一橋マンキューソ(13)大学がマンキューソ氏にだけ特別に認めた、「バカチョン」発言を許す恐怖の「表現の自由に関する契約」
毎日新聞、朝日新聞でマンキューソ准教授のハラスメントについての記事が出たおかげで、ようやく一橋大学で横行してきたマンキューソ准教授の差別・ハラスメントが社会問題化しはじめました(記事リンク)。
このブログで書き続けた通り、2016年12月のARIC研究会襲撃事件からじつに2年半。それまでどのジャーナリストも取り上げてくれませんでした。長かったです。
(2年半にわたるマンキューソ准教授のハラスメントについては下記をご覧ください)
今後大きく流れは変わるでしょう。
一橋大学はもう、何らかの対応をせざるを得なくなっています。学生の2年半もの抗議を全く無視してきた一橋大学が、マスコミ報道を受けてどう対応するのでしょうか。
ちなみにこのブログや私のツイッターは一橋大学の執行部や総務部が見ているらしいです。ぜひ読んで、キャプテン・オブ・インダストリー(一橋大学の理念)らしく、「バカチョン」発言したマンキューソ准教授という「リスク」を即時解雇して、うまく経営管理してもらえればと思います。
マンキューソ准教授を即時解雇できないぐらいなら、一橋大学の評判はマンキューソ准教授とともに地に落ちるでしょう。
「バカチョン」発言を許した一橋大学シラバスに掲載されている恐怖の「表現の自由に関する契約」
ところで、なぜマンキューソ准教授は教室で学生に対し、大声で「バカチョン」とか「グック」(朝鮮戦争やベトナム戦争で多用された東洋人を差別する英語)とか「コリアンはばかどもだ頭がおかしい」などと発言できたのでしょうか?
これには実は、一橋大学公認の、マンキューソ准教授にだけ特権的に許された、特別の「契約」が絡んでいます。
なんとマンキューソ准教授は、学生が受講するにあたり、すべての学生と特別の「表現の自由に関する契約」を交わすことを強制していたのです。
その内容にはなんと、マンキューソ准教授には「先生はレイシストだ」などと批判されない権利があるとか、発生した差別・ハラスメントについて一切苦情を申し立ててはならない、などが含まれます。
具体的にみていきましょう。
マンキューソ氏は2018年度の春夏学期から2019年度の秋冬学期まで、一橋大学の英語授業で「Freedom of Speech Agreement言論の自由に関する契約)」(以下、「契約」)を、授業を履修する際に学生に教員と取り交わすよう義務付けています。上のリンクにあるように一橋大学のシラバスに掲載されているので、このマンキューソ准教授だけに特別に認められた学生との「契約」は一橋大学公認です。
この「契約」は吉本芸人の研修生に強いられた「奴隷契約」に似ています。
似ているところはどこか。とりわけ問題だと思われる箇所は次の通りです。
「言論の自由」を口実に差別を批判する「言論の自由」を否定
Each student and the teacher〔注:マンキューソ准教授〕 has the right to:
1. communicate controversial opinions and speech in or outside of class
2. confront, disagree with, rebut, and question opinions that donʼt match their own
3. reject any ideas communicated in any exchange
4. communicate without being told that they are racist, sexist, homophobic, transphobic, etc., or violating a safe space
太字の部分を仮に訳すと次の通りです。
各学生とマンキューソ准教授は、レイシスト、セクシスト、ホモフォビア、トランスフォビア等々と言われたり、あるいはセーフスペース〔注:差別なく安心して教育をうける環境〕を侵害していると言われることなくコミュニケーションする権利を有す。
つまりこの「契約」によると、学生はマンキューソ准教授を「先生、それ差別なのでやめてください」と言えなくなります。また差別発言がひどいので「先生のせいで教室で安心して授業を受けられない」と言うこともできなくなります。
この「契約」は、「言論の自由」を保障すると言いつつ、差別を批判する「言論の自由」を侵害しているのです。
またこの「契約」は、非対称な権力関係であるはずの教員-学生間の関係を平等なものと学生に錯覚させる効果もあります。受講者の学生に対し、授業中の氏による差別・ハラスメントが発生した場合への批判をあらかじめ封じる、あるいは委縮させる効果を狙ったものだと言えます。
それだけではありません。最も酷いのは次の箇所です。
授業での「言論の自由」を口実に、差別・ハラスメントなどについても、一切苦情を誰にも言ってはならない「契約」
Each student and the teacher agrees that:
1. all communication exchanges are protected by Articles 19, 21, and 23 of the Constitution of Japan
2. no complaints will be made to anyone in or outside of this academic institution regarding any communication exchange
太字部分を仮訳します。
各学生とマンキューソ准教授は、一橋大学内外を問わず誰(人・機関)に対しても、どんな意見交換についてであろうと、苦情は一切申し立ててはならないことに同意する。
授業内で発生したいかなるハラスメントについても、一橋大学ハラスメント相談室をふくむ、また国立市もふくむ、学内外の一切の人物(専門家から友人・家族まで)や機関(国・地方自治体からNGOや人権擁護機関まで)に相談したり訴えることを事実上禁ずるものとなっています。
一橋大学ハラスメント相談室の利用さえ禁ずるような「契約」を勝手に授業内ルールとして制定することじたい、大問題です。
ところが問題は、これを一橋大学がシラバスに堂々と明記し広く公開していることです。
学生のハラスメント被害を訴える権利を委縮させる非常に問題ある措置だと言わざるを得ません。
この「契約」があるからこそ、マンキューソ准教授は安心して「言論の自由」を行使できるのではないでしょうか。つまり、クラスの受講生に向かって大声で「バカチョン」や「グック」や「コリアンは頭がおかしい」などの差別発言や罵倒を繰り返せるのだと思います。
マンキューソ准教授の「言論の自由に関する契約」は一橋大学が2018年度からマンキューソ准教授だけに特別に認めている
この「契約」は一橋大学公式シラバスの2019年度版の下記授業で掲載されています。
国際交流科目 春夏学期 火1 Presentation Skills in English Ⅰ
国際交流科目 春夏学期 火5 Academic Writing in English Ⅰ
国際交流科目 春夏学期 水1 Academic English Ⅰ
国際交流科目 秋冬学期 火1 Presentation Skills in English Ⅱ
国際交流科目 秋冬学期 火5 Academic Writing in English Ⅱ
また同じ「同意」ルールは同2018年版シラバスの下記授業で掲載されています。
国際交流科目 春夏学期 火1 Presentation Skills in English Ⅰ
国際交流科目 秋冬学期 火1 Presentation Skills in English Ⅱ
マンキューソ准教授が受講生に強いる「表現の自由に関する契約」は国立市の人権・平和条例に違反する。一橋大学の責任が問われる。
以上書いた通り、この「契約」は学生の人権を侵害するとんでもないルールです。こんなものは無効です。
これは下記の国立市の新しい人権・平和条例に、完全に違反するものです。違法です。
一橋大学は即刻この国立市条例違反の、マンキューソ准教授の「契約」をシラバスから削除し、マンキューソ准教授を解雇すべきです。
一橋大学はマンキューソ准教授だけにこんな非人権的な「契約」を学生とかわすことを特権的に認めたわけで、その責任は非常に重いと言わざるを得ません。即刻内部調査をはじめ、その結果を公表し、再発防止措置を取るべきです。この「契約」が一橋大学のシラバスに堂々と掲載されていた経緯・理由とその責任の所在も含めて、詳細に真相が明らかにされるべきでしょう。
今までなかった「契約」が、2018年度から急に?
2017年度のシラバスには掲載が確認できません。
なぜこのタイミングなのか。
私たちには心当たりがあります。
シラバスを書くのは授業のだいぶ前。なので、件の「表現の自由に関する契約」は前年度の2017年度に書かれ、2018年度から掲載されているはずです。
じつは2017年度といえば、第9回の記事で書いた通り、2017年の秋冬学期からマンキューソ准教授は英語の授業内で、わたし梁英聖とARICの名前を出して誹謗中傷を猛烈に開始した年なのです。
私には授業内でマンキューソ准教授が私とARICを誹謗しはじめたことと、この「言論の自由に関する契約」が突如2018年春学期以降のシラバスに掲載されはじめたことは、無関係だとは思えません。
マンキューソ准教授はこの「契約」をつくって受講生に義務付けることで、一橋大学ハラスメント相談室への相談・措置の申立てを含む学内外の人権擁護機関の利用を予め封じ込めたうえで、私とARICに対するデマ吹聴と差別を含むハラスメントを自分の授業内で思う存分に行う自由を確保しようとしたのではないかとの疑いを禁じることができません。
マンキューソ准教授は2018年度以降、授業の初回に参加した学生全員に、梁英聖と知り合いかどうかを問い詰めたり、ARICのメンバーかどうかを問い詰めたりしているぐらいですから…。
【資料】マンキューソ准教授の「表現の自由に関する契約」原文全文
Freedom of Speech Agreement
ALL students and the teacher (John F. Mancuso) agree to the following:
Each student and the teacher has the right to:
1. communicate controversial opinions and speech in or outside of class
2. confront, disagree with, rebut, and question opinions that donʼt match their own
3. reject any ideas communicated in any exchange
4. communicate without being told that they are racist, sexist, homophobic, transphobic, etc., or violating a safe space
If any student or the teacher objects with any idea, word, phrase, message, gesture, picture, video, object, etc. communicated / shown, each can:
1. stay and remain quiet
2. stop communicating
3. leave the communication exchange
Each student and the teacher agrees that:
1. all communication exchanges are protected by Articles 19, 21, and 23 of the Constitution of Japan
2. no complaints will be made to anyone in or outside of this academic institution regarding any communication exchange
Termination of agreement:
1. This agreement can be ended at any time verbally or in writing, HOWEVER, what was communicated before the termination of this agreement cannot be held against any student or the teacher.
2. No further communication exchange can be entered into until the student and the teacher all agree to a new Freedom of Speech Agreement.
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