゲンへ戻り、夜行バスでノルウェーへ向かう日。久しぶりの夜行バス。快眠とは程遠いけれど諦めて寝るしかない。
バスの中でふと「なりたい自分」について思いを巡らせる。理想の自分というのは、ある日突然卵から生まれるわけではないよな。毎日毎日の積み重ねの先にあるものだよな、と。毎日の食事が自分の体を作るように、毎日の行動がなりたい自分につながるのだなと。どんな仕事をすれば、どんな暮らしをすれば、なりたい自分につながるのか考えてみよう。その前にまず、「なりたい自分」を考えないと。皆さんは「なりたい自分」ってありますか?
「なりたい自分になる!」
違国日記の朝のセリフを思い出す。気持ちいい言葉だ。私もなるぞ、なりたい自分に。
10/07 (土)
ノルウェーの街に到着。キンと冷え、張り詰めた空気。冷気に包まれるというのは、水風呂に入った時の感覚にちょっと似ている。頭がすっきりとする。
オスロの街中をぶらり散歩。夜は駐在員で兄の友人である方にお会いする。ノルウェー人は自立していて会社にも国にも縛られないのだとか。日本人の彼からするとあまりにドライで寂しさを感じるらしい。成熟した社会の先にあるのがこれだとしたら、未熟でもいいと思えるほどなのだと。
北欧は日本で素晴らしく描かれすぎているなと、留学と今回の旅行を経て思う。難民政策、移民への対応、税制、家族関係、などダークサイドをしっかりと覚えておきたい。
10/08 (日)
朝、重たい身体をゆっくりと起こす。久しぶりにお酒をたくさん飲んだので身体が鉛のよう。心なしか睡眠も浅かった気がする。
朝から米を炊いてチャーハンを作る。いいフライパンで料理をすると熱の通りが素早く、気持ちいい。お米はちょっぴりべちゃべちゃだったけど、チャーハンにしたら水気が飛んでいい感じに。
近くの湖まで散歩をする。空気も景色も凛として美しい。鼻から空気をたっぷり吸い込んで、目からも自然を摂取して、脳が喜んでいる。広大な自然に囲まれる時、稀に「このまま自分の存在が消えてもいいな」と思う。「死にたい」という言葉にするとネガティブすぎるのだけど。ここには自己顕示も、自己実現も、他者評価も、他者との比較も存在しない。このまま自分という存在が自然と溶け合って無くなってしまっても後悔しないなと思う。パートナーに話してみたら賛同を得られた。(自殺願望はないのでご安心を)
夜はお好み焼きをホストに振る舞う。もう何度も作り、すっかり上手になった。ポーランド人の彼曰く「ノルウェー人は何事にも金が発生するのが当たり前」なのだそう。彼らからすれば無料で人を招いて泊めさせるなんてあり得ないらしい。日本の全国民がそんな考え方になってしまったらとても悲しい。誰かをもてなす文化は失われてほしくないなと。意外と自分もちゃんと日本人なんだなと改めて実感。
価値観や基準を考えるアプローチのヒントメモ。「何が必要か」をまず考えるのはやりづらいので、「何は捨てられないか、何は代えられないか」を考えるのがいいかも。まだ浅い考えでいい例が思い浮かばないけど、備忘用にメモ。
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