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物欲と所有欲を掃き捨てて 【#12】

東京の街がジオラマに見える 6/20(mon.)

月島とか東京の小さい街を歩いてると、この場所がジオラマにしか思えなくなる時がある。ケニアを離れてから三週間ほどが経って、日常の風景がちょうど感覚として入れ替わってきた。日常と非日常が反転して、街を歩いているときに感じる新鮮味も徐々に失われ、惰性の影が忍び寄る。はやく次の旅へ出たくてうずうずしてきたのに、一つの誤算が。

ぼくは日本の住民票を置いていないので、応急処置として、空港で住民票を置いていない邦人専用のワクチン接種を受けることができる。のだけれど、申し込みが遅れたこと、一回目の接種から三週間の間隔を空けなくてはいけないこともあり、最短でベガスに行けるのが8月の頭までずれ込んでしまいそうな見込み。

帰国してから、昼も夜も久しぶりに再会する人々との時間に追われて、とくに何をするでもない時間が流れた。やっぱり、どこまで行っても自分の特性や価値は、広い意味でのコンテンツの吸収、そこからの自己解釈と思想の展開にある気がしている。だから、人とのアポもこれから落ち着いていきそうだし、ケニアにいた頃のように貪欲に本をたくさん読みたい。そこで覗き見た世界と、旅するように暮らす自分の日常を接続しながら、言葉にしながら、想像力の拡張に勤しんでいきたいのだ。

夜は、リクルートの同期たちと久しぶりに会うべく新橋へ。時間通りに到着したのに、ほぼ誰も集まってなくて思わず笑った。

その後、しっかりと10人以上のメンバーが集まってくれて、二次会まで飲みながら大いに楽しんだ。リクルートを辞めたメンバーは自分の会社の経営に奮闘していたり、残ったメンバーはしっかりと出世していたり、それぞれの場所で根を張りながら活躍しているみんなの姿をみて嬉しくなった。アフリカでポーカーしているのは完全に自分だけだ。

Winner'sをはじめ、最近はYouTuberとしても頑張っている、内藤は入社当時「XXかハセリョーが一番の出世頭だと思ってた」と言ってくれたけれど、気質やポテンシャルは同型だったとしても、人生の縁やタイミングによって、その転がり先、咲く場所はきっとアンコントローラブルなのだろう。むしろ、ぼくなんかはハシゴが外れるとき、レールが乱れるとき、予期せぬ非合理にこそワクワクを覚えてしまうたちだから。

鎌倉散歩と本というメディアの“物語性” 6/21(tue.)

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