東大大澤昇平氏の差別を甘く見るべきではない──差別に甘い大学教員の態度
東大大澤昇平氏の差別と、それを止めるべき東大の責任について、連日のように書いてきた。これで12本目であり、こちらもウンザリしている。
だがそれは氏が差別をやめないだけでなく、矢継ぎ早にひどい差別や名誉棄損を繰り返してきたためだ(昨日の前回記事はこちら)。
そして昨日の記事を書いた後も、さらに次のような新しいツイートが追加されている。他方で大澤氏は「被害者」アピールを積極的に開始しつつあり、しかもそれに対して氏を勢いづかせるような大学教員のツイートも散見されはじめた。
極めて深刻だと思われるので、記録も込めて、短く問題を指摘しておきたい。
大澤昇平氏の新たなツイート
上の録音はすでに削除されている。私は上の氏の主張に事実関係の歪曲や虚偽がある可能性を疑っている。東大側は可及的速やかに見解公表をすべきであろう。
問題は多岐にわたるが、大澤昇平氏は明らかに自分が東京大学から不当な扱いを受けた「被害者」であることを盛んにアピールし始めていることに注意してほしい。
もちろん大澤昇平氏は100%自己責任で中国人差別をはじめとした差別煽動をツイッターで行った。しかも特定教員個人を名指しして、誹謗中傷まで行った(前回記事と後述ツイート)。このような極めて重い責任がある以上、可及的速やかな解雇など重い処分が相当であろう。そして非正規の教員とはいえ企業経営者であるように「弱者」とはいえないし、社会的責任はそれだけ重い。
「敵」を名指しした差別煽動のエスカレートと、科研費バッシングの利用
前回記事で書いた通り、大澤氏は東大情報学環の池亀彩准教授をの実名をあげて攻撃し始めた。それは次のようにエスカレートしている。
これはもはや名誉棄損ではないか。
何の根拠もなく、池亀准教授が科研費を不正使用しているかのように印象操作を行い、誹謗中傷している。
なお今日は踏み込めないのだが、大澤氏が池亀氏を攻撃する際に、杉田水脈議員がかつて煽動した科研費バッシングを利用していることは大変重要なポイントである。科研費バッシングが相手を攻撃する上で極めて有効だということを大澤氏はおそらくネットで「学習」したのであろう(杉田議員による科研費バッシングについては名誉棄損されたフェミニズム研究者らによるこちらの裁判を参照)。
そして杉田水脈議員が煽動した科研費バッシングが、大澤昇平氏による池亀氏の攻撃に流用され、それによりSNSでまたしても科研費バッシングが煽動されてしまう。これが差別煽動の恐ろしいところだ(これについては改めて書きたい)。
話を大澤に戻そう。
それだけに飽き足らず、大澤氏は以下の酷いツイートをリツイートしている(一例だけあげる)。すべて大澤昇平氏が煽動した攻撃に便乗したアカウントの誹謗中傷を、リツイートしているものだ。
東大がすべきこと
東大がすべきことはハッキリしている。
前回記事で書いたことを繰り返せば、
東大教員の実名を挙げて、「敵」がここにいると煽動している。
このツイートは、実名をあげて女性の教員を「敵」扱いすることで、この方へのヘイトクライムや極右の攻撃を誘発・助長・煽動する効果があるという意味で大変危険な行為だといえる。
東大はいますぐに、大澤昇平氏を解雇すべきだ。このツイート一つだけでも解雇に値するであろう。
前回書いたとおり、単に抽象的に差別を煽るのと、具体的にコイツが「敵」だと指定して差別を煽動するのとでは、危険性のレベルが異なるのである。
そして前々回書いたことを繰り返せば、
名指されてしまった以上、特に情報学環アジア情報社会コースは、差別防止対策として速やかに差別反対声明を出し大澤氏の差別を否定するとともに、差別を未然に防ぐためサイトや掲示物などで差別を許さない旨を宣言し差別を抑止するなど、緊急の措置が必要なのではなかろうか。また東大の警備員とも連携し極右への学内の侵入や差別ビラ・掲示物がないかどうかやヘイトクライム防止措置などをとるべきだと思う。
東大がとるべき対策の提案はすでに先月緊急提言で行っている。
いま東大は池亀彩准教授への名誉棄損に強く抗議するとともに、池亀氏を狙った攻撃や差別が起こらないよう、東大は積極的な措置を取る必要がある。なお大澤氏のツイートをみるに、池亀氏が女性であることによって、その差別煽動が激化している可能性が高い。いうまでもなくレイシズムはセクシズムと絡み合っており、その被害や社会破壊の力を強める。東大はなおのこと、断固として大澤氏の差別煽動への対処を行わねばならない。
ちなみに大澤氏はこんなツイートも行った。
池亀准教授を名前をあげて敵認定し、差別の煽動しておいて、いまさら池亀氏に「直接交渉」しろと言うのである。
東大は差別・ハラスメント防止の観点から池亀氏とは対面させないようにすべきであろう。大澤氏が池亀氏に今後ストーキングする危険性さえ考慮する必要がある。
差別煽動に甘い大学教員のツイート
じつは大澤昇平氏による必死の「被害者」アピールは、徐々に賛同者あるいは直接賛同せずとも、東大や差別を批判する人々への「苦言」という形での間接的支持を獲得しつつある。
しかも大学教員からである。
記録の為、例を挙げておこう。
いったいだれが、一切の手続きを無視してクビにしろ、と主張したのだろうか? 管見の限り、私を含め、大澤氏の差別を批判しその責任をとるべきだと主張している人は、処分を求めているのであって、手続きを無視しろとは言っていないからだ。
私にはこのような主張の背後に、深刻なヘイトスピーチの軽視が存在すると思えてならない。
このようなツイートを、たとえば大学教員がセクハラを引き起した場合に、わざわざそれをツイートで公言するだろうか? 氏の発言には、セクハラはまだしも大学内で処分される禁止事項となっているのに対し、ヘイトスピーチがそうでないぐらいには軽視されていることが、露呈してしまっていると思うのは、私だけだろうか?